家政学部 児童学科人材養成目的・3つのポリシー(2025年度以降入学者)
人材養成目的
家政学部児童学科の人材養成目的は、家政学部の人材養成目的に基づき、「幅広い教養と保育・教育の場で活用できる専門的な知識・技能を身に付け、児童を取り巻く環境の変化に適切に対応し、児童の健全な発達や自立支援に取り組むことができ、さらに保育者・教育者として探究し続けることでリーダーシップを発揮できる人材を育成する」ことである。
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー
共立女子大学家政学部児童学科は、建学の精神「女性の自立と自活」を踏まえて展開される所定の課程を修め、124 単位以上の単位修得と必修等の卒業要件を充たし、幅広い教養と専門分野における知識・技術の学修を通して、以下に示す資質・能力を備えた人物に学位を授与する。
観点 | 内容 |
---|---|
DP1-1 客観性・自律性―幅広い教養 |
生活者の視点から人間生活について多角的に広く追求し、児童を取り巻く人間・社会・生活について多角的にとらえ、社会に貢献できる幅広い教養を有している。 |
DP1-2 客観性・自律性―専門知識 |
保育領域・教科に関する専門的知識を修得し、保育職・教職の役割と責任について理解している。 |
DP1-3 客観性・自律性―主体的判断力 |
保育現場・学校現場で生じている課題やニーズに対して適切な対応方法を主体的に考え、他者に説明することができる。 |
DP2 課題発見・解決力 |
子どもの発達に応じた保育・授業の構成や環境・教材・教具の工夫ができ、保育・教育に関する課題を自ら発見し、探究し続けることができる。 |
DP3 リーダーシップ |
自己の保育・教育実践を振り返り、自己の学修課題を明確化し、実践と理論を結びつけながら自らの実践の向上をめざすことができる。子どもを尊重する態度や保育職・教職に対する使命感と責任感をもって、他者と協働しながら適切に行動ができる。 |
カリキュラム・ポリシー
共立女子大学児童学科は、ディプロマ・ポリシーに定める資質・能力を育成するために必要・適切な授業科目を精選し、順次性ある体系的な教育課程を編成する。その際、科目履修の順次性に基づくカリキュラムの体系的学修を可能にするために、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー、ナンバリング、履修系統図を用いる。その上で、教育課程編成及び授業実施にあたっての教育内容、教育方法、学修成果の評価の在り方についての方針を次の通り定める。
教育内容
CP1 教養教育科目
学生を、ひとりの女性・ひとりの人間として自律できる人材、すなわち日々の生活を豊かに充実して生き、主体的に社会に参加・貢献して責任ある役割を果たす人材として育成するために設けられた「自律と努力コア」「創造とキャリアコア」「協働とリーダーシップコア」の必修・選択必修を以下のように定める。
CP1-1 自律と努力コア
- 初年次教育科目・キャリア教育科目として、客観的に物事を理解し、自己を確立し生涯学び続けるための基礎的な力を養うため、以下の必修を定める。
- 学生生活への適応、ライフプランやキャリアプラン形成のための「ライフキャリアと自己実現」、そして論理的な考え方や文章作成技術の定着、課題発見、課題分析、情報収集、グループワーク、プレゼンテーションなどの課題解決に必要な技術の定着をはかるとともに、社会人として果たすべき責務を学ぶために、少人数で行う「基礎ゼミナール」「課題解決のためのリーダーシップ入門」を必修とする。
CP1-2 創造とキャリアコア
- 新たな価値を創造し社会と積極的に関わっていくための基礎的な力を身につけるとともに、社会人として必要な教養を養うため、以下の必修・選択必修を定める。
- 情報リテラシーにおいては、情報化が加速する現代の社会生活で必要となる数理・データサイエンス・AIに関する基礎的な知識や技術を身に付けるために、「データサイエンスとICTの基礎」を必修とする。
- 英語においては、プレイスメントテストの結果を踏まえた習熟度に基づくクラスを編成し、学生の習熟度や希望に応じて体系的に科目群を編成する。現代の社会生活で必要となる英語コミュニケーション力を身につけるために「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」を必修とする。また、今後、進展するグローバル環境におけるキャリア形成に必要な語学能力を養成するためにTOEICのスコアアップを目指す。
- 社会を幅広く俯瞰し必要な教養を身につけるために、「人間を理解するための教養」「社会を理解するための教養 」「自然を理解するための教養」「身体と健康を管理するための教養」の4つの科目群から4単位を選択必修とする。
CP1-3 協働とリーダーシップコア
- 他者と協働しながら課題解決に導くための協働性・コミュニケーション力やリーダーシップを養うために、「協働とリーダーシップコア」から2単位を選択必修とする。
- 他者と協働し様々な課題解決を行なう中で、自らの価値観と多様な価値観を調整するために必要なコミュニケーション力やリーダーシップを身に付けることを目指して、PBL(Project Based Learning)の手法を用いて授業を行う。
CP2 家政学部共通科目
家政学部共通科目では、家政学を学ぶうえで身に付けておくべき基本的な知識と技能を修得するため、以下のように教育課程を編成する。
- 被服、食物、住居、児童、家庭経営の5領域の基本的知識を学び、それらを統合した人間のライフサイクルと福祉の視点から人間生活の構造や基本事項を理解するための科目を配置する。
- 前述の5領域に隣接または基礎となる社会科学・自然科学などの幅広い諸科学の視点と基本的知識を獲得するための科目を配置する。
CP3 専門教育科目
専門教育科目は児童学を包括的にとらえるために共通して必要となる知識・技能を修得するための基礎となる科目から応用力を身につける発展科目まで階梯性のあるカリキュラムを構成している。具体的には、「専門基礎科目」「専門基幹科目」「専門発展科目」「専門探究科目」の4つの科目群から構成されている。各構成の概要は次の通りである。
CP3-1 専門基礎科目
児童学における入門的又は基礎的な科目を配置しており、学科全教員によるオムニバス形式の「児童学を学ぶ」、幼稚園・保育所・認定こども園、小学校等でのフィールドワークをはじめとした専門的実践者の基盤づくりのための科目として「児童学基礎演習」、教育・保育の理念や歴史、制度について理解するための科目として「教育原理」「保育原理」、子どもに関わる心理を深く理解する科目として「発達心理学」「教育心理学」、音楽・造形・運動の原理・理論を理解した上で指導する基礎科目として「音楽基礎」「造形基礎」「体育基礎」を必修科目としている。
また、専門的な知識・技術を、実際を想定した場面で活用し、他者との協働の中で適切にリーダーシップが発揮できるように、PBL型授業(Project Based Learning/Problem Based Learning)もこの段階から開始される。
CP3-2 専門基幹科目
保育者・教育者として基幹となる専門的知識・技術を修得する科目を配置しており、保育職・教職の使命と責任について学修する。専門的実践者に求められる保育・教育の5つの領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)に関する専門的事項及び指導法を学ぶ科目を配置し、さらには、保育計画をデザインする実践力を養う「保育内容総論」を必修科目としている。
CP3-3 専門発展科目
保育職・教職の各種資格関連科目として、「保育領域科目群」「教育領域科目群」「実践・実習科目群」の科目群に分けて配置している。「保育領域科目群」「教育領域科目群」は、子どもを尊重する子ども観や、個人や集団に応じた支援・指導ができる技能及び保育職・教職への使命感と責任感を基軸として自己の学びを総括し、諸課題を解決していく能力と実践的態度を身につけられることを目的としている。また、「実践・実習科目群」は、各科目で修得した理論と実践を統合する能力を養うため、「保育・教育フィールド演習」、保育実習・教育実習やフィールドワークを通して、保育、教育の実践力を育むとともに、学生自らが学ぶ姿勢や課題を分析・検討するカを養うことを目的としている。
CP3-4 専門探究科目
3年次には保育・教育特別演習、課題ゼミナール、4年次には卒業研究が配置される。保育・教育特別演習では、児童学に関わる今日的な課題を探究し、より専門的な知識・技能の修得を目指す。課題ゼミナールは、1人の教員のもと少人数に分かれて、学生各自の興味・関心に基づいたテーマを設定し、論文講読や実践への参加観察、調査、制作などの方法を用いて、レポートあるいは作品をまとめる。
卒業研究は必修科目として、3年次までの学修・研究の成果を踏まえ、児童学の諸分野における特定の課題を選択、研究計画を立案し、教員の指導のもとに研究を行う。その成果を論文としてまとめ発表する。これら一連の学びを通して、課題解決能力やプレゼンテーション能力を養うとともに、児童の育成やその支援、子どもにかかわる専門実践者としてふさわしい認識と理解を確かなものにする。
教育方法
適切な授業形態
教育の実施は、その内容にふさわしい適切な授業形態(講義・演習・実験・実習・実技)を用いる。また、その効果について十分に検討した上で、必要に応じ遠隔教育を活用することとする。他者との協働性やリーダーシップに寄与する主体的な学びの力を高めるために、少人数制よる教員と学生間の双方向授業、グループディスカッション、ディベート、グループワーク等のアクティブ・ラーニングの手法を取り入れたPBL(課題解決型授業)を導入する。
シラバス
授業開始後の学修の指針として機能する適切なシラバスを作成し、授業計画に基づいて適切な指導を行う。
シラバスにおいて、事前・事後の学修内容、目安の学修時間を提示し、事前・事後学修を担保する。
フィードバック
すべての科目で形成的評価を適切に取り入れ、授業期間中に学生の理解度を把握し、確実にフィードバックする。
ルーブリックの活用
学修成果の可視化と学修成果の学生の自発的改善に取り組めるように、必要に応じてルーブリックを用いた授業を行う。
履修モデル
2年次からは、保育士資格および幼稚園教諭免許の取得をめざす「幼保履修モデル」と、幼稚園教諭免許および小学校教諭免許の取得をめざす「幼小履修モデル」に沿ってカリキュラムを作成し、これら二つの履修モデルを活用して学修効果を高める。
発表会
卒業研究においては、学生と教員出席のもと客観的評価を行うため発表会を行う。
学修成果の評価
到達水準の明確化と適正な評価
各授業科目の到達目標を具体的に定め、求める到達水準を明確化して、その到達状況を適正に評価する。各授業科目の単位修得目標を具体的に定め、求める到達水準を明確化して、単位取得の可否を適正に評価する。
学修成果の評価—レポート・試験・作品
各授業科目の学修成果の最終的な評価は試験・レポート・提出作品(講評会含む)により行う。また、授業科目の内容に応じて、日常的な課題、小テスト、意欲・態度等を適切に評価する。
アセスメント科目における客観的・総括的評価
4年間の学修成果・卒業時到達目標の到達度については、アセスメント科目(卒業研究)における学修成果の論文・作品・発表等により、指導教官と他の教員で総括的に評価する。
進級条件
1 年次から2年次の進級については、1年次終了時に1年以上在学し、通算GPAが0.6以上であることを条件とする。3年次から4年次の進級については、卒業に必要な124単位のうち84単位以上の単位を修得していることを条件とする。
アドミッション・ポリシー
共立女子大学家政学部児童学科は、建学の精神である「女性の自立と自活」に基づき、本学が教育の基軸にすえる「リーダーシップ」教育と「実学」教育を理解し、積極的に受容する資質・能力を有し、以下に掲げる学力の三要素を備えた人物を受け入れる。なお、このような学生を適正に選抜するために、多様な選抜方法を適切に実施する。
学力の三要素 | AP№ | 内容 |
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知識・技能 | AP1-1 | 高等学校の教育課程を幅広く修得している。 |
AP1-2 | 高等学校卒業までの履修内容のうち、体育、音楽、造形など入学後の修学に必要な技能を有している。また、コミュニケーション能力、基礎的な科学的思考力、社会、文化を理解するための基礎的な知識・技能を身に付けている。 | |
思考力・判断力・表現力 | AP2 | 身近な社会問題について、これまで身に付けた知識・技能を基に論理的に考え、他者の意見や考え方を尊重しつつ他者へ客観的に説明するための思考力・判断力・表現力を有している。 |
主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ意欲・態度 | AP3-1 | 課題を課された際に、主体的に探求し、最後まで取り組むことができる態度を有している。 |
AP3-2 | リーダーシップを発揮し、他者と協調・協働して社会に貢献したいという目的意識・態度を有している。 |