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更新日:2024年08月02日

海外との交流

2024年度 日本中国文化交流会参加レポート

 2024年度6月  日本中国文化交流協会の訪中団に本学学生が参加しました。

 

訪中を終えて

国際学部 3年 O.S さん

 

はじめに

日本中国文化交流協会、中国人民対外友好協会、中国日本友好協会主催の大学生訪中団の一員として、2024年6月12日から18日にかけて中国(北京・成都・上海)を訪れた。

今回の訪中団への申し込みは、大学からの団員募集の掲示を見て知った。夏休みか春休みに中国へ行こうと漠然と考えていたところに来た案内だったので、1週間で三都市も訪問できる旅程と貴重な機会に躊躇する暇もなく応募を決めた。

 

中国での一週間

気温38℃、灼熱の太陽が照りつける北京に到着し、空港を出発したバスの中からは、歴史と現代が交わる教科書や映像では決して伝わらない生きた中国の姿があった。ゴツゴツとした表情を見せる高層ビルやその外壁に直接取り付けられた無数の室外機が、独特の風景を作り出していた。広々とした道路の両側には緑豊かな街路樹が連なり、都市と自然の共生を感じさせる。至る所で姿を現す建設中の高層ビル群は、絶え間ない成長と変化を物語っていた。北京、そして中国全体が息づき、進化し続けている躍動感を、肌で、そして心で強く感じた。

 

万里の長城
はるか彼方まで続く城壁の姿に感動した

北京滞在中、私たちは天壇公園や万里の長城、共産党歴史展覧館を訪れた。さらに、中国人民対外友好協会主催の歓迎会で温かいもてなしを受けた。中国が誇る世界遺産・万里の長城では険しい階段に挑戦し、その高さと勾配に苦戦しながらも、目の前に広がる雄大な景色と、はるか彼方まで続く城壁の姿に感動した。しかし、わずか20分で息も絶え絶えに降参した。

 

北京で最も心に残ったのは北京第二外国語学院での学生交流だ。日本語学科に在籍する中国人学生が日本語でたくさん話しかけてくれ、翻訳機も駆使しながら、大学生活や趣味について語り合った。日本語学科の学生と言うこともあり、日本のアニメやドラマが好きで、おすすめの番組を紹介し合った。北京第二外国語学院での学生交流の時間は互いの文化や考え方への理解を深める貴重な機会となり、この旅の中で最も鮮やかな思い出となった。

 

三星堆博物にて
地元の人々が熱心に見学するようすに感銘を受けた

 

成都では、舌を刺すような本場の四川料理を堪能しつつ、パンダ基地で可愛らしいパンダたちと出会い、成都大学生との心温まる交流や「宋遇東坡」の公演を楽しんだ。パンダ基地では、シャンシャンに会えるかと思っていたがパンダ基地と言っても何カ所かあるそうで残念ながら今回はシャンシャンを見られなかった。また、三星堆博物では3000年以上前の古蜀時代の仮面や太陽・月への信仰を物語る出土品の数々に歴史の重みを感じた。なかでも最も印象的だったのは、展示物そのものではなく、博物館に溢れる地元の人々の姿だ。彼らの熱心な眼差しと真摯な態度に、中国人の自国の歴史に対する深い愛着と誇りを見出した。文化遺産を大切にする心の普遍性と重要性を再認識し、深い感銘を受けた。

 

黄浦江クルーズにて
上海の近未来的な夜景に心が躍った

 

上海では、豫園商城で買い物をした後、黄浦江クルーズを堪能し、過去と未来を交差するような1日を過ごした。豫園商城は、朱色に彩られた歴史的な建築群の中に近代的な店舗と活気溢れる人々の姿が見られ、不思議な場所だった。夜の黄浦江クルーズでは、一日約6000万円もの費用をかけているという圧巻のライトアップに息を呑んだ。北京や成都とはまた違う、近未来的な夜景に心が躍った。

 

今回の訪中には共立女子大学の他に全国32の大学から70人近くの学生が集った。中国での体験や交流はもちろん、様々なバックグラウンドを持つ彼らと、1週間中国でともに過ごすのは非常に貴重な経験であった。中国系の学部学科に在籍する方もいれば法や哲学、音楽や伝統芸能を専攻とする方など。それぞれの専門分野の話を聞くのはとても興味深く、趣味や大学での活動なども多様な経験を持つ人ばかりで刺激的だった。たった1週間ではあるが、まるで級友との修学旅行かのような気持ちになるほど初日から一気に仲が深まり、自然体でいられる非常に楽しい時間だった。

 

最後に

悠久の都・北京から、パンダの故郷・成都を経て、未来都市・上海を訪れ、壮大な中国大陸の深い歴史を肌で感じた今回の訪中は、人生のハイライトとなるような特別な一週間になった。今回、費用面での支援だけでなく、友好協会の方々や大学の学長、教授陣が心のこもった歓迎会や交流会を開催してくださった。その一つ一つに、私たち若い世代への未来の日中関係をより良いものへと築いていってほしいというメッセージが込められていた。この貴重な経験を通じて芽生えた友好の種を、私たちは大切に育てていく責任がある。今後も中国への関心を絶やすことなく、互いの理解を深め、交流を続けていくことで友好的な日中関係に貢献できればと思う。