家政学部 被服学科人材養成目的・3つのポリシー(2022年度入学者用)
人材養成目的
家政学部被服学科の人材養成目的は、家政学部の人材養成目的に基づき、「被服学を理論と実践の両面から学ぶことにより、高い専門性を有すると共に、伝統に培われた教育理念を踏まえながら知性と情操とを備え、新しい時代の流れに即応して広く社会的に活動ができる女性を育成する」ことである。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
被服学科は、本学科の課程を修め、124単位以上の単位修得と必修等の条件を充たしたうえで、次のような社会に広く貢献できる自立した女性としての必要な知識、技能並びに資質を備えた人物に学位を授与する。
(1)被服学領域全般にわたり、基礎的な知識を有し、基本的概念を理解している。また、選択・志向した専門分野については、深い知識を有し、発展的研究や社会活動への応用ができる。(知識・理解)
(2)被服に関する基本的な機能の理解と基本的な知識・技能の修得に加え、以下に示す専門的な知識・技能の一つ以上について深く理解し、具体的な問題に応用した結果を成果物としてまとめることができる。(技能)
- 繊維や布の性質を分析し、理解することができる。
- 科学的な視点で繊維製品の保存管理を行うことができる。
- 服飾関連の歴史を学ぶことによって新しい衣生活を考えることができる。
- 和装の文化について学び、伝統的衣服の制作ができる。
- 身体と環境との関係を踏まえ、着心地のよい服を考えて研究することができる。
- 情報技術を応用した被服設計と繊維製品に関する統計的な分析ができる。
- 生活と被服のかかわりを考え独創的な創作を行うことができる。
- アパレル製品の生産・流通・消費における戦略を考えることができる。
(3)被服学領域で修得した知識と技能を基に、日常生活及び職務や研究における諸課題について、対処すべき判断力と実行力を身に付けている。(思考・判断・表現)
(4)被服学科における研鑽を通して、常に知的好奇心を保持し、主体的かつ誠実に真実を探求する態度を身に付けている。(関心・意欲・態度)
カリキュラム・ポリシー
被服学科は、ディプロマ・ポリシーに定める知識、技能などを学生に確実に身に付けさせるために必要な授業科目を配置し、順次性に配慮し体系的かつ効果的に教育課程を編成する。
教育課程編成及び授業実施にあたっての、教育内容、教育方法、学修成果の評価の在り方についての方針を次の通り定める。
教育内容
【教養教育科目】
- 自己を確立し、生涯学び続けるための基礎的な力を育成する。
- 大学生活・社会生活を送る上で身に付けておくべき基本的な表現力、情報活用能力および健康な日常生活を送るための知識・技能を育成する。
- 専攻分野の枠を超えて共通に求められる知識と技能の伝達により、知的好奇心を喚起し、豊かな人間性や柔軟な思考を育成する。
- 新たな価値を創造し、社会を生き抜くための基礎的な力を育成する。
- 現代社会における諸課題に自らの使命・役割・責任を関連付け、適切に対処できる知識と能力を育成する。
- 他者と協働し、リーダーシップを発揮するための基礎的な能力を育成する。
- 専攻する学問の理解を助け、関連する諸分野への幅広い視点を得るための知識・技能を育成する。
【専門教育科目】
(1)家政学部共通科目では、家政学を学ぶうえで身に付けておくべき基本的な知識と技能を修得するため、以下のように教育課程を編成する。
- 被服、食物、住居、児童、家庭経営の5領域の基本的知識を学び、それらを統合した人間のライフサイクルと福祉の視点から人間生活の構造や基本事項を理解するための科目を配置する。
- 前述の5領域に隣接または基礎となる社会科学・自然科学などの幅広い諸科学の視点と基本的知識を獲得するための科目を配置する。
(2)被服学科専門教育科目は、被服に関する専門的な知識と技能を修得したうえで、思考力・判断力・表現力を育成するために、以下のように教育課程を編成する。
- 身体の保護や体温調節等の生命維持、及び、着用者の自己表現等の被服の有する基本的な機能を理解するために、「被服衛生」に関する科目を配置する。
- 被服材料・管理、染織文化、造形デザイン、消費科学に関する基礎的な知識、技能を実践的・体験的に学修し、様々な課題に対して応用できる能力を身に付けるよう「被服材料」「被服管理」「染織文化」「被服平面造形」「被服造形」「被服コンピュータ応用」「被服意匠」「被服行動」「被服衛生」に関する専門科目を体系的に配置し、「被服科学」「染織文化財」「ファッションクリエイション」「ファッションビジネス」の4コースを設置する。
- 4年次に、被服に関する専門的な知識・技能を修得し、さらに、思考力・判断力・表現力を・表現力を身に付けた成果を論述、あるいは、表現するために「卒業論文」「卒業演習」「卒業制作」を配置する。
教育方法
(1)教育内容の実施にあたっては、その内容に相応しい適切な授業形態を用い、必要に応じてアクティブ・ラーニングの手法を適切に取り入れる。
(2)授業開始後の学修の指針として機能する適切なシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切に指導を行う。
(3)シラバスにおいて、事前・事後の学修内容、目安の学修時間を提示し、事前・事後学修を担保する。
(4)レポート等の課題を出す時期と課題の整合性をはかり、期中にフィードバックを行う
(5)主体的な学びの力を高めるために、少人数授業を導入し、教員と学生間の双方向授業、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等のアクティブ・ラーニングを専門教育科目に取り入れる。
(6)「被服衛生」「被服材料」「被服管理」「染色文化」「被服意匠」「被服造形」「被服平面造形」「被服行動」「被服コンピュータ応用」に関する年次別学科専門教育科目の履修モデルを作成し、これを活用して学修効果を高める。
(7)被服に関する専門的な知識・技能を習得し、思考力・判断力・表現力を身に付けるために学生に対して1名以上の教員が個別指導にあたり、卒業研究を進める過程においてグループディスカッション、グループワーク等のアクティブ・ラーニングを取り入れる。
学修成果の評価
(1)各授業科目の到達目標に応じて、求める到達水準を明確化して、その到達状況を適切に評価する。評価項目、達成水準等を明確化するルーブリックを必要に応じて導入し、学生が自発的に学修成果の改善に取り組めるようにする。
(2)各授業科目の学修成果の最終的な評価は試験により行う。また、授業科目の内容に応じて、日常的な課題、小テスト、レポート、意欲・態度等を適切に評価する。
(3)1年次において、年度初めのプレイスメントテストと年度末の学年末アチーブメントテストを実施することにより、英語の語学力向上を定量的に評価する。
(4)3年次から4年次の進級については、卒業に必要な124単位のうち84単位以上の単位を修得していることを条件とする。
(5)4年次に履修する「卒業論文」・「卒業演習」・「卒業制作」では、卒業論文・演習・制作発表会、あるいは、卒業制作発表会において学修成果を発表し、指導教官、他の教職員や学生からの諮問を含めた総括的評価を行う。
アドミッション・ポリシー
被服学科は、ディプロマ・ポリシーに定める知識、技能などの修得を目指し、カリキュラム・ポリシーに定める教育を受けるための条件として、次のような知識・技能、能力並びに目的意識・意欲を備えた人物を求める。
(1)被服について学ぶために必要な高等学校卒業相当の知識があり、入学後の修学に必要な技能を有している。(知識・技能)
(2)高等学校までの履修内容のうち、「国語」と「英語」を通して聞く・話す・読む・書くというコミュニケーション能力の基礎的な内容を、さらに「理科」を通して科学的思考力の基礎を身に付けている。(知識・技能)
(3)高等学校における教育課程を通して、論理的に考え、客観的に説明ができる基本的な能力を有している。(思考力・判断力・表現力)
(4)急激な社会の変化に対応し、日頃から柔軟な思考ができる。(思考力・判断力・表現力)
(5)基本的なコミュニケーション能力をもち、困難な課題に対しても自ら積極的に取り組む強い意志を有し、文化的な背景の異なる人々と外国語で積極的にコミュニケーションをしようという意欲がある。(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)
(6)将来的に、被服に関係する研究・開発、設計・生産、流通や教育に従事しようという意欲がある。(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)