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独自の取り組みWEB版家政学部

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被服学科

1.和の文化を継承し発展させる教育・研究

(1)次世代に伝統をつなぐ
130年を超える歴史を誇る被服学科では、染織文化財の保存・修復の伝統的技術や知識を継承する教育・研究に取り組んでいます。2016年度から五島美術館(東京都世田谷区)と授業協定を結び、これまでに同美術館所蔵「文化財の屏風を収める収納袋」を制作しました。2017年度は、根津美術館(東京都港区)所蔵の桃山時代の能装束「茶地立涌雪持松文様縫箔」を修復し、2018年度は受託研究として福井市郷土歴史博物館越葵文庫に寄託の「大礼服一式」を修復しました。2019年度は、さいたま市の委託で、さいたま市岩槻人形博物館所蔵「御所人形立子(夫婦)と有職雛(親王)の修復、復元を進めています。学外の美術館・博物館との連携に加えて、学内の共立女子大学博物館とも協力し、和の文化を次世代に継承する実践的な教育・研究を進めています。

大礼服一式 大桐花文上着

御所人形立子(女子)の小袖(修復前)

御所人形立子(女子)の小袖(復元)

(2)新しい和装の提案と社会連携
2016年度から夏着物のスタイリングショーを継続して開催しており、2018年度は社会連携事業として、神田明神の特別協力、千代田区・中央区の後援により、東京織物卸商業組合との共催で「2018浴衣スタイリングショー」を開催しました。反物の絞り染めや浴衣の制作では企業の協力もあり、神田明神をテーマにデザインした、伝統的な絞り染めの浴衣、プリント柄の浴衣、さらに、親子でコーディネートした浴衣を発表しました。2019年度は新たな試みとして、被服学科における「和装文化の継承と振興に関する社会連携活動」を紹介し、「女子大学生から見た夏着物への意識調査」について発表しています。神田明神との地域連携、企業との産学連携活動として開催した2019夏着物スタリングショーでは、着物の反物をリサイクルした帯も制作してコーディネートするなど新しい和装を提案しました。被服学科では、和装文化の継承と振興をテーマにした社会連携活動を通して、アクティブ・ラーニングによる実践的な教育を推進しています。

2018 浴衣スタイリングショー

学生の制作した絞り染めの反物

女子大学生から見た夏着物への意識調査

2019 夏着物浴衣スタイリングショー

2.被服の専門的な教育・研究における主体的な学び

(1)創造的・個性的な表現を追求する「卒業制作発表会」
修得した被服造形の知識と技術を活用して、4年次では1年間をかけて卒業制作に取り組み、その成果を卒業制作発表会(ファッションショー)で発表します。学生は、ウェディングドレス、オリジナルデザインの衣装や服飾雑貨、和服そしてウェアラブルコンピュータを活用した衣装など個性的・創造的なテーマの作品を制作します。共立講堂を会場にしたファッションショーの演出や運営もすべて学生が担当し、毎年、記録映像も制作して公開しています。個々の作品を制作するだけでなく、ファッションショーを行うという共同作業を通して、主体的に課題を発見して解を見出すというアクティブ・ラーニングを実践しています。

卒業制作発表会

(2)将来の被服につながる研究成果を発表する「卒業論文・制作・演習発表会」
卒業論文・制作・演習発表会では、被服学に関する様々な専門分野に関して1年を通して携わった研究成果を口頭のプレゼンテーションやパネルを用いたポスターセッションで発表しています。学術的また実務的な視点から様々な研究に取り組み、斬新なビジネスプランや新素材研究など、将来の被服につながる研究を進めています。

卒業研究発表会

3.SDGsを目指すサステナブルファッションの取り組み

(1)綿の栽培と手紡ぎを体験して実感するエシカルファッション
Tシャツやデニム製品などの素材として私たちの身の回りに多用されている綿(めん)ですが、それが植物(ワタ)の種子に生えている繊維であることはご存知でしょうか? 実物を見たことがない学生が多いことから、実際にワタを育てて教育・研究に活用することを試みています。学生が、自らワタを育て、紡錘(写真左)や紡錘を使って自分で糸を手紡ぎし、布に織りあげました。写真右は織った布を様々な色に染めたものです。ワタの種から育てて布になるまでの大変な作業を体験すると、衣服を大切にする気持ちが自然に育まれます。また、衣服の生産技術を構築した先人の努力への気付きや、安価な衣服の価格に関する疑問を考えるきっかけを与えてくれます。

紡錘を使用した手紡ぎ

綿の栽培から始めて制作した染織布

(2)リユース・リメイクによるサステナブルファッションの提案
衣料品には、ポリエステルなどの化学繊維と綿(コットン)などの天然繊維からなる素材が多く使われていますが、化学繊維と天然繊維が混在するためリサイクルが技術的に難しいという問題があります。そのため、衣料品素材がリサイクルされても、その多くは付加価値の低い産業資材に転換されています。被服学科では使用されなくなった衣料品のリユース・リメイクにも取り組み、サステナブルファッションをテーマにした産学連携イベントで、リメイクドレス等の作品を発表しています。コンテストで優秀賞を受賞したデニムのリメイクドレスは、都内百貨店で販売もされました。また、千代田区の環境をテーマにしたイベントには社会連携活動として参加し、古くなった振袖や市場に流通しない不良品の素材をリユースした振袖ドレスを提案して発表しました。

デニムのリメイクドレス

素材をリユースした振袖ドレス

4.次世代に向けた新しいファッション教育・研究

(1)化粧を含む包括的なファッション教育
ファッションにおける衣服と化粧は密接に関係しており、被服学科では2016年度から化粧分野に関する科目を開講しています。単なる興味に終わらず化粧に関する正しい知識を身につけ、自分自身の生活や将来の仕事に活かすことを目的としています。「化粧品科学概論」では、皮膚の構造や、化粧品の成分と効果効能といった科学的知識を、「コスメティック・マーケティング論」では、化粧品市場の概況からブランド戦略、消費者の行動・心理といったマーケティングに関する幅広い知識を学びます。

コスメティックマーケティング論

(2)3Dプリンタを用いた新規被服材料の研究開発
3Dプリンタで衣服を作ることができるようになると、私達の生活が大きく変わる可能性があります。例えば、インターネットでデータをダウンロードし自分の体型に完全にフィットするようにカスタマイズした服を出力すれば、自分好みの衣服を着たいときにすぐに着られるようになります。従来の衣服では裁断・縫製時に端切れのゴミが発生しますが、3Dプリンタでは無駄な材料を使用しないため、省資源・ゴミ削減にも貢献します。このような可能性のある3Dプリンタを活用した研究に取り組んでいます。

3Dプリンタで作成する被服材料のデザイン

新しい構造の被服材料

(3)デジタルファッションに関する海外の大学との交流
ウェアラブルコンピューティングやCAD/CGを活用したデジタルファッションをテーマに、2016年度から韓国の世宗大学(Sejong University)とワークショップを開催するなど海外の大学と研究交流を行っています。2018年度は、中国の浙江大学(Zhejiang University)と蘇州大学(Soochow University)を訪問し、2019年度も蘇州大学を訪問して教育・研究の交流を進めています。被服学科ではグローバル人材の育成を念頭に、海外の大学との交流も積極的に進めています。

ウェアラブルコンピューティングの応用

海外の大学との交流

食物栄養学科

1. フレッシュマンキャンプ

毎年、新入生を対象にオリエンテーションを兼ねたフレッシュマンキャンプ(1泊2日)を本学の研修センター河口湖寮で行っています。新入生に対し学科の全教員と助手4名、4年次学生のオリター4名が、共立での大学生活について細部にわたり説明し、フレッシュマンの不安を取り除くとともに、親睦を深めることを目的としています。新入生同士や教員・助手と知りあえる貴重な機会となっています。(2018年度は諸事情により学内でオリエンテーションを行いました。)

2.日本料理・西洋料理学外研修

日本料理、西洋料理の作法を学ぶために学外研修を行っています。日本料理学外研修会は「つきぢ田村」で、西洋料理研修会は「帝国ホテル」で行っています。日本料理研修会では、料理の基本をプロの料理人から講義していただき、和食の伝統を学んでいます。西洋料理研修会では、マナーを中心とした講義をしていただいています。毎年、多くの学生が参加し、美味しい料理を堪能しています。

3.食物学特別講演会

学外から講師をお招きして、特別講演会を毎年開催しています。食物の話題に限らず、その道の専門家の方をお呼びしています。この講演会は、正課外活動の一環として位置づけています。学生だけでなく、教員にとっても有意義な講演会となっています。

4.卒業論文・卒業演習発表会

4年間の集大成として、毎年1月末に、卒業論文・卒業演習発表会を行っています。学生が主体的に企画・運営することが特徴です。1年間、それぞれのテーマについて研究、調査を重ね、学会発表としても十分に通用する発表が多く見受けられます。卒業論文・卒業演習は、食物学専攻では必修科目です。管理栄養士専攻では選択科目ですが、毎年9割を超える学生が選択しています。

建築・デザイン学科

1.設計演習合同講評会

建築コースでは、通常の授業とは別に、2月に各学年の優秀作品を集め、現役建築家をゲストクリティークに迎え合同講評会を行っています。設計演習は基礎から始まって住宅、公共的な施設と順を追って規模も大きく、内容も複雑になるように設定されています。建築・インテリアの設計は経験がない空間をつくることが多く、また解答がない作業です。そのため他学年の作品を見ることはこれからの心構えにもなりとても有効です。

2.子どものまち・いえワークショップ提案コンペ

建築コースでは日本建築学会主催「子どものまち・いえワークショップ提案コンペ」に毎年参加しております。このコンペは子どもや親子向けの住環境・都市環境教育の企画を学生が提案し、最優秀賞の企画を日本建築学会の支援のもとで実施する取組です。2018年度は最優秀賞こそ逃したものの、最優秀を含めた入賞5作品のうち3作品が共立チームという快挙を成し遂げました。

3.建築とインテリアの融合

建築コースは、「建築分野」と「インテリア分野」の2 つの分野で構成されているのが特徴のひとつです。しかし、建築とインテリアは切っても切れないものです。そのため、1年の基礎と2年の前期は建築からインテリアまでトータルに設計出来るように各分野同一の課題とし、2年の後期から各分野にわかれ専門性に特化したものとしています。特に1年と2年の前期は建築を学ぶ上での基礎でとても重要なフェーズのため、他の課題より多くの教員を集中して配置して指導を行っています。

4.越後妻有アートトリエンナーレ

新潟県越後妻有(えちごつまり)で3年毎に行われるアートトリエンナーレに建築コースの教員・学生が参加しています。2009年には、小出にある廃屋の民家を「うつすいえ」として再生しました。この家を過疎化の進む小出の集落の活動の場とし、村の人々との交流を図るとともに地域の活気を作り出すことを目的に、継続してワークショップを行っています。

5.雪旅籠の灯り(ゆきはたご の あかり)

建築コースでは、山形県西川町 月山・志津温泉でまちおこしの一環として開催している行事に学生と教員が参加しています。雪で旅籠を作り、昔の志津温泉の街並みを再現するこのイベントは、毎年県内外からたくさんの来場者が訪れます。学生は地元の方々との交流を深めながら、建築の構造や光環境について体験しながら学んでいます。

6.デザインコース プロダクトデザイン展

デザインコースのプロダクトデザイン分野ではリビングデザイン研究室、プロダクトデザイン研究室を中心に、ゼミナールやプロダクトデザイン系の演習で制作した作品の学外展示を実施しています。
会場の設営から案内状まで、展示計画も含めデザインしています。
学外の方々に見ていただき、作品に対するご意見をいただくことで、今後の学びにつなげていきます。

7.毎日広告デザイン賞の応募・学内展示

デザインコースでは、第79回〜84回とグラフィック分野の学生が全員参加しています。応募した作品の学内展示も行っています。毎日広告デザイン賞は長い歴史のあるデザイン賞で、若いデザイナーの登竜門ともなっています。

8.MSC(海洋管理協議会)とのデザイン・コラボレーション

デザインコース林田ゼミとMSC、そして流通のイオンとのコラボレーションで、学生はポスターやPOPの制作をして、展示会やイオンの店舗で毎年発表を行っています。MSCは減少傾向にある世界の水産資源の回復を目指し、1997年にイギリスで設立された国際NPOです。

9.デザインコース 神保町グルメかるた

デザインコースでは学生の神保町理解と地域貢献を目的にした演習授業があり、その中で「神保町グルメかるた」というデザイン企画が生まれました。この度、その企画が「共立女子大生が作った神保町グルメかるた」として1,500部制作し、一般の皆様に配布を開始いたしました。特別協賛の興産信用金庫様を始めとして千代田区/千代田区観光協会様に後援していただいております。神保町の活性化の為に「神保町グルメかるた」が広く行き渡るよういくつかのイベントを企画しています。
企画・運営:共立女子大学(家政学部 建築・デザイン学科 デザインコース)
後援:千代田区/千代田区観光協会
協力:共立女子大生が選んだ「神保町グルメ店」44店
特別協賛:興産信用金庫

10.デザインコース 共立祭展示

デザインコースでは、毎年10月中旬に神田一橋キャンパスで開催する共立祭において、作品展示を実施しています。3 年生による各ゼミの課題作品や4 年生による演習課題作品が主な展示の内容となり、生活者の視点を大切にした幅広いデザインが並びます。学生が日頃一生懸命取り組んだ作品の発表の場を設け、より多くの学生及び関係者、受験者にみていただく機会を提供しています。

11.建築・デザイン学科卒業制作学内展

建築・デザイン学科では、毎年1月中旬に本館1階ロビーや2号館において卒業制作・卒業論文の学内発表展示をしています。一人ひとりの学生がこれまで学んだことの集大成として、作品や論文に取り組んだ成果です。建築・デザイン学科は芸術と異なり、社会に役立つ、人に役立つ事を目的としています。どのような問題提起がなされ、建築・デザイン学科でどのような解決が提案されているのか、それぞれの学生の思いが伝わります。

12.卒業制作有志学外展

神保町三井ビルディング管理組合のご好意により、1階ロビーで建築コース、デザインコースの有志による卒業制作展が行われました。(2018年2月11日〜14日)大学内での卒業制作展は毎年行っていますが、大学の外に出ての学外展示はたいへん価値のある事だと思います。来場者も延べ600人を超えました。神保町という地域に於いてこのような機会を得た事に感謝いたします。

13.中高大対象のデザインコンペ「わたしtoデザイン」

建築やデザインに興味を持つ女子中学生・高校生、女子大学生を対象とした「わたしtoデザイン」というコンペを開催し、身近な環境にある建築やデザインに気づいてもらう機会を設けています。2017年度の第1回コンペでは、「雨やどり」をテーマに設定。多くの独創的な作品が集まりました。このコンペを、共立女子大学の看板となる取り組みにすべく、これからも盛り上げて行きます。

14.建築とデザインの融合(建築&デザイン総合演習)

建築・デザイン学科は人の生活に必要な「空間」・「もの」を創る建築コース(建築分野、インテリア分野)とデザインコース(プロダクト分野、グラフィック分野)で構成しています。学科のコンセプトである2つのコースの融合を具体化するため、1つ現実のテーマを設定し、そのテーマに対してコース・分野を越えたプロジェクトチームを組織し演習を行っています。現地調査・リサーチによる多視点での物事の把握、他分野とのブレーンストーミングにより実践的な創作活動をチーム毎で行っています。

児童学科

1.発達相談・支援センター

児童学科では、学科付設の「発達相談・支援センター」において、地域に開かれた発達・教育相談、子どものためのアート活動などを随時実施して子育て支援を行っています。それらの活動の記録は、継続的に実施されている子育て支援等の研究報告とともに、毎年発行される「発達相談・支援センター報告書」に掲載されます。

(1)子育てひろば「はるにれ」
子育てひろば「はるにれ」は、地域の子育て親子が自由につどい、親子でゆったりと過ごしていただく施設です。ひろばのシンボルは大きな「はるにれ」の木。親子が楽しみ、親同士の交流をはかる場であるとともに、大学教員が担当する子育て支援講座を年数回実施しています。大学の教育・研究施設としても機能していて、学生がボランティアとして親子と関わっています。

(2)乳幼児親子グループ「さくらんぼ」
乳幼児親子グループ「さくらんぼ」は、未就園児の親子が、児童学科の教員・学生スタッフとともにゆったり遊ぶグループです。主に近隣にお住まいの親子が参加し、現在は3グループが活動中です。4年生、3年生の学生スタッフが活動計画や準備をし、保育実践の後の反省会まで主体的に参加しています。

2.共立大日坂幼稚園との連携

本学に併設されている共立大日坂(きょうりつ・だいにちざか)幼稚園と密接な連携を保っています。児童学科学生の幼稚園教育実習、学生の幼稚園行事でのボランティア活動、児童学科教員と幼稚園教員による園内研修、児童学科教員による園児の保護者対象の講演会や教育相談などを行っています。

3.児童学科海外研究旅行

児童学科で実施する海外研究旅行では諸外国の保育・幼児教育の施設を訪問し、その国の幼児教育・保育に関する見識を深め、保育者となるための意識をさらに高めることを目指しています。2018年度は幼児教育で有名なイタリアのレッジョエミリアを訪れ、様々な施設を見学し、施設職員から話を聴くとともに、実際に子どもたちと交流しました。

4.就職・進路ガイダンス

毎年、4月、7月、1月に、3、4年生を対象として、保育者や小学校教員になるための就職・進路ガイダンスを開催しています。教員や就職進路課からの説明のほかに、就職試験に合格した学生による体験談、また、現職の卒業生による講話などを実施しています。

5.卒論発表会

3年次の課題ゼミと4年次の卒業研究の集大成として、卒業論文発表会を毎年1月に開催しています。発表会の運営は3年生と4年生の卒業研究発表会担当者を中心に学生によってなされます。卒業研究のなかから、毎年、2人程度が保育者養成協議会主催の学生研究発表会に参加しています。

6.幼稚園教諭の教員免許状更新講習

2019年8月、初めて幼稚園教諭の教員免許状更新講習を開催しました。本学の卒業生をはじめ、多くの先生方にご参加いただきました。内容は必修領域として、国の教育政策や世界の教育の動向、子どもの発達にかかわる最新の知見をはじめとして、選択必修領域、選択領域をふくめ、5日間で合計30時間の講習が開催され、参加者から好評でした。