更新日:2023年10月11日
海外との交流
2023年度 訪中団に参加しました。
2023年度 日本中国文化交流協会の訪中団に参加したS.Iさん(文芸学部 3年)のレポートをご紹介します。
◆はじめに
日本中国文化交流協会と中国人民対外友好協会&中国日本友好協会に招請され、2023年9月2日〜9日に中国(上海・麗江・北京)を訪れた。
参加のきっかけは大学からの「中国に行ってみませんか?」という一通の電話であった。中国語トークルームにずっと参加しており、共立のために枠を用意していただけたから是非推薦したい、とお声がけいただいたのだ。
その時の驚きは今でも覚えている。
正直に言って、中国に行った際に文化に馴染めるのか、他の参加者のレベルが高くて見劣りするのではないか、現地で怖い思いをしないかなどの不安はあった。
しかし、大学生になってから中国語を学び始め、学習が趣味となっている今、自分の実力を試し発揮することができる貴重な機会だと思った。
清水の舞台から飛び降りる覚悟とまではいかないが、かなり思い切った決断をしたと思う。
覚悟を決めて参加の意向を伝えた。
そうして中国への旅が始まった。
◆訪中団とは
日本と中国の大学生が相互理解を深めることを目的とした訪中団は、130名程度の日本人学生と協会の方、現地のガイド、通訳者、看護師などで構成されていた。
団員は1号車から4号車までのバスに分かれて行動する。中学や高校の修学旅行に近い団体行動をイメージしていただきたい。
学生は学部も学年も全く異なる。美大・音大・高専からの参加者も理系の方もいた。何よりも中国語学習未経験の方も多くいたことが驚きであった。
参加学生たちに話を聞いてみると、「中国に興味があるから」「美術や演劇の勉強になるから」「折角の機会だから」「面白そうだと思ったから」など各々の思いや目的があって参加していた。
◆中国からのおもてなし
今回の旅は中国側から様々な「おもてなし」をしていただいた。
有難いことに中国に滞在していた際にかかった費用は全て中国側が負担してくれた。
自分のお金を使ったときは個人的な買い物(お土産や水)だけだ。
500元(10000円)を持って行ったが、現地で使用したのは約半分だけである。
また上海では、施設の定休日に開館していただいたり、各施設参観がスムーズに行われるよう
中華人民共和国安全局と上海市人民対外友好協会に先導していただいた。
信号の時間調整や上海の夜景を休日モードにしていただくなど特別な待遇を受けた。
今回の旅で快適に過ごすことが出来たのは、中国側からの「おもてなし」のお陰である。
◆訪問場所
今回の訪中では上海・麗江・北京に行った。
上海は日本のビルよりも遥かに高い高層ビルが多くあることに驚いた。ガイドさん曰く、上海は地震が少ないため高いビルを建てることができるそうだ。日本の地震の多さに慣れている私にとっては、「この高さで大丈夫…?」という不安で常にハラハラしてしまった。
上海の街並みはかなり面白く、黄浦江を挟んで高層ビル群の地域と西洋風の建築が立ち並ぶ地域に分かれている。遊覧船で黄浦江をクルーズした際、左右を眺めると全く異なる景色が広がっており非常に不思議な感覚だった。この感覚は皆さんにも是非体験してほしい。
麗江は中国の歴史的な町並みが広がっている美しい場所だった。運の良いことに金木犀が花開いており、香りを楽しみながら中国の歴史に思いを馳せる贅沢な時間を過ごすことができた。
麗江ではナシ族の劇『印象麗江』を観劇した。
屋外劇場であるため広大な自然をバックに物語が繰り広げられる。その様子は圧巻であった。
麗江は約2400mと標高が高いため、観光する際にも身体を慣らす必要がある。また、天候が変わりやすく、日差しが強いため傘や帽子を持っていくことをおすすめする。
中国全体に言えることだが、屋外でタバコを吸う人が多いため、タバコに耐性がない人はマスクを持っていけば安心だと思う。
次は北京、と言いたいところだが、北京は麗江から日本へ帰るときの中継地として通過しただけなので観光は全くしていない。次に中国に行く際は是非行ってみたいと思う。
◆現地の方たちとの交流
せっかく中国に行くのであれば積極的に会話をしようと思っていたため、現地の方たちとの交流を試みた。中国語の発音と声調はかなり練習し自信があったため、中国語を話すことに抵抗はなかった。
記念すべき初めての会話は「电梯在哪儿?(エレベーターどこですか?)」だった。
ホテルで迷ってしまいエレベーターの場所が分からなくなってしまったときに、係の方に尋ねた。
ほかにも現地の大学生と交流したときに中国語で雑談をしたり、お店で中国茶を試食したときに「好香啊!(いい香り!)」と伝えたりした。中国語で話しかけたときに笑顔になってくれたことが何よりも嬉しかった。
◆食事
ホテルで食べるご飯以外は全てコース料理だった。ここで予想外だったことは、私が想像する中華料理「小籠包、餃子、炒飯」などが出なかったことだ。
食べてみた感想として上海は比較的日本食に近いと思う。ただ麗江は辛い食べ物が時々出てきた。同じ中国でも地域ごとに料理の味が異なることを実感した。
個人的に面白かったことは訪れたレストランの8割でスプライトとコーラが出たことだ。日本ではそこまでスプライトとコーラは多く出てこないため文化の差異を感じた瞬間である。
◆終わりに
訪中団として中国に行けたことは非常に有意義な時間だった。日本にいては分からない中国の文化を知れたり、新たな友達ができたことは本当に幸せなことだったと思う。
今回の旅で中国側が費用を負担してくれていたことに対して、私たち日本人の若い人たちに中国の良さやこれからの日中関係を良くしていただきたいとの期待があったのだと思う。
私が中国に興味があり好きであると感じているように、日本が好きだと感じてくれている中国の方がたくさんいるということを忘れずにいたい。どこの国との関係でも言えることだが、国や人種単位で判断するのではなく、個人に向き合うことが大切なことだと改めて感じた。
もし、外国へ行くことに躊躇っている人がいれば勇気を出してみてほしい。
きっと素敵な経験ができると思う。