学位記授与式式辞
学長から卒業生へのメッセージ
学位記授与式式辞(令和4年度)
令和4年度 学位記授与式にあたり、お祝いの言葉を申し述べます。
修了生、卒業生の皆さん、そしてご臨席賜りました保護者、ご家族の皆さま、中継にてご視聴の皆さま、ご卒業おめでとうございます。
今年度、本学から大学4学部1036名、短大2科172名、大学院では4研究科14名、計1222名の学生、院生が卒業していきます。
コロナ禍にかかわらず例年通リの卒業生数である事と共に、保護者の方々にご参加をいただいて、このように対面で学位記授与式を行えますことをまず喜びたいと思います。本館前のしだれ桜も皆様方をお祝いするように咲き始めました。
新型コロナウイルス感染症は2020年の第1波以降、今年2023年1月の第8波を数え、感染者総数は日本国内で3千万人を超えたと報告されていますが、本学では感染防止措置を十分に講じた上で、対面授業を重視する方針で授業をおこなってまいりました。本来楽しいはずであるサークル活動など正課外活動も自粛をお願いしてきました。期待していた留学がかなえられなかった学生もいる事でしょう。日常生活も不自由を強いられて、苦しく辛い思いをされてきたことと思います。
この間の皆さんの感染防止対策へのご協力に感謝すると共に、新型コロナウイルス感染症が、感染症法の2類から5類に分類が変更になる今、学位記授与式の場にいる修了生・卒業生の皆さんに、「よく頑張ったね、おめでとう」と言いたいと思います。
また、この晴れの日を心待ちされていた保護者・ご家族の皆様には、教職員一同、心よりお祝いを申し上げるとともに、これまでの厚いご支援に対して、感謝の意を表したいと存じます。
さて、皆さんは、平成最後の年に本学に入学し、令和に卒業していきますが、学生時代を今、どのように振り返るでしょうか?学生時代の時代背景はこれからの社会人生活でもいつも思いだされるものです。
毎年12月に発表される「ことしの漢字1字」でみてみますと、皆さんが大学1年生の2019年は令和の「令」で、新時代の希望が表現されています。2020年は、「密」で、新型コロナウイルス感染症予防の3密対策が言われました。2021年は「金」で、コロナ禍でおこなわれた東京オリンピック2020の金メダルをあらわしました。最終年度の2022年は「いくさの「戦」」で、ウクライナの戦争をあらわしています。
4年間、漢字を並べると「令・密・金・戦」となり、変動が激しく、理不尽な時代であったと思います。
社会は、理不尽と思える出来ことに満ちています。皆さんはこのような社会を避けて通ることはできません。しかし、本学を卒業する皆さんには理不尽な社会と闘う二つの力がそなわっていると私たちは信じます。それを私はRR、ResilienceとRespectと表現しました。
Resilienceは、理不尽な想定外のできことに耐え、跳ね返す抵抗力で、建学の精神の「自立と自活」に通じます。
2つ目のRespectは、他者を思いやり、他者と協働する心で、校訓である「誠実・勤勉・友愛」の友愛に通じます。
ResilienceとRespectは、「共立リーダシップ」の意味付け「自らを恃み(たのみ)自立し、友愛にて他者と協働して目標達成を目指す力」にも通じますので、皆さんに送る言葉とします。
Resilience とRespect でRRとなります。これは、最近見て感動したインドの映画RRRをもじったものですが、もう一つのRにつながる言葉はたくさんありますので皆さん自身でお考え下さい。
春はまた巡り来ますし、やがて社会は復活するでしょう。
今は、こうして学位記授与式を開催できることを静かに喜び、私の式辞とします。おめでとうございました。
令和5年3月
共立女子大学 共立女子短期大学
学長 川久保 清