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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2025年05月09日

研究紹介

丸紅株式会社との連携による染織品コレクションの修復を実施しました

2023年に本学は丸紅株式会社(東京都千代⽥区)と、同社が所蔵する染織品コレクションの保全・継承に関する連携協⼒に関する協定を締結しました。丸紅株式会社は、江⼾時代を中⼼とした貴重な染織品コレクションを約400点所蔵しています。

これらの染織品コレクションの中には、経年劣化により、取り扱いが困難な状態にある作品も含まれています。そのため、丸紅株式会社との連携協力協定に基づき、家政学部被服学科では2023年6月より伊達家伝来の「紅繻子地浜松花丸雪持笹模様縫箔」の修復に着手し、2025年3月にその作業を完了しました。

修復では、表地に生じていた折じわを、熱を加えずに加湿し、重しを用いて時間をかけて伸ばしました。裂けや穴のある箇所には表地の裏から修理裂を当て、並縫いやカウチングステッチという縫い方で丁寧に補強しました。また、劣化の激しい裏地は、類似の裂を用いて新調しました。これらの修復作業により、この作品は展⽰・保管・研究に適した状態まで回復しました。

さらに、修復の過程で縫い目を解いたことにより、当初とは異なる模様が確認されました。これをもとに作品のデジタル復元を試み、本来の作品の姿を再現するための検討が可能となりました。

家政学部被服学科では、染織⽂化財の修復研究を通じて、貴重な伝統⽂化の継承に継続的に取り組んでいます。

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」前面 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」背面 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」裏地 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」衿のしわ 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」左肩山の切れ 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」衿の穴 修復前(左) 修復後(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」Adobe Photoshopを用いたデジタル復元の様子

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」Adobe Photoshopを用いて作品の本来の姿を検討 前面(左) 背面(右)

 

「紅繻⼦地浜松花丸雪持笹模様縫箔」3Dシミュレーションソフトを用いたデジタル復元の様子

 

関連ニュース

丸紅所蔵染織品コレクションの保全・継承の取り組みについて (丸紅株式会社)

丸紅ギャラリーの所蔵する江戸時代能装束の修復に取り組んでいます。

丸紅ギャラリー開館記念展Ⅱにおける講演会とワークショップの開催

 

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