看護学部人材養成目的・3つのポリシー(2023年度以降入学者)
人材養成目的
看護学部の人材養成目的は、本学の建学の精神および共立女子大学の人材養成目的に基づき「幅広い教養を基盤とした豊かな人間性を養い、看護専門職として必要とされる知識・技術・態度に基づいた看護実践能力を修得するとともに、将来にわたり看護の向上に資するための研鑚能力を養い、人々の健康の保持増進に寄与することにより、自ら自己の将来を切り開き、自律的に社会に参画・貢献しうる女性を育成する」ことである。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
共立女子大学看護学部看護学科では、建学の精神「女性の自立と自活」を踏まえて展開される所定の課程を修め、124 単位以上の単位修得と必修等の卒業要件を充たし、幅広い教養と専門分野における知識・技術の学修を通して、以下に示す資質・能力を備えた人物に学位を授与する。
観点 | 内容 |
---|---|
DP1 幅広い教養 |
看護の対象となる人々と社会を多角的にとらえるための幅広い教養を身につけている。 |
DP2 自然科学的・臨床医学的知識 |
科学的根拠に基づき、看護を適切かつ安全に実践するための専門的知識を身につけている。 |
DP3 人間科学的・社会医学的知識 |
看護の対象となる人々を生活者としてとらえ、生活とその基盤となる社会を理解するための専門的知識を身につけている。 |
DP4 倫理観、自律性 |
人々の尊厳と権利を擁護する姿勢、並びに高い倫理観に基づき、自律的な判断のもと行動することができる。 |
DP5 コミュニケーション能力、看護技術 |
看護の対象となる人々の健康課題に応じて、ケアを行うためのコミュニケーション能力と看護技術を身につけている。 |
DP6 多職種・多機関連携 |
地域包括ケアシステムの中で、多職種・多機関と連携・協働して支援を行う上で、看護職が果たすべき役割を理解している。 |
DP7 アセスメント力、実践力 |
看護の対象となる人々の発達段階、心身の状態、生活状況から健康課題をアセスメントし、看護ケアの計画立案・実施・評価を行うことができる。 |
DP8 社会資源の活用・開発 |
看護の対象となる人々を取り巻く環境(家族、地域の特性、社会資源)を把握し、健康課題に応じて、多職種・多機関と連携・協働して社会資源を活用・開発するための計画を立案することができる。 |
DP9 研究能力、自己研鑽 |
社会的ニーズと自身の関心に基づき主体的に学修し、課題を明確化するための基礎的研究能力と、自己研鑽して社会への貢献を目指す態度を身につけている。 |
DP10 チームワーク、リーダーシップ |
看護の対象となる人々や保健医療福祉チームのメンバーと信頼関係を構築し、目標設定及び解決のために、他者の考えを理解し、自身の考えを述べることができる。 |
カリキュラム・ポリシー
共立女子大学看護学部看護学科は、ディプロマ・ポリシーに定める資質・能力を育成するために必要・適切な授業科目を精選し、順次性ある体系的な教育課程を編成する。その際、科目履修の順次性を通し、カリキュラムの体系的学修を可能にするために、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー、ナンバリング、履修系統図を用いる。
その上で教育課程の編成及び授業実施にあたり、教育内容、教育方法、学修成果の評価方針を以下の通り定める。
教育内容
CP1 教養教育科目
学生を、ひとりの女性・ひとりの人間として自律できる人材、すなわち日々の生活を豊かに充実して生き、主体的に社会に参加・貢献して責任ある役割を果たす人材として育成するために設けられた「自律と努力コア」「創造とキャリアコア」「協働とリーダーシップコア」の必修・選択必修を以下のように定める。
CP1-1 自律と努力コア
- 初年次教育科目・キャリア教育科目として、客観的に物事を理解し、自己を確立し生涯学び続けるための基礎的な力を養うため、以下の必修を定める。
- 学生生活への適応、論理的な考え方や文章作成技術の定着、ライフプランやキャリアプランの形成、課題発見、課題分析、情報収集、グループワーク、プレゼンテーションなどの課題解決に必要な技術の定着をはかるとともに、社会人として果たすべき責務を学ぶために、少人数で行う「基礎ゼミナール」「課題解決ワークショップ」を必修とする。
CP1-2 創造とキャリアコア
- 新たな価値を創造し社会と積極的に関わっていくための基礎的な力を身につけるとともに、社会人として必要な教養を養うため、以下の必修・選択必修を定める。
- 情報リテラシーにおいては、情報化が加速する現代の社会生活で必要となる数理・データサイエンス・AIに関する基礎的なリテラシーや情報処理に関する知識・スキルを身に付けるために、「データサイエンスとICTの基礎」「情報処理」を必修とする。
- 英語においては、プレイスメントテストの結果を踏まえた習熟度に基づくクラスを編成し、学生の習熟度や希望に応じて体系的に科目群を編成する。現代の社会生活で必要となる英語コミュニケーション力を身につけるために「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」を必修とする。また、今後、進展するグローバル環境におけるキャリア形成に必要な語学能力を養成するためにTOEICのスコアアップを目指す。
- 幅広い教養を身に付け、多様な視点で社会を幅広く俯瞰し必要な教養を身につけるために「人間を理解するための教養」「社会を理解するための教養 」「自然を理解するための教養」「身体と健康を管理するための教養」「キャリアを創造するための教養」より4単位を選択必修、「生物学への招待」を必修とする。
CP1-3 協働とリーダーシップコア
- 他者と協働しながら課題解決に導くための協働性・コミュニケーション能力やリーダーシップを養うために、「現代社会の諸課題の解決」「リーダーシップ開発」から2単位を選択必修とする。
- 他者と協働し様々な課題解決を行なう中で、自らの価値観と多様な価値観を調整するために必要なコミュニケーション力やリーダーシップを身に付けることを目指して、PBL(Project Based Learning)の手法を用いて授業を行う。
CP2 専門教育科目
専門教育科目は、ケア対象者について理解し、その対象に応じた健康課題を適切に査定し、健康生活を支えるために必要な基礎から応用までの援助の理論と実践力、及び看護実践のための専門性を発展させる能力を育成することを目的とし、『専門基礎科目』、『専門基幹科目』、『専門展開科目』、『統合科目』に区分する。それぞれの科目区分及び科目構成は以下の通りである。
CP2-1 専門基礎科目
専門基礎科目においては、看護学を学修する上での基礎・基盤となる知識・能力・態度を養成する。具体的には、看護の対象である人間や、健康生活を取り巻く社会環境などについて理解することを目標とし、『人体の構造と機能』、『病態と治療』、『看護の基盤』、『社会と医療』に区分して1・2年次を中心に配当する。
CP2-2 専門基幹科目
専門基幹科目は、専門的職業人として必要とされる看護学分野の専門的な知識と技術、態度の修得を目標とする。特に、「援助演習」「実習」科目では、グループワークを活用し、チームワークに求められる態度とリーダーシップを養成する。
①基礎看護学領域の科目
健康生活を支えるための看護技術の原理と基礎を学ぶための『基礎看護学』領域の科目を1・2年次に配当する。
②各専門領域における看護活動の学修
看護対象者のライフサイクルや健康課題に応じて行う看護活動の基礎を学ぶために、『基礎看護学』『成人看護学』『老年看護学』『小児看護学』『母性看護学』『精神看護学』『地域・在宅看護学』領域の科目を1年次から4年次まで配当する。
各専門領域においては、授業科目の構成を大きく「概論」「援助論」「援助演習」の三段階に分けて展開する。「概論」においては、それぞれのライフサイクルにおける看護対象者の特徴や、健康障害の特徴、健康の保持増進のための社会の取組み、健康レベルに応じた看護対象者へのアプローチの基盤となる理論等、各専門領域の全体を俯瞰した基礎的な知識を修得する。
「援助論」においては、「概論」で学んだ知識を基盤として、対象者の健康上の問題を捉え、看護援助の具体的な方法や看護過程について学修する。
「援助演習」においては、「概論」及び「援助論」で学んだ知識を基盤として、具体的な事例を設定し、学内において援助技術を身に着けるための演習を行う。
③総合技術演習(OSCE)
3年後期からの各専門領域の実習開始前に、これまで学んだ知識・技術・態度を総合した臨床能力を客観的に評価し、臨地実習に臨むにあたり個々の学生が自己の臨床能力の課題を把握するとともに、必要な学修に主体的に取り組めるようにするために、「総合技術援助演習(OSCE)」(OSCE:Objective Structured Clinical Examination)を3年次前期に配当する。
④看護研究法
将来にわたり自己研鑽に取り組み、看護実践のための専門性を発展させるために、自発的な能力開発を継続するための能力や基礎的な研究能力を育成することを目標とし、「看護研究法」を配置する。
⑤臨地実習
各科目で修得した知識・技術・態度を、看護実践の場面に適用し、理論と実践を統合する能力を養い、保健医療福祉チームと連携・協働して看護を提供することができるように「臨地実習」科目を編成する。「臨地実習」は講義と実習の進度に応じて、学修効果が得られるように、それぞれ相補性を持たせ、1年次から4年次まで段階的に配置する。
CP2-3 専門展開科目
専門展開科目は、学生が卒業後看護専門職としての役割を果たし、社会に貢献していくために、各専門領域で学んだ知識・技術・態度を基盤として、看護職としての専門性を発展させ、看護実践能力を開発する能力を育成することを目標とし、各専門領域の枠を越えて今後の医療・看護の現場における課題解決のために必要な知識・能力を養う科目を選択科目として配置する。
CP2-4 統合科目
『専門基礎科目』『専門基幹科目』『専門展開科目』の学修を統合する科目を配置する。「統合ケア演習」「看護学総合実習」「公衆衛生看護学実習」においては、これまでの学修を統合して、多職種・多機関の連携・協働について実践的に理解させるとともに、医療チームの一員として看護を実践するためのマネジメント能力等を養成する。
「卒業研究」においては、これまでの学修内容の中から研究課題を設定し、研究プロセスに則って論文を作成し発表する。
教育方法
- 教育内容の実施にあたっては、対面教育を原則とし、その内容に相応しい適切な授業形態(講義、演習、実験・実習・実技)を用いる。また、その効果について十分に検討した上で、必要に応じ遠隔教育を活用することとする。
- 授業開始後の学修の指針として機能するシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切に指導を行う。
- すべての科目で形成的評価を適切に取り入れ、授業期間中に学生の理解度を把握し、確実にフィードバックする。
- 教員と学生、学生間のインタラクションを取り入れた教育方法をすべての授業で行う。
- 演習科目においては、PBL(Problem Based Learning)を積極的に導入し、情報収集・分析を行い、課題を解決するための計画を立案し、実施する。
学修成果の評価
- ディプロマ・ポリシーに基づき、各科目で到達目標を具体的に定め、その到達状況を適切に評価する。
- 各科目で単位修得目標を具体的に定め、単位修得の可否を適切に評価する。
- 各科目の学修成果の最終的な評価は試験により行う。また、科目の学修内容に応じて、課題、小テスト、レポート、意欲・態度等を適切に取り入れ、多角的に評価する。
- 各科目の評価方法と評価割合を明確に定める。
- 1年次から2年次の進級については、1年修了時時点の通算GPAが0.6以上あることを条件とする。
- 2年次から3年次の進級については、卒業に必要な124単位のうち79単位を修得していることを条件とする。
- 3年次前期末には、これまでの学修成果の確認試験(OSCE)を行い、知識・技術、思考力・判断力の修得状況の確認・評価を行う。
- 4年間の学修成果や到達度の評価については、統合ケア演習、看護学総合実習Ⅱ、卒業研究などにより、総合的に評価する。
アドミッション・ポリシー
共立女子大学看護学部看護学科は、建学の精神である「女性の自立と自活」に基づき、本学が教育の基軸にすえる「リーダーシップ」教育と「実学」教育を積極的に受容する資質・能力を有し、以下に掲げる学力の三要素を備えた人物を受け入れる。
このような学生を適正に選抜するために、多様な選抜方法を適切に実施する。
学力の三要素 | AP№ | 内容 |
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知識・技能 | AP1-1 | 看護学部で学修する基盤として、高等学校相当の知識を幅広く修得している。 |
AP1-2 | 看護学部で学修する基盤として、高等学校「国語」と「英語」を通じて、コミュニケーションスキルの基礎となる読む・書く力を身につけている。 | |
AP1-3 | 専門科目を学修する基盤として、高等学校理科における「生物基礎・生物」「化学基礎・化学」分野の知識、並びに数量的スキルの基礎を身につけている。 | |
思考力・判断力・表現力 | AP2 | 他者の意見や考え方を尊重し、自らの考えを整理・表現するための基礎となる思考力・判断力・表現力を有している。 |
主体性を持って多様な人々と協働する態度 | AP3-1 | 看護専門職として社会に貢献する強い意志を持ち、自己の資質向上のための課題に、主体性を持って最後まで取り組む態度を有している。 |
AP3-2 | リーダーシップを発揮し、他者と協力して何事にも積極的に取り組む意欲を有している。 |