文芸学部学びの特色

01よむ

 図書館で文学作品や学術書を静かに読む。詩歌を読む、あるいは詠む。美術・演劇を鑑賞し、その意味をよみとく。
 「よむ」ことはけっして受け身ではありません。主体的に関わってはじめて、私たちにとって切実な「意味」が浮かび上がってきます。

合同観劇会

 劇芸術専修では「合同観劇会」があります。半期に1度、年2本、教員が選定した舞台作品を観劇し、その所感を観劇レポートにまとめて提出するというものです。作品は1本が現代劇、もう1本が歌舞伎や文楽などの古典芸能から、劇芸術専修の授業内容に資する作品が選ばれます。観劇前には教員が作品解説と鑑賞のポイント紹介をします。専修の教員・学生全員で同じ作品を鑑賞するので、全員で舞台について話し合うよい機会でもあります。

ブックマラソン

 文化専修では、多くの本に触れて世界を広げることを目的に「ブックマラソン」を行なっています。このプログラムでは、教員による推薦図書リストと読書ノートを学生に配布し、学生は読書の記録を書きます。共同研究室では推薦図書の貸出もしています。「ブックマラソン」は授業にも積極的に導入されており、この中から卒業論文のテーマを選ぶ学生が出てくるなど、学生が本に親しむよいきっかけとなっています。

Reading Marathon

 Reading Marathonは英語の速読教材を使って、学生の自学自習を支援するシステムです。教材はレベル別に分かれており、単語や文章の難易度そして長さなどを段階的に引き上げていくことで、学習者の英語力を無理なく養えるようになっています。英語・英語圏文学専修では42冊の英語速読教材を読破することを目指し、参加者に専用のファイルを配布します。1冊読むごとにスタンプを押す「スタンプ・ラリー」で、学習者のモチベーションを保つ工夫を多く用意しています。当初は「参加自由」でしたが、今では英語・英語圏文学専修学生必修の授業に組み込み、英語力をアップするための体制を充実させています。リテラチャー・サークルの形式を取り入れた読書会は好評です。

02きく

 講義は聞いているだけではだめです。聴きましょう。そしてわからないことはどんな些細なことでも遠慮なく訊きましょう。これが文芸学部の伝統です。確実に4年後の自分に効いてきます。

ユニット

 「ユニット」とは、特定の目的やテーマにそって授業を履修し、単位を修得する文芸学部独自のしくみです。2年次以降、所属する領域・専修を問わず取り組むことができます。ひとつのユニットの科目をすべて修得できたら「修了」です。修了者には文芸学部の公的な証明が発行され、就職活動に利用することもできます。修得は自由であり、領域・専修の卒業要件とは関係しません。ユニットには大きく分けて「領域横断型」(複数の領域にまたがる科目で構成され特定のテーマについて様々な角度から学ぶもの)と「領域深化型」(領域の中の特定の専門性を深め集中的に知見や技術を学ぶもの)の2つがあります。領域横断型のユニットには「歌と音楽」「文化資源とアーカイヴ」「生活の中の文芸」「文学を旅する」「ことばの仕組み」、領域深化型のユニットには「情報処理と活用Basic」「情報処理と活用Advanced」(ともにメディア領域の学びを深めるもの、ただしメディア領域以外でもチャレンジ可)があります。

十二単着装の見学

 この数年、平安文学の授業の一環として、十二単の着装見学を行っています。ハクビ京都きもの学院の先生を講師としてお招きし、講義をうかがいながら、着装の仕方を見学します。当時の貴族の女性はほとんど外出することなく室内で過ごしていたわけですが、実際に十二単を目の当たりにすると、いかに衣服に行動が規制されていたかを想像することができます。百人一首の絵札に描かれる女性の座り姿や、ゐざる動作、衣ずれの音など、資料集を見るだけではなかなか伝わらない部分が見えてきます。着装見学は主に十二単ですが、直衣や狩衣など男性装束も着付けをしていただいています。ちなみに、どちらもモデルは学生の立候補です。

03かく

 よんで、きいて、形づくった自分の思考やビジョンを、何度も推敲しながら文章に書く。絵に描く。粘土、木、石、金属、様々な素材を使って描き出す。それはじっくりと時間をかけて、自分自身に向き合うということなのです。

卒業論文・卒業制作

 文芸学部では卒業論文ないし卒業制作に全員が取り組みます。教員の指導と助手のサポートのもと、学びの集大成として論文・作品を完成させます。卒業制作としては、フランス語フランス文学専修で、フランス語文の「翻訳」を、劇芸術専修で、「戯曲・シナリオ」の創作を提出することができます。

雑誌『KWU』の企画制作

 メディア応用実習Dという授業では雑誌制作のプロセスを経験し、編集のスキルやルールを実践的に学ぶことができます。「部分」と「全体」、「メイン」と「サブ」といった構造を意識しながら情報をわかりやすく整理し、ビジュアル的な資料としてまとめる作業には、いま注目される「デザイン思考」が欠かせません。また、特集班ごとに企画内容やデザインのすり合わせを行い、締切に向けて協力し合い作業を進めていくなかで、相互支援やリーダーシップなど、社会のなかで必要となる力も培われます。文芸学部の学生は、自分の学びの成果や実力を具体的に示す資料として、これらの作品を就職活動で活用しています。雑誌『KWU』にご興味のある方は、オープンキャンパスなどで、実物をご覧いただくことができます。

ほかにも…

日本語・日本文学専修研究旅行

日本文学専修研究旅行。例年、教員・助手と共に、文学の「場」を見学します。これまで、京都、伊勢、出雲、広島。岡山などを探訪しました。(写真は鎌倉、鶴岡八幡宮にて。令和4年9月)

英語・英語圏文学専修研修旅行

 英語・英語圏文学専修では、「パスポートのいらない英国」として知られるブリティッシュヒルズへ研修旅行を行っています。コロナ禍ではオン・ラインでの研修でしたが、2022年度は実際に1泊2日の研修期間中に日本にいながら英国体験を満喫し、英語によるカルチャーレッスンなどの充実したプログラムを受講しました。2023年度も秋に実施予定です。

フランス語・フランス文学専修研究旅行

 フランス語・フランス文学専修では、ほぼ毎年研究旅行を実施しています。これまで、富岡製糸場(フランス人の指導者のもと設立されています)、星の王子様ミュージアム、ポーラ美術館などを訪れてきましたが、なんと昨年度初めてフランスへの研究旅行が実現しました。パリでナポレオンゆかりの地をめぐり(写真は皆で見下ろしたナポレオンの棺)、オペラ座でファントムを探し、まさか数ヶ月後に大火災が起こるとは考えもせずにノートルダム大聖堂を眺め、そしてヴェルサイユを訪れて太陽王に想いを馳せ、皆でフランスの大いなる歴史を体感しました。本で読んだ事柄、映画で見た風景、写真で知っていた建物、教室で学んだすべての知識を実際に自分自身の目で確かめることには、大きな感動があります。参加は希望制ですが、ぜひ多くの皆さんに研究旅行に参加してほしいと思っています。

美術史専修研究旅行

 当専修では、美術館などを巡り、卒論・卒制の指導及び学生間の親交を深めるための研究旅行を隔年で実施しています。(伊香保・原美術館ARC)