Faculty of International Studies
更新日:2025年10月24日
学生の活動
【国際学部】手仕事をめぐる旅~エストニア旅行記~⑨
学生広報委員2年生の西田倫子さんがエストニアに関する記事を執筆しました。
前の記事はこちらからご覧ください。
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⑨Muhu (ムフ)島
【ムフ島とは?】
エストニアで3番目に大きい島で、Saaremaa(サーレマー)島のすぐ側にある。女性の民族衣装が他地域にはない程派手である。ガイドさんの話によると、エストニアがソ連に併合されていた1940~1980年代の間は、その派手なムフ島の民族衣装=エストニアの民族衣装だと思われていたそう。それほど、外部の人々から見たムフ島の民族衣装の印象が大きかったことが分かる。
タルトゥのエストニア国立博物館に展示されていたムフ島の女性の民族衣装と、筆者が高校時代に描いたイラスト。
帽子やスカートの裾、エプロンに沢山の刺繍が施されている。
・Muhu Museum(ムフ博物館)
博物館の職員さんによる説明を聞きながら、ムフ島や昔ながらの家や民族衣装、手仕事についての展示を見学した。博物館の方によると、ムフ島は男性が漁をするため遠洋する習慣があったので、島での仕事は基本的に女性がするものだった。そして漁と畑仕事の自給自足生活を送っていたため、この島では比較的裕福な人が多かったという。 また、島では採れる木材資源が限られている為、建築には石がよく使われた。資源の節約のため、一つの建物の中で部屋を分けて、それぞれ別の用途で使用したこともあった。博物館には、家畜小屋の隣にサウナ室が設置された建物が展示されていた。
博物館の展示パネルによると、ムフ島のカラフルな花の刺繍は、ドイツからの影響を受けているそうだ。20世紀初頭、エストニア西部のドイツ人の荘園で働いていたムフ島出身の少女が、その場で有名だった西部エストニアの、赤い生地の花刺繍に深い印象を受けてそれをムフ島に持ち帰り発展したことが、現在のムフ刺繍の由来だそうだ。
ムフ刺繍の由来について説明されているパネル
・シリエさんのアトリエ
彼女は職業としてムフ刺繍作品の制作をしている。黒地に色とりどりの花刺繍がとても映えて美しい。コロナ禍に制作した大きなタペストリーや、共同制作作品もあった。 お土産コーナーには、彼女の作品グッズがずらりとならんでいた。本物の刺繍から制作したバッグやシューズ類、彼女の刺繍プリントから作られたスカーフやレインコートもあった。
・Muhu Veinitalu
エストニアで唯一のワイナリーで、ランチを頂いた。オーナーの話によると、ここのワイナリーでは、寒いエストニアでも育つぶどうを開発し、オリジナルワイン「MATIESEN」を製造しているそうだ。イギリスやフランスなど他国から参加するコンテストで賞を取ったこともあり、良いワインだと言うのは伝わった。
食事の時に注文することも出来たが、訪れた当時19歳だった為飲むことは出来なかった。
・ムフ刺繍のワークショップ
決められたステッチで下書きの線に沿って刺繍していくが、最初そのステッチを理解するのに時間がかかり、時間内終わらせることが出来なかった。不器用な私にとっては難易度が高く失敗もしたが、帰国後無事に完成させることが出来た。
⬆帰国して完成したもの
次回に続く