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学長ブログ

学長ブログ ~学長のつぶやき~

※当該記事写真の掲載にあたりましては、小学館集英社プロダクションの了承を得ております。

令和2年6月23日

共立女子大学・共立女子短期大学 学長 川久保 清

 新型コロナ感染症による休業要請が解除され、神保町の古書店も再開し、本の街神保町に賑わいが少し戻ってきました。休業要請の解除は、美術館や映画館などから始まったのは嬉しいことです。こういう時こそ不要不急のエンタメが求められると思います
 休業していた神保町シアターは、6月1日(月)より営業再開し、緊急企画「にっぽん喜劇の底力」として、1960-1970年代の喜劇映画が特集されました。フランキー堺、植木等、ザ・ドリフターズが主演の映画です。館内は席を半分にしてマスク着用にて利用する形でした。コロナ自粛の落ち込んだ気分を晴らすには喜劇はいいですが、笑い声は自粛でした。神保町シアターファンとしては閉館にならずによかったとまず思いました。
 学長ブログの2018年5月16日では、「神保町はエンタメの街」として神保町シアターとまんがの聖地のことを書きました。両方ともに本学隣の小学館が関係しています。
 「本の街・神保町を元気にする会」というのがあり、本学も理事として参画しています。今年の2月7日に理事会があり、出席してきました。その場で紹介されたのが、「現代マンガは神保町から始まった!?」という野上暁氏の原稿でした。戦後の第一次マンガブームは、1950年代に神保町周辺で創刊された月刊誌に始まります。その中には少年画報(神田三崎町3丁目)の赤胴鈴之助(2019年2月20日ブログ参照)も含まれます。
 1959年には小学館から「週刊少年サンデー」が創刊され、同時創刊された文京区講談社の「週刊少年マガジン」とともに当時小学生であった私達団塊の世代のエンタメ欲求を満たすものでした。しかし、私の家では、厳格な祖父が孫の教育をコントロールし、週刊まんが雑誌は読ませてもらえませんでした。その反動もあってか大学生になると小学館が発行する青年マンガ誌ビッグコミック(1968年大学1年生の時に創刊)や集英社の少年ジャンプ(1968年創刊)、秋田書店(飯田橋)の少年チャンピオン(1970年創刊)などにはまるようになりました。これらの漫画雑誌は、漫画は子供の読むものという認識を変え、当時の若い世代の人々に読まれました。ビックコミックの手塚治虫、石ノ森章太郎、さいとうたかお作品、少年チャンピオンのブラックジャック(手塚治虫)やドカベン(水島新司)などをよく読んだことを思い出します。
 小学館は私達団塊の世代が成長するにあわせてマンガ雑誌を制作するかのように1974年には大人むけマンガ雑誌ビッグコミックオリジナルを創刊しました。小学館が小学生用学年誌に、ドラえもん(藤子・F・不二雄)(写真)を掲載し始めたのは1970年であり、団塊の世代の子供をターゲットにしたようでした。ドラえもんは、作者の藤子・F・不二雄が1996年に死亡後も、テレビや映画で引き続き制作され続けています。小学館が運営する神保町シアターでは、ドラえもん映画祭2020年として、今年の2月1日から3月5日まで過去の39作品の上映会をおこなっていました。1980年の「のび太の恐竜」から2019年の「のび太の月面探査機」までです。私は、2月20日に「新・のび太の日本誕生(2016年)」を見にいきましたが、丁度新型コロナウイルス感染症の感染が始まったころで、劇場内には観客は数人しかいませんでした。ドラえもんの2020年度の新作「のび太の新恐竜」は、3月の公開を8月公開に延期しています。
 マンガ制作が新型コロナウイルス感染症蔓延による自粛の影響を受けた例として、朝日新聞5月9日の朝刊社会面に、「ゴルゴも「3密」回避 初の休載」という記事が掲載されていました。「ビッグコミック」(小学館)に1968年11月から連載52年のさいとうたかおによる人気劇画。「ゴルゴ13」を当面の間休載するという内容でした。「ゴルゴ13」は、国籍不明のスナイパー デューク東郷が活躍する劇画ですが、3密状態での10人超のスタッフによる分業制のため3密の作画課程を維持できないというのが休載の理由でした。創刊の年から連載していたのはすごいことですが、手書きを中心とした分業制によるマンガ制作は日本独自のようです。これを契機に制作方法が変わるかも知れません。
 「ゴルゴ13」は、2016年のダッカ襲撃テロ事件を受け、外務省が作成した中堅・中小企業向け「海外安全対策マニュアル」に登場します。今回ゴルゴ13休載中にビッグコミックに掲載された過去作品は、主人公がエボラ出血熱とおぼしき感染症に罹患するストーリです。
 コロナウイルスとは関連がありませんが、漫画家のジョージ秋山氏が、2020年5月12日に77歳で逝去されたと新聞に掲載されていました。同氏は、「浮浪雲」をビッグコミックオリジナルに1973から2017年まで連載していたので有名でした。浮浪雲は江戸時代末期の品川宿にて問屋をいとなむ頭を描いた漫画で、渡哲也主演でテレビドラマ化もされました。
 大学時代からまんが好きであった私は、毎週のようにマンガ雑誌を購続していましたが、2003年に本学に赴任以来中断していました。今回、上記のような新聞記事をみて、もう一度読んでみたくなり、先日来ビッグコミックとオリジナルを買って読んでいます。久しぶりながら昔から連載している作品があり、いいなと思いました。

 早くゴルゴ13連載復活してほしいとつぶやく学長でした。







令和2年6月4日

共立女子大学・共立女子短期大学 学長 川久保 清

 5月25日に45日間の緊急事態宣言が解除され、東京都の大学休止の要請も解除されました。本学では6月1日より一部の科目の対面授業を開始し、一部の学生が登校を開始しました。緊急事態措置の解除といっても、「新しい生活様式」に従い感染予防対策をおこないながらの学校再開です。
 写真のように入構時にチェックし、食堂ではお弁当のみの販売として、座席は対面にならないようにしています。対面の授業は主に実験・実習・実技系科目ですが、先生方にはマスクやフェイスシールドをして講義をおこなっていただいています。
 学生はみなマスクをして登校してきます。休み時間の様子ではマスクはしているけれどソーシャルディスタンス(最低1m)を保つのは難しいようです。
 そもそも本学の校訓には「友愛」があります。学生同士の距離が近く、仲がいいのが特徴です。「新しい生活様式」のソーシャルディスタンスには抵抗があるかもしれません。
 しばらくは、自分がコロナかからないために手洗い励行し、ソーシャルディスタンスを保ち、食堂などでは対面で座らない。他人にうつさないために、マスクをし、おしゃべりはほどほどに、毎朝検温し、発熱など体調が悪い時は登校しない、という生活様式が求められます。
 行動変容とか生活様式などの言葉は健康科学の領域で、健康づくりのための行動変容、たとえば喫煙しない、運動をする、朝食を毎朝食べる、野菜は1日350gなどポジティブな行動を継続する目的で使われます。おしゃべりを控えてソーシャルディスタンスを保つというような生活様式はいつまで続けるのかと思ってしまいます。

 アマビエ様にお祈りするしかないのかと弱気な学長です。







令和2年5月22日

共立女子大学・共立女子短期大学 学長 川久保 清

 新型コロナウイルス感染症対策に対する緊急事態宣言が延長され出口が見えないなかで、在宅勤務を中心とした生活が続いています。テレビ視聴が多い中で、コロナウイルス感染症対策に関する様々な言葉よく聞くようになりました。
 例えば、『「3密(密閉・密集・密接)」を避けるために、「不要不急」の外出を避けるようにしましょう。できるだけ「Stay Home (巣ごもり)」に努めましょう。外出しなければならないときはマスクをして、「ソーシャルディスタンス」を保ちましょう。』などです。また、救急医学の用語である「トリアージ」も話題になりました。いずれも今年の新語・流行語大賞に選考されそうな言葉です。
 この中で私にといって一番インパクトが強かったのは「不要不急」です。様々な社会活動を休止するかどうかの判断をするときに色々考えさせる言葉です。緊急事態宣言を受け、東京都から休業の要請を受けた業種には、古本店があり、写真のように神保町の古本店の大部分が休業に入りました(テレビ放映では9割が休業と放送されました)。新刊書店はそのまま営業を続けている店が多いので、古本販売は不要不急と判断されたのでしょう。
 大学は休業を要請され、本学も学生の入構を制限し、閉鎖しています。その中で、5月4日からオンライン授業を遠隔で始めることができました。その準備が大変でしたが、昨年度より運用が始まっていた新kyonetが役立ちました。大学の授業が不要不急と判断されずによかったです。もっとも、今回のことを契機に、大学での授業の在り方が変わることが予想されます。様々な職業を不要不急の判断から区別するような方向性には反対ですが、新型コロナウイルス感染をきっかけに社会が変わることは間違いなさそうです。
 映画館の多くは「3密」を避ける上で休業中ですが、映画そのものを「巣ごもり」生活で鑑賞する需要は高まっているように見受けます。映画と観客の関係性が変わる可能性があります。以前のブログ(令和2年2月1日)で述べた「映画は映画館で鑑賞するものだ」という自分の考えも変更せざるを得ないかもしれません。
 5月15日の朝日新聞夕刊には、「ドライブインシアター復権 山梨などで開催、神奈川・大磯でも企画」という記事が掲載されていました。「ドライブインシアターは、駐車場などの野外に大きなスクリーンを設置し、FMラジオを通してカーステレオから音を出す上映方法。車社会の米国で生まれ、日本でも1990年代に流行したが、シネコンの普及などによって下火となっていた。しかし最近は米国や韓国など海外でも、コロナ流行下の映画鑑賞方法として復活の兆しをみせている。」と記載されています。
 たまたま「映画館と観客の文化史」(中公新書、2006年、加藤幹郎著)を読んでいて、ドライブインシアターの歴史を知りました。ドライブインシアターは、1933年に米国ニュージャージー州で誕生し、1950年代に「戦後の大衆車文化の到来と住宅地の郊外化」の波に乗って最も広がりを見せますが、ちょうどテレビの普及によって映画産業が衰退するのと同期して少なくなっていきます。ドライブインシアターは、家族や恋人同士で映画を楽しみたい要望にあったものでした。1950年代の「古き良きアメリカ」を描いた映画ではドライブインシアターを楽しむカップルがよくでてきます。私は残念ながらドライブインシアターの経験はありませんが、小学校の校庭にスクリーンを張った、屋外映画鑑賞会での開放感は覚えています。ホームシアターの大きなテレビ画面で映画を楽しめる時代にドライブインシアターが日本で普及するとは思えません。しかし、残念ながら映画館の密閉空間で映画を鑑賞する機会は今後少なくなりそうです。

 学長職が不要不急の職のようだとつぶやく学長でした。







令和2年5月1日

共立女子大学・共立女子短期大学 学長 川久保 清

 オリンピックのレガシー(遺産)は、オリンッピクの開催都市ならびに開催国にレガシーを残すことを推奨すると2002年にIOCがオリンピック憲章に記されてから、意識されるようになりました。レガシーには、スポーツ、社会、環境、都市、経済などの側面があり、負のレガシーとされるものもあります。2012年のロンドンオリンピックの時のロンドン東部地区の再開発が都市レガシーとして有名です。
 1964年の東京オリンピックは、物心両面で様々なレガシーを残しました。東京オリンピックを契機に完成した東京を縦横に走る首都高速道路、新幹線などの移動手段の変化は日本人の生活を変えました。写真は、首都高速の竹橋ジャンクションです。首都高速は、過密な東京のため水路の上に作られ、竹橋ジャンクションは日本橋川の上に作られました。東京の水路と首都高速の話は、2018年5月7日のブログで述べました。日本橋の上の首都高速の建て替え問題が起きていることを考えると、首都高速は負のレガシーと言えるかもしれません。もっとも本学は、首都高速の竹橋ジャンクションから神田一ツ橋キャンパスが見え、中央高速から八王子キャンパスが見えることで有名ですので、高速道路のメリットを受けています。
 ちなみに、写真に写る3号館は、昭和38年(1963年)、東京オリンピックの前年に本学創立75周年事業として落成したものです。当時は文科系の校舎として使われました。外壁壁面には洋画家和田三造による聖女奏楽の像があります。和田三造は、1953年に公開され、カンヌ国際映画祭グランプリを獲得した映画「地獄門」(衣笠貞之助監督)の衣装デザインを担当し、アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞したことで有名です。3号館は本学にとっての東京オリンピックのレガシーかもしれません。
 東京オリンピックの時、私は中学3年生でした。あの時の高揚した気分は忘れません。それが心理的なレガシーかもしれません。しかし、今、本来なら、オリンピックの聖火が全国を駆け巡り、全国的に歓迎ムードになっていたと思われるのに、COVID-19の国内感染は収束の傾向がなく、オリンピック関連だけでなく様々なスポーツ活動の自粛が続いています。気分は落ち込みますが、「明けない夜はない」と元気づけています。

 来年オリンピックが無事に開催され、私達に夢と希望を与えてくれますようにとつぶやく学長でした。







令和2年4月1日

共立女子大学・共立女子短期大学 学長 川久保 清

 新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の国内感染は収束の傾向がありません。また、世界的には更に拡大傾向があり、3つの条件(①換気の悪い密閉空間、②手の届く距離に多くの人がいる、③近距離での会話や発声がある)が重なる場をできるだけ避けることが求められるようになりました。この3つの条件が重なる場はまさに学校ではないかとある事務職員がつぶやきました。学位記授与式中止、入学式中止に引き続いて、春休みの後の授業再開も延期を決定しました。
 このウイルス感染は、隔離や検疫で予防するのが難しい性質を持っているようです。3月24日には、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期がついに決定されました。無観客スポーツイベントは面白くないなどと言っている場合ではないようです。
 4月1日予定の入学式中止の判断をおこないましたので、その代替として入学お祝い学長メッセ―ジを発信させて頂きました。その中で、「協働とリーダーシップ」のKWUビジョンを強調し、新年度から導入された全学共通副専攻制度「リーダーシップ」を紹介しました。キャッチフレーズは、Major in anything. Minor in Leadership. (主専攻は様々な専門分野、副専攻はリーダーシップ)です。
 ここでのリーダーシップは、単に上に立つリーダーとしてではなく、自ら主体的に動きながら、他者や周囲を励まし、支援するリーダーシップをさします。この4月に開設したビジネス学部の人材養成目的に通じる考え方です。昨年の春のビジネス学部開設準備の広報では、「一人の愛よりチームの愛」というキャッチフレーズを示していました。ラグビーワールドカップ日本チームの「ワンチーム」より早くとなえていました。
 新型コロナウイルス感染拡大を抑制する社会的使命がある中、大学では教職員がワンチームとなって感染症予防対策を行っていく必要があります。その時に必要なのが皆それぞれのリーダーシップだと思います。
 本館1階ロビーの展示室には私の知らないうちに写真のような入学お祝いのメッセージが飾られました。これを自主的に作って頂いたのは学生課職員のリーダーシップによるものと感謝しました。

 本館ロビーの展示は学長のビデオメッセージよりいいなとつぶやく学長でした。