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学長メッセージ

学長メッセージ(令和元年度)

学長メッセージ(令和元年度)

学長から卒業生へのメッセージ



卒業記念式典式辞 令和2年11月3日



 令和元年度 卒業生・修了生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 本来であれば、本年3月15日に、ここ共立講堂で学位記授与式の開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が危惧される中、やむなく学位記授与式の挙行を見合わせ、ホームページに、メッセージを発信するにとどめました。それから半年以上経過し、感染症対策と社会活動の両立を模索する社会の動きに合わせて、本学も対面授業を再開し始めました。この機を捉え、私たちは、春にお約束したように、皆さんの先輩たちと同様に、ここ共立講堂で卒業記念式典を行うことといたしました。
 まず、最初に、本日、ご参加の卒業生・修了生の皆さんや、ライブ配信をご覧の卒業生や保護者の方々にお祝いを申し上げるとともに、このような式典を催すことができたことをともに喜びたいと思います。
 このような事態は、9年前に、東日本大震災に伴い、学位記授与式を同じく見合わせて以来の事となります。東日本大震災は2011年3月11日でしたが、奇しくも本年3月11日にWHOは新型コロナウイルス感染症のパンデミック宣言をおこないました。私たちは大変な時代に生きていることを痛感します。
 皆さんは卒業後、社会人となっての半年間はいかがでしたでしょうか?
 大学は、在学中は早く出たいと思うけれど卒業すると、もっといたかったと思うところであるとよく言われますが、卒業後社会人となって半年は「つらい、苦しい」と思うことが多くなる時期ではないでしょうか。まして皆さんは、コロナ禍という未曾有の状況下での社会への船出となりました。さぞかしご苦労が多いことと推察します。本日は、式典のあとで学部科の先生方と懇親の場を設けていますので、ひと時、学生時代に戻り、楽しく語り合ってくださればと思います。
 さて、皆さんが生まれ育って来られた時代は、V・U・C・A、ブーカの時代と言われます。Volatility(激動)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(不透明性)、という四つの言葉の頭文字のV・U・C・Aをとってブーカの時代と言い、近年、ビジネスの世界ではしばしば使われる言葉です。
 今年になり新型コロナウイルス感染症が世界を覆い、ブーカの時代がより鮮明になっています。コロナ感染症対策には、正解がないことが私達を不安に陥れます。
 社会は、コロナ感染症ばかりでなく理不尽と思える出来事に満ちています。しかし、皆さんはこのような社会を避けて通ることはできません。
 本学を卒業した皆さんには理不尽な社会と戦う二つの力が備わっていると信じます。
 一つ目は、自分で考え行動する自立の力です。不条理さと戦う方法は誠実さです。例えば新型コロナを自分の問題として引きうけ、他人にゆだねず自分で考え行動する力、例えば手洗い、マスク着用、社会的距離を保つことなど、地道に行うべきことを勤勉に、そして誠実に行うことです。
 二つ目は他者と協働する力です。自立とは他者を排除するのではなく、他者を思いやり、他者と共に立つ力です。本学では今年の4月から副専攻としてリーダーシップを掲げ、他者と協働してリーダーシップを発揮する力を養うことを明示しましたが、この教育方針はすでに昔から共立の教育にあったものです。その根本にあるのは本学の校訓である友愛です。この感染症はだれでも罹患する可能性があるものです。感染した人を責めるのではなく、思いやる気持ちが友愛です。思いやりは当事者意識の中から生まれると言います。コロナ感染症を我が事と捉え、感染症に罹患した人に対する思いやりの心こそ友愛でしょう。
 昨年のラグビーワールドカップでは連帯、ワンチームの重要性が言われました。しかし連帯によって全体の調和や協調を重んじることは、ややもすれば異質な者、弱者を排除する方向に向かいがちです。だからこそ友愛の心による他者への思いやりが大切になります。
 コロナ禍というストレスの多い社会にこそ本学の校訓である「誠実・勤勉・友愛」という徳目は輝くのではないでしょうか。
 新型コロナウイルス感染症がまだ懸念される中、感染リスクがある現場で、この瞬間にも献身的に働く医療関係者の方々がいらっしゃいます。本学の多くの卒業生も活躍しております。
 看護学部・看護学研究科の先生方は、医療従事者を育成・輩出しているという自らの立場を重く受け止め、本日の卒業記念式典に、卒業生を含め看護学部・看護学研究科関係者の出席自粛を決定されました。
 今、こうして卒業記念式典を開催できるのも、そのような方々の犠牲的な精神・ご尽力のおかげです。この機会にお集まりの皆さまと共に、卒業生をはじめとする医療従事者ならびに日常を支えるエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝の意を込めて拍手を届けたいと思います。
 全員ご起立ください。    拍手
 ありがとうございました。これで私の式辞とします。

令和2年11月3日

共立女子大学 共立女子短期大学
学長 川久保 清

過去の学位記授与式式辞