家政学部 被服学科人材養成目的・3つのポリシー(2023年度以降入学者)
人材養成目的
家政学部被服学科の人材養成目的は、家政学部の人材養成目的に基づき、「被服学を理論と実践の両面から学ぶことにより、高い専門性を有すると共に、伝統に培われた教育理念を踏まえながら知性と情操とを備え、新しい時代の流れに即応して広く社会的に活動ができる女性を育成する」ことである。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
共立女子大学家政学部被服学科は、建学の精神「女性の自立と自活」を踏まえて展開される所定の課程を修め、124単位以上の単位修得と必修等の卒業要件を充たし、幅広い教養と専門分野における知識・技術の学修を通して、以下に示す資質・能力を備えた人物に学位を授与する。
観点 | 内容 |
---|---|
DP1-1 客観性・自律性―幅広い教養 |
被服学を多角的にとらえるための幅広い教養を身につけており、自ら発展的な学修ができる。 |
DP1-2 客観性・自律性―専門知識 |
被服学に関する体系的な専門知識を修得し、衣生活における人と自然・社会環境との関係を深く追求し、主体的に考え、自律的に行動する能力を身につけている。 |
DP1-3 客観性・自律性―専門技能 |
生活の質の向上と人類の福祉に貢献するため、被服学の広範な知識と専門的な技能を修得し、修得した技能を主体的判断のもとに応用できる。 |
DP2 課題発見・解決力 |
社会の動向を踏まえ、衣生活における人と自然・社会環境に関する課題を発見し、被服学の専門的な知識・技能を活用して、諸課題を分析し、解決できる能力を身につけている。 |
DP3 リーダーシップ |
衣生活における人と自然・社会環境に関する目標を掲げて共有したうえで、リーダーシップを発揮し、他者とともに生活の質の向上に貢献できる。 |
カリキュラム・ポリシー
共立女子大学家政学部被服学科は、ディプロマ・ポリシーに定める資質・能力を育成するために必要・適切な授業科目を精選し、順次性ある体系的な教育課程を編成する。その際、科目履修の順次性に基づくカリキュラムの体系的学修を可能にするために、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー、ナンバリング、履修系統図を用いる。
その上で、教育課程編成及び授業実施にあたっての教育内容、教育方法、学修成果の評価の在り方についての方針を次の通り定める。
教育内容
CP1 教養教育科目
学生を、ひとりの女性・ひとりの人間として自律できる人材、すなわち日々の生活を豊かに充実して生き、主体的に社会に参加・貢献して責任ある役割を果たす人材として育成するために設けられた「自律と努力コア」「創造とキャリアコア」「協働とリーダーシップコア」の必修・選択必修科目を以下のように定める。
CP1-1 自律と努力コア
- 初年次教育科目・キャリア教育科目では、客観的に物事を理解し、自己を確立し生涯学び続けるための基礎的な力を養うため、以下の必修科目を定める。
- 学生生活への適応、ライフプランやキャリアプラン形成のための「ライフプランと自己実現」、そして論理的な考え方や文章作成技術の修得、課題発見、課題分析、情報収集、グループワーク、プレゼンテーションなどの課題解決に必要な技術の修得をはかるとともに、社会人として果たすべき責務を学ぶために、少人数制で行う「基礎ゼミナール」「課題解決ワークショップ」を必修科目とする。
CP1-2 創造とキャリアコア
- 新たな価値を創造し社会と積極的に関わっていくための基礎的な能力を身につけるとともに、社会人として必要な教養を養うため、以下の必修・選択必修科目を定める。
- 情報リテラシーにおいては、情報化が加速する現代の社会生活で必要となる数理・データサイエンス・AIに関する基礎的な知識や技術を身につけるために、「データサイエンスとICTの基礎」を必修科目とする。
- 英語においては、プレイスメントテストの結果を踏まえた習熟度に基づくクラスを編成し、学生の習熟度や希望に応じて体系的に科目群を編成する。現代の社会生活で必要となる英語コミュニケーション力を身につけるために「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」を必修とする。また、今後、進展するグローバル環境におけるキャリア形成に必要な語学能力を養成するためにTOEICのスコアアップを目指す。
- 語学科目においては、「英語」および「初習外国語」の科目群より6単位を選択必修科目とし、 今後、進展するグローバル環境において必要な英語コミュニケーション力やキャリア形成に必要な語学能力を養成する。
- 社会を幅広く俯瞰し必要な教養を身につけるために、「人間を理解するための教養」「社会を理解するための教養」「自然を理解するための教養」「身体と健康を管理するための教養」「キャリアを創造するための教養」の5つの科目群から6単位を選択必修とする。
CP1-3 協働とリーダーシップコア
- 他者と協働しながら課題解決に導くための協働性・コミュニケーション能力やリーダーシップを養うために、「現代社会の諸課題の解決」「リーダーシップ開発」から2単位を選択必修とする。
- 他者と協働し様々な課題解決を行なう中で、自らの価値観と多様な価値観を調整するために必要なコミュニケーション力やリーダーシップを身に付けることを目指して、PBL(Project Based Learning)の手法を用いて授業を行う。
CP2 家政学部共通科目
家政学部共通科目では、家政学を学ぶうえで身につけておくべき基本的な知識と技能を修得するため、以下の教育課程を編成する。
- 被服、食物、住居、児童、家庭経営の5領域の基本的知識を学び、それらを統合した人間のライフサイクルと福祉の視点から人間生活を理解するための科目を配置する。
- 前述の5領域に関連または基礎となる社会科学・自然科学などの幅広い諸科学の視点と基本的知識を獲得するための科目を配置する。
CP3 専門基礎科目
被服学に関する広範な知識・技能を修得するために、各科目の教育内容に応じて講義、実験・実習、演習系科目を配置し、「被服材料学I」「被服管理学I」「染織文化史」「和服文化論」「被服造形学」「被服デザインI」「アパレル消費科学」を必修科目とする。ディプロマ・ポリシーに示した能力を身につけるため、少人数制による教員と学生間の双方向授業、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等のアクティブ・ラーニングを重視した教育を行う。
CP4 専門基幹科目
キャリアプランの実現に向けて、被服科学・染織文化財・ファッションクリエイション・ファッションビジネスの4コースを設置し、専門分野の知識・技能について深く学ぶ。高度な専門知識・技能を実践的・体験的に学修し、様々な課題に対して応用できる能力を身につけるための専門科目を体系的に配置する。
CP5 専門発展科目
被服に関する専門的な知識・技能を修得し、さらに、思考力・判断力・表現力を身につけた成果を論述、あるいは、表現するために、「卒業論文」「卒業制作」「卒業演習」を選択必修科目として配置する。
CP6 その他
中学校・高等学校教諭一種免許状(家庭)、学校図書館司書教諭、学芸員の資格取得に必要な科目を設置する。また学際的な知識の取得や学部・学科間さらには他大学との交流を促すために、他学部開放科目・単位互換科目を設定する。
教育方法
階梯性のあるカリキュラム構成
専門教育科目は、被服学に関する包括的な知識・技能を修得するための専門基礎科目を1・2年次に学修し、3・4年次では応用を含めた高度な専門基幹科目・専門発展科目を学修する階梯性のあるカリキュラムとして構成する。
専門分野
被服科学、染織文化財、ファッションクリエイション、ファッションビジネスに関する基礎的な知識・技能を実践的・体験的に学修し、様々な課題に対して応用できる能力を身につけるよう「被服材料」「被服管理」「染織文化」「被服平面造形」「被服造形」「被服コンピュータ応用」「被服意匠」「被服行動」「被服衛生」に関する専門科目を体系的に配置する。キャリアプランの実現に向けて、専門分野をより深く理解し学ぶために3年次からコース制を設ける。
体系的な科目群
知識を学ぶ講義系科目、理論や原理を検証し経験的に学ぶ実験・実習系科目、講義・実習・実験で修得した知識・技能を応用して総合的な提案をする演習系科目、を体系的に配置する。
適切な授業形態とアクティブ・ラーニング
教育の実施は、対面教育を原則とし、その内容にふさわしい適切な授業形態(講義・演習・実験・実習・実技)を用い、積極的にアクティブ・ラーニングの手法を取り入れたPBL(Problem Based Learning課題解決型授業)を導入する。また、その効果について十分に検討した上で、必要に応じ遠隔教育を活用することとする。なお、各授業・授業形態において教員と学生、学生間のインタラクションを取り入れた教育を行う。
シラバス
学修の指針として機能する適切なシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切な指導を行う。シラバスにおいて、事前・事後の学修内容、目安の学修時間を提示し、事前・事後学習を担保する。
フィードバック
すべての科目で形成的評価を適切に取り入れ、授業期間中に学生の理解度を把握し、確実にフィードバックする。
リーダーシップ
他者と協働する姿勢やリーダーシップを身に付けるために、少人数制を導入し、教員と学生間の双方向授業、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等のアクティブ・ラーニングを取り入れた実践型教育をおこなう。
ルーブリック
学修成果を可視化し、自発的な学修を促進するために、必要に応じてルーブリックを用いた授業を行う。
履修モデル
各コースの年次別履修モデルを作成し、これを活用して学修成果を高める。
学修成果の評価
到達水準の明確化と適正な評価
各授業科目の到達目標を具体的に定め、期待する到達水準を明確化して、その到達状況を適切に評価する。各授業科目の単位修得目標を具体的に定め、期待する到達水準を明確化して、単位取得の可否を適切に評価する。
学修成果の評価
各授業科目の学修成果の最終的な評価は試験・レポート・課題提出物により行う。また、授業科目の内容に応じて、日常的な課題、小テスト、履修態度等を適切に評価する。
アセスメント科目による総括的評価
4年間の学修成果・卒業時到達目標の到達度については、アセスメント科目(卒業論文・卒業制作・卒業演習)により総括的に評価する。
進級条件
1年次から2年次の進級については、1年修了時時点の通算GPAが0.6以上であることを条件とする。3年次から4年次の進級については、卒業に必要な124単位のうち84単位以上の単位を修得していることを条件とする。
アドミッション・ポリシー
共立女子大学家政学部被服学科は、ディプロマ・ポリシーに定める人材を育成するため、本学が教育の基軸にすえる「リーダーシップ」教育と「実学」教育を積極的に受容する資質と能力を有し、高等学校等における学修・経験を通じて、以下に示す基礎的な知識・技能、思考力・判断力・表現力を備え、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を身につけた人物を受け入れる。このような学生を適正に選抜するために、多様な選抜方法を適切に実施する。
学力の三要素 | AP№ | 内容 |
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知識・技能 | AP1-1 | 高等学校の教育課程を幅広く修得している。 |
AP1-2 | 高等学校卒業までの履修内容のうち、被服学科における学修の基盤として必要な基礎的な知識・技能を身に付けている。特に、「国語」と「英語」を通して聞く・話す・読む・書くというコミュニケーション能力の基礎を身につけている。 | |
思考力・判断力・表現力 | AP2 | 他者の意見や考え方を尊重し、自らの考えを整理・表現するための基礎となる思考力・判断力・表現力を有している。 |
主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ意欲・態度 | AP3-1 | 困難な課題であっても、主体性を持って最後まで取り組む態度を有し、将来的に、被服に関係する設計、生産、流通や教育・研究に従事しようという意欲がある。 |
AP3-2 | 他者と協調・協働してリーダーシップを発揮し、何事にも積極的に取り組む意欲を有している。また、文化的な背景の異なる人々と外国語で積極的にコミュニケーションをとる意欲がある。 |