建築・デザイン学部人材養成目的・3つのポリシー(2023年度以降入学者)
※2023年4月開設
人材養成目的
建築・デザイン学部建築・デザイン学科の人材養成目的は、本学の建学の精神および共立女子大学の人材養成目的に基づき、「幅広い教養と建築・デザインの専門に係る知識・技能を身に付け、人が生きていくために必要な場を構成している「空間」や「モノ」などを総合的にとらえ、創造的に提案・実践できる人材を育成する」ことである。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
共立女子大学建築・デザイン学部建築・デザイン学科は、建学の精神「女性の自立と自活」を踏まえて展開される所定の課程を修め、124単位以上の単位修得と必修等の卒業要件を充たし、人が生きていくために必要な場を豊かに創造し、社会に幅広く貢献できる自立した女性として必要な幅広い教養と美術分野の視点から専門の知識・技能を修得し、以下に示す資質・能力を備えた人物に学位を授与する。
観点 | 内容 |
---|---|
DP1-1 客観性・自律性ー幅広い教養 |
人が生きていくために必要な場を構成している「空間」や「モノ」を創造する建築・デザイン領域を、社会との関わりの中で多角的にとらえるための幅広い教養を身に付けている。 |
DP1-2 客観性・自律性ー建築・デザイン領域の知識・技能 |
建築・デザイン領域における基礎的な知識・技能を修得した上で一つの領域(建築またはデザイン)に関して知識・技能を身に付けている。 |
DP2-1 課題発見・解決力ー創造力 |
「空間」や「モノ」に係るテーマに対して、身に付けた知識・技能を活かして客観的な課題分析を行い、既存の枠にとらわれず創造的に思考し、発想を形にする力を身に付けている。 |
DP2-2 課題発見・解決力ー表現力・伝達力 |
変化する「空間」や「モノ」などの状況に対して、常に意欲的に取り組み、社会との関わりの中でそのあり方について考え、自身の考えを他者がわかるように平易に表現することができる。 |
DP3 リーダーシップ |
「空間」や「モノ」を創造する上で必要不可欠な他者との協働において、身に付けた知識・技能を活用し、自ら主体的に活動するとともに、他者を支援するリーダーシップを発揮することができる。 |
カリキュラム・ポリシー
共立女子大学建築・デザイン学部建築・デザイン学科はディプロマ・ポリシーに定める資質・能力を美術分野の視点から育成するために必要・適切な授業科目を精選し、順次性ある体系的な教育課程を編成する。その際、科目履修の順次性に基づくカリキュラムの体系的学修を可能にするために、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー、ナンバリング、履修系統図を用いる。
その上で、教育課程編成及び授業実施にあたり、教育内容、教育方法、学修成果の評価の在り方についての方針を次の通り定める。
また、学芸員課程を設け資格取得に必要な科目を置く。
教育内容
CP1 教養教育科目
学生を、ひとりの女性・ひとりの人間として自律できる人材、すなわち日々の生活を豊かに充実して生き、主体的に社会に参加・貢献して責任ある役割を果たす人材として育成するために設けられた「自律と努力コア」「創造とキャリアコア」「協働とリーダーシップコア」の必修・選択必修を以下のように定める。
CP1-1 自律と努力コア
- 初年次教育科目・キャリア教育科目として、客観的に物事を理解し、自己を確立し生涯学び続けるための基礎的な力を養うため、以下の必修を定める。
- 学生生活への適応、ライフプランやキャリアプラン形成のための「ライフプランと自己実現」、そして論理的な考え方や文章作成技術の定着、課題発見、課題分析、情報収集、グループワーク、プレゼンテーションなどの課題解決に必要な技術の定着をはかるとともに、社会人として果たすべき責務を学ぶために、少人数で行う「基礎ゼミナール」「課題解決ワークショップ」を必修とする。
CP1-2 創造とキャリアコア
- 新たな価値を創造し社会と積極的に関わっていくための基礎的な力を身に付けるとともに、社会人として必要な教養を養うため、以下の必修・選択必修を定める。
- 情報リテラシーにおいては、情報化が加速する現代の社会生活で必要となる数理・データサイエンス・AIに関する基礎的な知識や技術を身に付けるために、「データサイエンスとICTの基礎」を必修とする。
- 英語においては、プレイスメントテストの結果を踏まえた習熟度に基づくクラスを編成し、学生の習熟度や希望に応じて体系的に科目群を編成する。現代の社会生活で必要となる英語コミュニケーション力を身につけるために「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」を必修とする。また、今後、進展するグローバル環境におけるキャリア形成に必要な語学能力を養成するためにTOEICのスコアアップを目指す。
- 社会を幅広く俯瞰し必要な教養を身につけるために「人間を理解するための教養」「社会を理解するための教養 」「自然を理解するための教養」「身体と健康を管理するための教養」「キャリアを創造するための教養」より6単位を選択必修とする。
CP1-3 協働とリーダーシップコア
- 他者と協働しながら課題解決に導くための協働性・コミュニケーション力やリーダーシップを養うために2単位を選択必修とする。
CP2 専門教育科目
専門教育科目は、建築・デザイン分野における専門性の深さを勘案し、順次性ある体系的な学びとなる教育課程を編成するため、以下のように定める。
建築・デザインを包括的にとらえるために共通して必要となる知識・技能を修得するための基礎・基盤となる「共通領域」、学年進行に合わせて「建築」「デザイン」の専門性を高めていく「建築領域」「デザイン領域」、研究・制作を行う「ゼミナール・卒業論文・卒業制作」で構成する。1、2年を建築・デザインの共通理論と各専門領域の基礎理論・基礎技術を学ぶ基盤科目とし3、4年を各専門の応用理論・応用技術を学ぶ応用発展科目とし階梯性のあるカリキュラムとして構成する。
知識を学ぶ講義系科目、具体的にものに触れて手や身体で技術を学ぶ実技系科目、理論や原理を検証し体感的に学ぶ実験系科目、講義・実技・実験で学んだ知識をテーマに沿って総合化し、建築、インテリア、まちづくり、グラフィック、プロダクトのデザインを提案する演習系科目を体系的に配置する。
CP2-1 基礎・基盤となる「共通領域」
建築・デザインの基礎・基本について事例などに基づき学ぶ「建築・デザイン概論Ⅰ・Ⅱ」と、美術分野共通の基礎となるデッサン力を養う「デザインドローイング」を1年次の必修に、自身の考えを他者に対して理解させる方法を学ぶ「プレゼンテーションテクニック」を2年次の必修に配置する。さらに、建築コースとデザインコースの学生混合のチームで、専門的な知識・技能を、実際を想定した場面で活用できるよう、課題解決型授業(Project Based Learning, 以下PBL)形式で、建築とデザインを総合的に学ぶ「建築・デザイン総合演習」を3年次の必修に配置する。
CP2-2 専門性を高める「建築領域」「デザイン領域」
建築・デザインの専門分野をより深く理解し学ぶために、「建築領域」に「建築分野」「インテリア分野」「まちづくり分野」を、「デザイン領域」に「グラフィック分野」「プロダクト分野」を設け、主として学びを深めていくための授業科目を配置する。各分野の知識・技能の基礎を固めるとともに、分野における深い知識や応用力を身に付けるための授業科目を体系的に配置する。
CP2-3 研究・制作を行う「ゼミナール・卒業論文・卒業制作」
建築・デザインが作り出す「空間」や「モノ」は、デザインする人、それを実際に作る人、そして使う人など多様な人々との協働はとても重要である。3年次に各研究室に所属し各研究室のテーマに沿って学生たちがグループを組み協働で研究・制作を行う「ゼミナール」を必修として配置する。さらに、卒業年次のアセスメント科目として、専門教育科目を中心とする教育内容を統合・深化させ、専門性を活用する力を身に付けるため、4年間の集大成として研究成果・制作作品をまとめ、成果発表までを行う「卒業論文・制作Ⅰ・Ⅱ」を必修とする。
教育方法
適切な授業形態+アクティブ・ラーニング
教育の実施は、対面教育を原則とし、その内容にふさわしい適切な授業形態(講義・実技・実験・演習)を用い、積極的にアクティブ・ラーニングの手法を取り入れたPBLを導入する。また、その効果について十分に検討した上で、必要に応じ、授業の一部について遠隔教育を活用することとする。なお、各授業・授業形態において教員と学生、学生間のインタラクションを取り入れた教育を行う。
建築では設計・施工・管理、デザインでは設計・制作・ディレクションをする知識・技術・実践力を身に付けるため、分野別の基幹となる演習科目においては、能動的学修であるPBLで授業を行い、課題設定・調査・分析を行い、問題を解決する活動を通して幅広い教養や専門的な知識・技能を高める。また、第三者に対する表現力・伝達力を養うため、演習科目においては講評会を行う。
地域連携
「建築・デサイン総合演習」においては、地域に密着した内容をテーマとして各コースの混成でチームを編成し、デザインをする実践的な授業形態を取り入れる。最終的なアイデアのプレゼンテーションを実施する際は、地域の人を招聘し、第三者の視点を取り入れ、振り返りと改善を図る。
シラバス
授業開始後の学修の指針として機能する適切なシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切な指導を行う。
シラバスにおいて、事前・事後の学修内容、目安の学修時間を提示し、事前・事後学修を担保する。
フィードバック
レポート等の課題を出す時期と授業との整合性を図り、すべての科目で形成的評価を適切に取り入れ、授業期間中に学生の理解度を把握し、期中にフィードバックを行う。
少人数制
他者との協働性、リーダーシップに寄与する主体的な学びの力を高めるために、少人数制を導入し、教員と学生間の双方向授業、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等のアクティブ・ラーニングを取り入れる。
履修モデル
学生自身の興味・関心や将来の希望に合わせて分野ごとの年次別履修モデルを提示し、これを活用した履修指導を行う。
ゼミナール合同発表会
ゼミナールにおいては全学生出席のもと、指導教員・他の教員により客観的評価を受けるため発表会を実施する。
卒業論文・卒業制作審査会
卒業論文・卒業制作においては全学生出席のもと、指導教員・他の教員そして招聘した専門家(建築家やデザイナー等)により客観的評価を受けるため審査会を実施する。
学修成果の評価
到達水準の明確化と適正な評価
各授業科目の到達目標を具体的に定め、求める到達水準を明確化して、その到達状況を適正に評価する。各授業科目の単位修得目標を具体的に定め、求める到達水準を明確化し、各科目の評価方法と評価割合に従い、単位取得の可否を適正に評価する。
学修成果の評価—試験・レポート・作品
各授業科目の学修成果の最終的な評価は試験・レポート・提出作品(講評会含む)により行う。また、授業科目の内容に応じて、日常的な課題、小テスト、態度等を適切に評価する。
ルーブリックの活用
分野別の基幹となる演習科目においては、履修者が自分自身の優れているところ、努力を必要とするところを明確に理解し、学修態度の指向性を増幅することができるよう、情報収集力・情報分析力・課題発見力・構想力など複数の項目についてルーブリックを活用した評価を行う。
講評会による客観的評価
分野別の基幹となる演習科目においては、外部の専門家(建築家やデザイナー等)を招聘して講評会を行い、実践的な社会の視点で客観的評価を受ける。
卒業論文・卒業制作審査会による客観的・総括的評価
4年間の学修成果・卒業時到達目標の到達度については、卒業論文・卒業制作をアセスメント科目として位置づけ、審査会において、指導教員、他の専任教員、招聘した外部の専門家(建築家やデザイナー等)からの評価を踏まえて、客観的・総括的に評価する。その結果により表彰を行う。
進級条件
1年次から2年次の進級については、1年修了時時点の通算GPAが0.6以上であることを条件とする。3年次から4年次の進級については、卒業に必要な124単位のうち84単位以上の単位を修得していることを条件とする。
アドミッション・ポリシー
共立女子大学建築・デザイン学部建築・デザイン学科は、建学の精神である「女性の自立と自活」に基づき、本学が教育の基軸にすえる「リーダーシップ」教育と「実学」教育を理解し、積極的に受容する資質・能力を有する人物、かつ建築・デザイン学部建築・デザイン学科のディプロマ・ポリシーに定める知識・技能などを美術分野の視点から修得するための基盤となる以下に掲げる学力の三要素を備えた人物を受け入れる。なお、このような学生を適正に選抜するために、多様な選抜方法を適切に実施する。
学力の三要素 | AP№ | 内容 |
---|---|---|
知識・技能 | AP1-1 | 高等学校の教育課程を幅広く修得している。 |
AP1-2 | 建築・デザインについて学ぶために必要な高等学校卒業相当の「国語」「英語」「理科」「数学」「地理歴史」の知識があり、入学後の修学に必要な技能を有している。 | |
思考力・判断力・表現力 | AP2 | 「空間」や「モノ」に対する観察力・描写力と、基礎造形力・基礎表現力を有しているとともに、「空間」や「モノ」に関連した情報を意欲的に収集し、それらに関連した何かを創り出そうとすることに喜びを感じ、考察、表現することに関心を有している。 |
主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ意欲・態度 | AP3-1 | 将来的に建築やデザインに興味を持ち、プロジェクトに対してグループのなかでディスカッションとエスキースを繰り返しながら、創作意欲を刺激し合い、目標を達成する意欲・態度を有している。 |
AP3-2 | 学内・学外の行事に積極的に参加し、プロジェクトを進んで計画遂行し、リーダーシップを発揮しグループの中で活動しようとする意欲・態度を有している。 |