看護学部学生の卒業論文・卒業制作(学長賞)
優秀な論文と作品を表彰する「学長賞」。看護学部 看護学科からは森 優貴さんが選出されました。
2025年度受賞論文
養護教諭による月経痛を抱える女子高校生へのセルフケア能力の育成 ―看護師免許の有無による比較検討―
看護学部 看護学科
森 優貴さん
森 優貴さんのコメント
私は幼い頃から養護教諭の業務に興味がありました。
卒業論文を書く上で、支援の対象やどのような支援に焦点を当てるかといった詳細についてテーマを設定することが難しかったですが、大学で学びを深めていくうちに、月経で悩んでいる児童生徒の存在を知り、養護教諭による月経支援をテーマにしました。
また、大学1年生から論文の授業を受けていましたが、自分の考えたことが常に正解ではないためクリティカルシンキングで自分の価値観を見つめ直すことが重要であることに新たな気づきを得ました。
この学びは実際に医療という臨床に出た際に必要な能力だと考えているため、この学びを活かしたいです。
論文要旨
本研究は、女子高校生の月経痛に対するセルフケア能力育成について、養護教諭の意識や支援の実態、課題を看護師免許の有無別に明らかにすることを目的としたものである。1都3県の養護教諭を対象に調査した結果、免許の有無に関わらず大多数が支援の必要性を認識し、来室者への個別指導を実践していた。一方で、学校全体への教育や月経記録の活用、産婦人科受診の勧奨は低水準に留まった。また、看護師資格の有無よりも「支援時間の不足」や「保護者との連携不足」が共通の課題となることが示唆された。
指導教員
田口 理恵 教授
推薦理由
本論文は、女子高校生の月経痛支援における課題を、養護教諭の免許背景という独自の視点から分析した意欲的かつ完成度の高い研究です。
特筆すべきは、当該学生の研究に対する極めて真摯な姿勢と、自律的な探究力にあります。当該学生は研究の全過程において主体的に課題に向き合い、高度な統計手法の修得や法制度の精査についても、助言に依存することなく自ら学び、論理を構築してきました。さらに、先行研究を丹念に読み込み、多角的視点から考察を深化させる姿勢は、学部生として際立った学術的素養を示しています。加えて、1都3県500校を対象とした調査を粘り強く実施するなど、手順を妥協なく積み重ねる誠実さが、本研究の説得力を支えています。
分析の結果、免許の有無にかかわらず「時間の不足」等が共通の課題であることを明らかにするとともに、現場において個別支援は一定程度実施されている一方で、学校全体としての支援が十分に展開されていない構造を示した点は、実態を的確に捉えた重要な知見です。また、これらの知見を踏まえ、養護教諭の役割や支援体制の在り方について多角的に考察している点にも、広い視野と応用可能性が認められます。
以上の点から、本論文を学長賞に推薦いたします。
(2026年3月掲載)







