大学院 家政学研究科

家政学研究科建築・デザイン専攻

概要

博士前期課程:2年

生活者の視点から「建築」と「デザイン」の有機的関係を幅広く涵養しながら「より高度な知識」と「より高度な総合化能力」を養うために、実社会に役立つ実践的な教育、研究を行います。空間からそれを構成するもの、環境までと広範囲にわたる講義・演習により、「建築」と「デザイン」の融合を図り、明日を生きていく生活基盤を支える「高度な知識」を養います。指導教員のもとで行う特別研究により、人の生活の中で「ひと」・「もの」・「空間」・「こと」の有機的な関係性を理解し、明日の創造性豊かな生活を具体的に提案できる「高度な総合化能力」を養います。専門選択科目として一級建築士の受験資格を考慮した「インターンシップ制度」を設けています。

建築研究分野

建築形態論、構造デザイン、建築空間計画、環境デザイン、都市景観デザイン、住生活史、住生活デザイン
※インターシップ

デザイン研究分野

プロダクトデザイン、伝達デザイン、パブリックデザイン、マーケティング

最近の修士論文テーマ

・空間形成家具論 〜 家具が空間と人の行為に寄与する要素の研究 〜
・島根浜田市三隅自治区における住民の生活行動と居場所づくりに関する研究
・動物病院(飼育動物診療施設)における建築計画に関する研究
・沖縄の風土・気候環境に適した住宅設計の研究 〜 新しい集合住宅の形 〜
・若年層の調査から見るこれからのアパレル店舗
・建築美学論 - 建築が見つける -
・団欒でつくる家族の住まい 〜 一家団欒の実態を、行為と空間とものの関係から明らかにする研究 〜
・メディアにおける東京のイメージに関する研究
・地域密着型の病院 〜 少子高齢化における今後の空間のあり方 〜
・飲食店における行動誘発感覚と空間の関係性についての研究
・住宅における中間領域について 〜 緩やかな繋がりをもつ住まい 〜
・町家の再生についての研究
・中学校美術教育における新しい鑑賞方法と教材提案 - 追体験による演習を通した鑑賞授業の意味とその評価 -
・集合住宅における中間領域のモデル化とそのケーススタディ
・哈爾浜における中華バロック様式の集合住宅について

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

 共立女子大学大学院家政学研究科建築・デザイン専攻(博士前期課程)は、建学の精神「女性の自立と自活」を基本理念に、建築・デザインにおける高度な学識ならびに実践能力の修得と、修士論文の作成を通して、客観性・自律性、課題発見・解決力、リーダーシップを備え、家政学研究科建築・デザイン専攻が定める所定の単位を修得したうえで、修士論文を提出し、最終審査に合格した者に対し修了を認定し、学位を授与する。

観点 内容
DP1-1
客観性・自律性-学識と倫理
知識基盤社会を支える人材として、広い視野に立ち、高い倫理観とともに、「空間」や「モノ」に関する高度な学識を身に付けている。
DP1-2
客観性・自律性-主体的判断力
社会や環境の変化に対応するために、「空間」や「モノ」に関する高度な学識に基づき、主体的に思考し、自律的に行動することができる。
DP2-1
課題発見・解決力-社会的役割
建築・デザインの果たす社会的役割を理解し、「空間」や「モノ」に関する学術的研究を通して、社会的・経済的価値を創出することができる。
DP2-2
課題発見・解決力-課題解決力
建築・デザインに関する多様な課題を発見し、論理性や批判的思考に基づき、自ら課題解決に向けて仮説を構築し、検証することができる。
DP3
リーダーシップ
専門的な知識・技能の異なる他者と協働して課題に取り組み、計画的に行動することで、広く社会に貢献することができる。

カリキュラム・ポリシー

 共立女子大学大学院家政学研究科建築・デザイン専攻(博士前期課程)は、ディプロマ・ポリシーに定める資質・能力を育成するために、家政学研究科建築・デザイン専攻の特性及び専門性に応じた教育課程を提供する。そのために、必要な科目を配置し、順次性ある体系的な教育課程を編成する。その際、科目履修の順次性を通し、カリキュラムの体系的学修を可能にするために、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー、ナンバリング、履修系統図を用いる。
 教育課程の編成及び授業実施にあたり、教育内容、教育方法、学修成果の評価方針を以下の通り定める。

教育内容

CP1 共通科目

 知識基盤社会を支える人材として必要とされる汎用的な能力を身につけ、各専攻の専門領域を越えて学際的な家政学の広範な知識・技術を修得するために共通科目の「家政学総合研究」(2単位)を1年次に設定して必修とする。

CP2 専門教育科目

 建築・デザインの専門的な知識・技能を修得し、社会的な課題解決に応用し、社会的・経済的な価値を創出する能力を養成するために、順次性のある体系的な専門科目を建築領域とデザイン領域に区分して編成する。

CP3 特別研究

 専門分野の異なる複数の教員のもとで、建築領域またはデザイン領域における学術的な課題を設定し、調査分析に基づく資料作成・プレゼンテーション・ディスカッションにより研究を計画的に進め、その成果を修士論文にまとめる「建築・デザイン特別研究」を設置し、必修とする。「建築・デザイン特別研究」では「空間」や「モノ」に関する高度な知識とともに、グローバルな環境で活躍する高度な人材に必要とされるライティング・プレゼンテーション・コミュニケーション能力を修得する。

教育方法

  • 教育内容の実施にあたっては、対面教育を原則とし、その内容に相応しい適切な授業形態(講義、演習、実験・実習・実技)を用いる。また、その効果について十分に検討した上で、社会の多様なニーズに対応し、必要に応じ遠隔教育を活用することとする。
  • 共通科目、専門教育科目においては、担当教員が綿密に協議しながら、教員間でカリキュラムに関する共通理解を持ち、それぞれの役割分担と連携体制を明確にして、適切な教育方法により、教育を行う。
  • 専門選択科目として、一級建築士の実務経験要件を考慮した「インターンシップ制度」を設ける。
  • 複数の異なる専門分野の教員が研究指導を行う体制を確保する。
  • 学修の指針として機能する適切なシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切に指導を行う。
  • すべての科目で形成的評価を適切に取り入れ、授業期間中に学生の理解度を把握し、確実にフィードバックする。
  • 教員と学生、学生間のインタラクションを取り入れた教育方法をすべての授業で行う。
  • 社会人学生に対しては、申し出により大学院設置基準第14条を適用し、開講曜日・時間を柔軟に調整し授業を展開する。
  • 就業、介護、出産・育児等の理由により、標準修業年限で修了することが困難な学生に対しては、申し出により長期の在学期間を計画的に設定する長期履修制度を適用する。

学修成果の評価

  • 各科目で到達目標を具体的に定め、その到達状況を適切に評価する。
  • 各科目で単位修得目標を具体的に定め、単位修得の可否を適切に評価する。
  • 各科目の学修成果の最終的な評価は、授業科目の内容に応じて、試験、課題、レポート等により適切に評価する。
  • 各科目の評価方法と評価割合を明確に定める。
  • 修士論文は、家政学研究科において修士論文の主題及び研究計画を認めたものに対して、修士論文中間発表会、修士論文審査会を実施し、修士論文審査会において修士論文の合否を決定する。
  • 家政学研究科博士前期課程建築・デザイン専攻において最終試験を実施し、家政学研究科における最終審査を行う。

アドミッション・ポリシー

 共立女子大学大学院家政学研究科建築・デザイン専攻(博士前期課程)は、ディプロマ・ポリシーに定める人材を育成するため、以下に掲げる資質を備えた人物を受け入れる。
 家政学研究科建築・デザイン専攻の特性および専門性に応じた、多面的・総合的な視点による入学者選抜により、多様な能力、適性を持った人材を広く求める。

No. 内容
AP1-1 家政学研究科建築・デザイン専攻における教育研究の特徴を理解し、高い倫理観を身につける素養を有している。
AP1-2 家政学研究科建築・デザイン専攻における学びを主体的に追求し、自律的に行動しようとする意欲を有している。
AP2 家政学研究科建築・デザイン専攻に必要な知識や技能を有し、建築・デザインの果たす社会的役割や、「空間」や「モノ」に関する学術研究による社会的・経済的な価値や学術的・文化的な価値について思慮することができる。
AP3 学術的もしくは社会的な見地から「空間」や「モノ」に関する多様な課題を発見し、論理的に思考する能力を有している。
AP4 多様な価値観や意見を尊重し、専門的な知識・技能の異なる他者と協働して課題に取り組むことができる。

学生メッセージ

コミュニケーションの視点から住まいの居心地を研究

I.A.さん 建築・デザイン専攻

住居における“居心地”を住民同士のコミュニケーションという観点から研究しています。私がこのテーマに取り組むきっかけになったのは東日本大震災です。災害時に助け合うためには昔の住居にあったような土間や縁側といった、外部と内部をつなぐ挨拶できる空間が重要だと考えました。現在はそうした住民同士のコミュニケーションを生み出す試みを取り入れている建築事例を収集し、キーワードで分類してモデル化を進めています。

教員メッセージ

建築・デザイン専攻(建築設計研究室)
教授 堀 啓二

建築・デザインは、人々が社会で生活・活動していくための「空間」「もの」を生活者の立場に立って創ることです。 そのため学生は社会に必要な「空間」「もの」を創るのに直結する研究テーマを選択し、文献調査・フィールド調査を行い自分なりの結論を導き出し、ケーススタディなどでその有効性を検証します。 また、「空間」「もの」実際につくる過程を経験する演習などにより提案力を高めます。このように当専攻は明日の創造性豊かな生活を具体的に提案できる演習・研究を行っています。