学長メッセージ
様々な行事や発行物等を通して、本学の学長・川久保 清が発信している数々のメッセージ。
どうぞご高覧ください。
新入生の皆さんを迎えるにあたって
「リーダーシップの共立」
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
皆さんが数ある大学・短期大学から、本学を選ばれたことに感謝します。本学を選ばれた理由となる特徴は、これからの皆さんの学びの源となります。ここで私が考える本学の特徴を3つ挙げたいと思います。
第一は「リーダーシップの共立」です。これは、本学の全ての教育の要としてリーダーシップ教育を置くという教育の基本的な姿勢を示します。本学が開発・育成するリーダーシップを「共立リーダーシップ」と名づけ、『みずからを恃(たの)み「自立」し、「友愛」により他者と協働して目標達成を目指す力』と意味づけしました。ここでいうリーダーシップはトップダウン型ではなく、相互支援型のものです。前半は、建学の精神である「女性の自立と自活」によります。後半は、「誠実 勤勉 友愛」という本学の校訓に根差した言葉です。目標を明確に掲げ共有した上で、他者との相互支援関係を作ることで、目標達成に近づいていく能力です。皆さんが入学後に全学共通教育科目、専門科目の正課、正課外教育の中で培われていくものです。正課外活動としてサークル活動、委員会活動、社会連携活動なども共立リーダーシップの力をつける学びです。
第二は、教職員と学生との距離が近い支援を教育モットーとしていることです。担任(アカデミック・アドバイザー)や助手制度によるきめ細かな学修支援を行います。大学・短大では、高校までの「・・を教わる」という受け身的な学習から、「・・を学ぶ」という自ら課題を見つけて学ぶ主体的な態度が求められますが、その学びを支援します。学生生活全般、進路に関することは学生支援課が支援を行います。大学・短大の4年あるいは2年は短いので、継続的な努力が必要です。そのために私たちは支援します。
2023年度も新型コロナウイルス感染症は終息しません。しかし、改めて本学の強みである学生との距離の近い対面授業の大切さを確認し、授業は感染対策をおこなった上で、基本対面授業とし、大学が教育上、効果があると認めた一部の科目については、「オンデマンド型」のオンライン授業をおこないます。
第三の本学の特徴は、環境にあります。本学の前身である共立女子職業学校設立の1886年以来、都心の一等地であるこの地で発展をとげてきました。通学やアルバイトの利便性ばかりでなく、大学からの徒歩圏に知的好奇心を満たす神保町古書店街、秋葉原電気街、皇居、東京国立近代美術館、国立公文書館などがあります。論語の言葉に「これを知る者はこれを好むものにしかず、これを好むものはこれを楽しむものにしかず」という言葉がありますが、本学は皆さんが好奇心を持って楽しく学べる環境です。
これら3つの特徴で皆さんをお迎えします。皆さんが楽しく学べることを祈念します。

共立女子大学・共立女子短期大学
学長 川久保 清
(2023年版「春から共立必読サイト」掲載)
令和4年度在学生家族懇談会挨拶
本学の教育方針
学長の川久保です、皆さんおはようございます。
本日は、大変お暑い中、在学生家族懇談会にお越しいただき、誠にありがとうございます。本懇談会は、共立での学生生活の理解を深めて頂くために、平成の時代から毎年開催しているものですが、コロナ禍のため、このように対面で開催できるのは令和元年以来3年振りとなります。
本日は、900組、約1200名の参加が見込まれ、多数の方々にご来場いただき誠にありがとうございます。久しぶりに多数の保護者の方々のご来場をまのあたりにして、学長、ならびに教職員一同感謝の気持ちで一杯でございます。予想以上の人数になり受付等の混雑によりご迷惑をおかけしたことを最初にお詫び申し上げます。本日は共立講堂で家族懇談会を開催できることに免じて混雑をおゆるしください。
この共立講堂は昭和13年に落成し、当時2500人(今の定員は1769席)を収容できる大講堂として多くの人に使われてきた、本学のシンボル的な建物です。戦前は三国同盟の決起集会、戦後は1948年(昭和23年)第1回のど自慢全国大会、1950年(昭和25年)湯川秀樹博士ノーベル賞受賞式から帰国後講演会などに使われました。残念ながら昭和31年に焼失しましたが、昭和32年に再建され、その当時このようなホールは数少なく、フォークの殿堂として、吉田拓郎など多くのコンサートが開催された共立講堂です。
さて、これから学長として本学の教育方針を3つ述べたいと思います。まず、1つ目は本学ではマスク着用など基本的な感染症対策はおこないつつ対面での授業を原則としておこなっていることです。もちろん今後のコロナの状況によっては、オンラインの授業に移行する準備はできております。kyoritsuDX推進プランとして、本学のデジタル環境は飛躍的に進みました。コロナの禍を転じて福となした一つの例です。
2つ目は建学の精神です。
本学の教育は明治19年共立女子職業学校設立時の建学の精神「女性の自立と自活」にのっとって行ってきました。これを「実学とリーダーシップ」、Major in Anything, Minor in Leadership 主専攻は様々な専門分野、副専攻はリーダーシップとし、教育の理念としています。
私達が考えるリーダーシップとは、「目標を明確に掲げ、共有した上で、率先して行動し、他者との相互支援関係を作ることで目標達成に近づいていく能力」を意味しています。リーダーと言うポジションを意味するのではなく、だれでも身に付けることができる能力と考えています。他者を強力に引っ張っていく「支配型リーダーシップではなく、「相互支援型シーダーシップ」とされ、共立リーダーシップと呼んでいます。校訓の「誠実・勤勉・友愛」の友愛につながります。
リーダーシップ教育は各学部・科それぞれ取り組んで、学生の皆さんが全員リーダーシップ能力を獲得できるようになる工夫があります。共立リーダーシップは、正課の中だけで獲得できるものではありません。サークル活動、地域連携活動などを通じても養われていきます。本学は大学院4研究科、大学5学部、短大2科、学生数約5500人の女子総合大学です。総合大学のメリットを活かした様々な正課外活動を推奨しています。
高等教育の考えかたは変わってきました。学生に何を教えるかではなく、学生自ら何を学んだかが問われるようになってきました。学生は自ら学習成果を蓄積し、学習成果を自分で説明できるようになることを目指し、学生それぞれが獲得したリーダーシップを説明できるようになります。
3つ目は学生の自律を支援する手厚いサポート体制です。学生には担任(アカデミック・アドバイザー)が配置され、個別に支援をおこないます。5月病といわれるように、5月の連休の終わったあとのこの時期に入学後の学習意欲が低下し、授業欠席なども多くなることがあります。本学では、出席管理システムにより、出席率低値者を抽出し、この時期には入学時に引き続き担任が個別に面談し学習状況を把握するようにしています。保護者の方々は是非お子様に、「担任は誰ですか」と聞いてみてください。答えられるはずです。
手厚いサポートにはキャリア支援も含まれます。皆さんは将来の就職の支援はどのようにしてくれるのかと、心配も多いと思います。進学、就職、留学を含めキャリサポートの体制はととのっています。個別相談コーナーにお立ち寄りください。
授業見学会が、6月13日より1週間開かれます。大学でも授業参観をやるのと意外に思われるかも知れません。これは、私たち教員の教育の質の向上のためにおこなうものです。ほとんどすべての授業の見学ができるようになっております。みなさん方のお子さんの授業の様子を見るだけでなく、本学の教育システムをごらんいただくいい機会だと思いますので、ぜひご参加ください。
最後に学長からのお願いですが、「フューチャーズ募金」についてご紹介させていただきます。私立大学は皆様方からの支援なくてはたちいきません。フューチャーズ募金は本学の教育の更なる充実と発展のため、任意でお願いしている募金制度です。この募金は「奨学資金」や「教育研究振興資金」に活用させていただく募金となっています。詳しくは、本館ロビーの資料コーナーにパンフレットを置いておりますので、ぜひお目通しくださいますと幸いです。皆様のご支援、ご協力を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
私たち大学の教職員と保護者の方々と一緒になって、学習支援をおこなっていきたいと思います。以上、挨拶を終わりにします。
本日はどうもありがとうございました。
共立女子大学・共立女子短期大学
学長 川久保 清
(令和4年5月29日在学生家族懇談会挨拶)
新入生の皆さんを迎えるにあたって
好奇心と楽しさ
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
皆さんが数ある大学・短期大学から、本学を選ばれたことに感謝します。本学を選ばれた理由となる特徴は、これからの皆さんの学びの源です。ここで本学の特徴を3つ挙げたいと思います。
第一は、女子教育の要としてリーダーシップ教育を掲げていることです。本学の建学の精神は、「女性の自立と自活」です。女性の活躍推進の社会的要請のもとに、リーダーシップを発揮して社会を支え社会を動かしていく人材を養成します。本学の考えるリーダーシップは、リーダーというポジションのことでも、権限を持った人による命令の出し方という意味でもありません。どのようなポジションにあろうと「目標を明確に掲げ共有した上で、率先して行動し、他者との相互支援関係を作ることで、目標達成に近づいていく」能力を「リーダーシップ」と捉えています。どんな事態に直面しても、自分を見失わず、他人の痛みを理解し、自ら主体的に動きながら他者や周囲を励まし支援できること、謙虚さ、誠実さ、思いやり。 他者への気遣いのあるリーダーシップが必要と考えています。
第二は、教職員と学生との距離が近い支援を教育モットーとしていることです。担任(アカデミックアドバイザー)や助手制度によるきめ細かな学修支援・学生支援を行います。大学・短大では、高校までの「・・を教わる」という受け身的な学習から、「・・を学ぶ」という自ら課題を見つけて学ぶ主体的な態度が求められます。大学・短大の4年あるいは2年は短いものです。継続的な努力が必要です。そのために私たちは支援します。
2022年度も新型コロナウイルス感染症の脅威から逃れることはできません。しかし、改めて本学の強みである学生との距離の近い対面授業の大切さを確認し、授業方法は感染対策をおこなった上で基本対面授業とし、大学が教育上効果があると認めた一部の科目については、「オンデマンド型」のオンライン授業をおこないます。感染状況が悪化した場合には、オンラインと対面のどちらかを選択するハイフレックス型授業に移行します。皆さんの学びの過程を最大限支援する体制がありますので、安心して学生生活に臨んで下さい。
第三の本学の特徴は、総合大学であることを活かした正課外活動を重視していることです。サークル活動、委員会活動、社会連携活動などの正課外活動も皆さんにとっては大切な学びです。その時には、総合大学のメリットが生かされ、多種多様な考えを持つ友達や教員と交わることができます。それらのことは皆さんが新たな価値を創造し、社会を生きぬくキャリア形成につながります。
論語の言葉に「これを知る者はこれを好むものにしかず、これを好むものはこれを楽しむものにしかず」という言葉がありますが、昨年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋氏は、研究の継続に好奇心と楽しみが必要とコメントされていました。
皆さんが好奇心を持って楽しく学べることを祈念しております。
共立女子大学・共立女子短期大学
学長 川久保 清
(【2022年度】「#春から共立必読サイト」掲載)