ALUMNI INTERVIEW
卒業生インタビュー
文芸学部

いつも扉が開いていた研究室は、
「社会とは何か」を示し学ばせてくれた場でした


文芸学部 文芸学科 日本語日本文学コース(2014年度卒業)
静岡市立清水第五中学校 教諭

Q1 現在のお仕事の内容について詳しく教えてください。

公立中学校の国語科教員として、国語の基礎的・基本的な知識・技能を教えるとともに、国語の面白さ、楽しさを生徒たちに伝えています。ICTを活用した伝え合うことで深め合う活動から、自分の思いや考えたことを表現、表出することで、人格形成の過渡期にある中学生の生きる力を育む手助けをしています。また、文部科学省が推進するGIGAスクール構想による生徒や教員に対するICT活用促進を行う情報担当者を兼務しています。

Q2 大学での学びが現在のお仕事に活かされていることは何でしょうか。将来の目標についても教えてください。

中学生の頃、「授業をもっと面白くしたい」という思いから教員になることを決心し、大学に進学。当初は国語、英語、情報、そして司書教諭の資格を取得しようとしていた私を国語科の教員になることを決意させたのは、遠藤先生(遠藤耕太郎教授)による講義『日本文学概論』でした。3年次から所属した遠藤先生のゼミでは、文学作品の発表者や作者の意図を汲み、寄り添うことの大切さを学び、古い時代の文学作品を現代に置き換えて考察するなど、周りの環境や社会からといった客観的な視点を持って、物事を多角的・多面的に見る力が身に付きました。私がそうであったように自分のことを思い、寄り添い、客観的に自分自身を見て話しかけ、教えてくれる―そんな大人の存在が学生には必要ではないでしょうか。もちろん、大学で教員採用試験に合格するための専門的知識や実践的な技法を修得したことが今の仕事に直結していることは言うまでもありません。また、文芸学科の講義に並行して情報メディア系の授業を受け、スキルを身に付けたことは、事務的な仕事の効率性を高め、私にしかできない授業や仕事を考えて実行するための時間を与え、結果的に私らしさの確立をもたらしました。これからも私らしさを追求し、一人でも多くの生徒が国語の面白さ、楽しさを感じてくれるようにしたいと考えています。

Q3 学生生活の中で、学び以外の内容で印象に残っていることを教えてください。

空きコマの時間に、キャンパス近くの古書店や書店を巡ったこと、少し足を延ばして美術館で作品を鑑賞したことが印象に残っています。

Q4 ご家庭やお仕事など今後のキャリアデザインをどのようにお考えでしょうか。

教員としてのキャリアを歩んで海外の教育実践を学び、授業の質を上げて管理職を目指すか、あるいは海外に学校を開設して日本語や日本文学を伝え広め、教育活動に携わりたいです。

Q5 共立女子大学、文芸学科の魅力を教えてください。

大学は「学びの面白さ」を深める場ではないでしょうか。天に向かって木がまっすぐ伸びていくように、将来自分がなりたい姿のために最短のルートとして共立を選んだ方もいるかもしれません。しかし、そんな木にも「枝葉」があって、それは自分の可動域を広げるために欠かせない大切な要素だと思うのです。学部・学科を横断的にも縦断的にも学べ、少しでも面白そうと思えることに手を伸ばすことができるのは共立ならではのことです。将来、「何が役に立つか」と深く考えなくても、興味を引き、心を揺さぶられる「枝葉」ともいえる何かに出会える授業が共立には大学全体に必ずあって、それを突き詰めて学べることが魅力だと私は思います。

Q6 特に今のあなたの礎となった共立女子大学での経験や体験をお聞かせください。

「いつも研究室の扉が開いていた」ということです。担当の教授、助手さん、他の学部・学科生など、私は立場が異なるたくさんの人と積極的に関わりを持つようにしていました。疑問に思ったことや、何気ない雑談、相談事まで色々な話をしました。そんな時、研究室の扉は誰にでも開かれていて、他の学部・学科、短期大学生の異なる考えに出会えたことがありました。女性だからこそ良いこと、良くないと周囲に思われてしまうこと、言えること、言えないことなど研究室は社会に出ていこうとする私とって大切な処世術も学んだ場だと思います。母校は「女性だからこそ、私だからこそできることをやろう、そして学びに対して貪欲になろう」と思える大学でした。

(2023年1月掲載)

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