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国際学部

Faculty of International Studies

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取り組み・プロジェクト紹介 詳細

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取り組み・プロジェクト紹介 詳細

更新日:2016年07月14日

テレビ・アニメ黎明期のキャラクター商品をテーマとする、2016年度前期国際学部講演会が行われました。


 国際学部は、前期および後期に1回ずつ、各界の識者を招いて学部講演会を行っています。本年度前期の講演会では、テレビの黎明期にテレビ・キャラクタクー商品のイラストや版権ビジネスで活躍されたイラストレーター・エッセイストの根本圭助氏をお招きしました。その概要は以下のとおりです。

日時:2016630日 1700分~1830
演題:カルタにみるキャラクター商品のアートとビジネス
会場:神田一ツ橋キャンパス本館B101講義室
根本圭助氏



詳細

 170名以上の学生、教員および来賓の参加を得た本講演会は、講師の根本圭助氏が関わったキャラクターもののカルタの箱絵の現物などを、「リボンの騎士」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」などの少女ものを中心に、書画カメラで投影しながら進められました。


 


テレビ・キャラクター商品のイラストレーターの先駆け

 少年雑誌の挿絵等で一世を風靡した小松崎茂氏の内弟子であった根本氏は、1958年に当時のテレビの人気番組「月光仮面」で、キャラクター商品のイラストの世界にデビューされました。同年公開の東映動画の名作「白蛇伝」のイラストも手掛けられました。

 1963年に、テレビ初の30分もののアニメであった手塚治虫の「鉄腕アトム」が大ヒットし、これを皮切りにアニメのキャラクター商品のブームが起きました。既にキャラクター商品のイラストで実績があった根本氏には、数々の依頼が舞い込むようになります。

 原作によく似ていることはもとより、生き生きとした、迫力のあるイラストはプロの画力を要するため、根本氏以外のイラストは認めないテレビ局もあったそうです。


キャラクター商品の版権ビジネス

 当時のキャラクター商品は、ぬり絵、きせかえ、折り紙、ノート、カルタ、パズルなどの紙製品、玩具、駄菓子屋の小物、食器、水筒、衣類、履物など多岐にわたりました。こうした商品で人気アニメのキャラクターを使うには、版権を持つ原作者、プロダクション、企業等に小売価格や卸売価格の一定割合のロイヤルティを払う必要があります。

 根本氏のお話では、キャラクター商品の先駆けとなったディズニー商品等では、キャラクターを使うと宣伝になるから、宣伝費としてお金をもらえた時代も、かつてはあったそうです。その後、キャラクターに使用料を払うことが、日本にも定着しました。そして、テレビ・アニメの時代になると、高視聴率のアニメの版権収入やキャラクター商品の売り上げにより、ビルが建つほど儲かる事例をみられるようになりました。

 テレビ・キャラクター商品の版権を獲得できるのは、一業種一社が原則でした。契約を獲得した業者は、版権元単位で親睦会を結成し、テレビ番組改編期の春と秋に懇親を行うのが慣例となっていました。根本氏は「虫プロ友の会」「東映動画いずみ会」「フジテレビMD会」、TBS系の「ソラン会」および「ジェッタ―会」「トンペイ会」(サンダーバードほか)「ひとみ会」(ひょっこりひょうたん島)など多くの会の幹事を引き受けていらっしゃいました。

 商標や版権処理の重要性を示す事例として、仮面ライダー関連の「ライダー」、アタック・ナンバーワン関連の「アタック」という商標をめぐる交渉について回顧していただきました。また、キャラクターものの版権の世界で別格であったディズニーの極東代表横山松夫氏のお人柄などの回想もうかがうことができました。


小出信宏社での活躍

 一業種一社という仕切りの中で、テレビ・キャラクターもののカルタを一手に扱ったのが小出信宏社でした。同社の社長に請われて、根本氏は同社の企画や版権処理の担当を約6年間務めました。当時キャラクターもののカルタは、年末に毎年約100万個も売れたということです。

 同社は、キャラクターもののカルタ以外に、ぬり絵、ゲームなど紙製玩具を扱うメーカーでした。同社の関連企業が発売していた「飛び出す絵本」の企画と生産において根本氏と苦労を共にしたフジテレビの横沢彪氏は、のちに敏腕プロデューサーとしてタケシ、さんまを育て、フジテレビでは帝王と言われた時代もありました、といったエピソードも披露されました。

 小出信宏社は、「鉄腕アトム」と人気を二分した「鉄人28号」の版権窓口でもありました。意図があって営業力に限界のある小さな企業に版権窓口が設定されたのですが、そのおかげで「鉄人28号」は短期間にブームが集中せず、人気が持続したという思わぬ効果があったとのことでした。


武井武雄および松本かつぢのカルタ

 以上のようなテレビ・アニメのキャラクター商品ビジネスに加えて、童画家の武井武雄による昭和初期の「いろは」カルタ、一時はデパートに専用コーナーができるほどの人を誇った松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」のカルタなどについても触れていただきました。

 ご著書の『忘れ得ぬ人々思いでの風景』(北辰堂出版 2015年)所収のエピソードに加えて、活字になっていない回想を随所で披露していただき、昭和史の証言としても貴重な講演会となりました。


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