国際学部

Faculty of International Studies

ニュース一覧へ戻る

国際学部ニュース詳細

更新日:2026年09月28日

学生の活動

【国際学部】日本語教師養成課程「日本語教育実習」履修生が日本語学校で教育実習に参加しました。

 2026年8月31日(月)、9月2日(水)、3日(木)の3日間、「日本語教育実習」履修生5名が、押上にある東京富士語学院で教育実習に参加しました。3日間の教育実習は授業見学、学習者との「対話実習」(後述)、そしてチームティーチングでの教壇実習と密度濃いプログラムで行われました。

 

 東京富士語学院での教育実習は今年で3年目です。6月4日には、昨年に続いて今年も同校教務主任の倉八順子先生(教育学博士)をゲスト講師としてお招きし、先生の教育実践のキーワードである「対話的であること」についてお話いただきました。この日は同校のインターンシップ学生も一緒に来校し、履修生とも交流の時間を持ちました。

 6月17日(水)には実習生は東京富士語学院を訪問しました。実習を行う中上級クラスの学習者17名にはじめて会い、授業見学のほか、「対話実習」を経験しました。

 

 「対話実習」とは、実習生1人が数名の学習者のグループに入り、20分~30分程度のまとまった時間、選んだテーマについて話すことによって、その機会が日本語を用いた対話の場になるように進行するという活動です。「対話」は倉八先生のご著書で「対話は他者性(他者が自分とはまったく異質な存在であること)を前提としたコミュニケーションの営みです。「対話」は同質性を前提としたコミュニケーションである「会話」とは異なります」(倉八順子(2021:18)『「日本語教師」という仕事:多文化と対話する「ことば」を育む』)と定義されています。実習生は事前に「対話」とは何かを考え、話題を考え、話題の理解に必要な資料を用意するほか、「やさしい日本語」がどのようなものか、などを考えて臨みました。多くの実習生にとって、楽しさと難しさ、両方を感じる経験となりましたが、その後の授業で夏の実習に向けたふりかえりを行いました。

 

 教壇実習では、5名が2つのグループに分かれ、チームティーチングでCLIL(Content Language Integration Learning:内容言語統合型学習)の実践に取り組みました。

 

 それぞれ選定したトピック「食品ロス」「防災」に関して、資料を基に教材を作成し、教案を検討し、グループ内での分担を確認する等、実習生は夏休み中もグループで準備を進め、どちらのグループも最善を尽くした授業を行うことができました。また、2度目の対話実習では、前回より対話を深めることを意識したやり取りができたという声が全員から聞かれました。

 

 

 実習最終日には、クラスの学習者全員が実習生に「感謝のことば」を伝えてくれました。それを倉八先生がホワイトボードに板書してくださいましたが、ホワイトボードいっぱいに書かれたメッセージは、実習生への何よりのプレゼントになりました。

 

 

 

〔実習生最終レポートより〕

 

●今期の教育実習でどんなことを学んだか、そしてその学びをどう今後の人生に生かすか

 

*私たちは今回が初めての授業で、準備していた内容を進めることで精一杯になってしまった部分もあった。しかし、その中でも、学習者の反応を見て問いかけ方や活動の進め方を変えるなど、少しずつその場に応じた対応を実践することができた。また、最後にいただいた学習者のみなさんからの言葉の贈り物は三日間頑張ってよかったと思える素敵な贈り物だった。特に、Cさんが言ってくれた「未来の先生たち」という言葉はとても自分にとって嬉しい言葉であり、もっと頑張りたいと思わせてくれた。この経験を今後に生かし、ただ準備した授業を行うのではなく、目の前にいる学習者の反応や声をしっかり受け止め、その時の学習者に合った授業を作ることができる教師を目指していきたい。(SF)

 

*今期の教育実習を通して、相手の立場に立って考えること、相手の話を最後まで聞くこと、周囲と協力して物事を進めることの大切さを学んだ。特に対話実習では、生徒一人ひとりの反応を見ながら質問の仕方を変更したり、発言の少ない生徒にも話を振ったりすることで、相手に合わせたコミュニケーションを取ることの重要性を実感した。また、教壇実習では、計画通りに進めるだけではなく、その場の状況に応じて柔軟に対応することの必要性も学んだ。

 私は今後、公務員として働く予定であり、配属先によっては外国人支援に関する業務に携わる可能性もある。今回の実習で学んだ、相手の話を丁寧に聞き、一人ひとりの状況や考えを理解しようとする姿勢は、将来住民や職場の方と関わる上でも生かせると考えている。特に、外国人住民への支援という分野においては、言葉や文化の違いによって、自分の伝えたいことが相手に十分伝わらないことも考えられる。そのため、相手の反応をよく見ながら、分かりやすい言葉で伝えたり、相手の話を丁寧に聞いたりすることが重要だと思う。

 今回の教育実習で得た学びを、日本語教育の場だけにとどめず、これからの人生や将来の仕事にも生かしていきたい。相手の立場に立って考え、相手の話に耳を傾け、周囲と協力しながら物事を進める姿勢を大切にし、さまざまな人から信頼される人になれるよう、行動していきたい。 (YU)

 

*教育実習を通して、相手の立場に立って考えながら、分かりやすく伝えることの重要性を学んだ。特に、相手の知識や理解度によって、同じ内容でも伝え方を変える必要があることを実感した。この経験は、日本語教育に限らず、社会に出て仕事をするうえでも生かせると考えている。

また、実習を通して、自分一人では気づけないことも、周囲と協力することで補えることを学んだ。今回の経験を生かし、今後は自分の役割を果たすだけでなく、周囲の状況にも目を向けながら、他者と協力して物事を進められるようになりたい。

さらに、実習では思い通りにいかない場面も多くあったが、その都度考え、修正することの大切さも学んだ。今回の経験を、今後新しいことに取り組む際にも生かしていきたい。(RS)

 

*自分が教壇に立つことが意外と好きであることに気づくことができた。生徒は可愛いし達成感を感じられる仕事であると改めて感じた。日本語教師として働くことは今のところ考えていないが、今回経験させてもらった人前に立つことや人にどう伝えれば伝わるのかというのはどんなお仕事にも通じることだと思う。

また、日本の大学に進学したい、日本の企業で働きたいといった夢を持つ人たちと関わったことで自分も頑張ろうと刺激を受けた。中国の文化についても知る機会になったので中国にも今度訪れてみようと思う。これらのことから、今回の実習は今後の自分の意思や行動に表れていくひとつのきっかけとしてとても有意義で意味のある時間であった。(AN)

 

*今回の教育実習全体を通して、N2やN3といった日本語能力試験のレベルだけではなく、実際の学習者がどの程度流暢にコミュニケーションを取ることができるのかという「実態」を知ることができました。また、日本語を母語とする自分が普段無意識に使用している言葉のカジュアルさや難しさについても、改めて気づくことができました。

 また、学習者が一つひとつ分からない言葉をスマートフォンで調べながら、主体的に日本語を学んでいる姿を実際に見ることができたことも、大きな学びとなりました。学習者が少しずつ一歩ずつ日本語を身につけていく姿を目の当たりにしたことで、日本語を教えることの意義についても改めて考える機会となりました。

 現時点では、将来的に日本語教師として教壇に専従する進路は考えていません。しかし、今回の実習を通して得た経験を生かし、将来的にはオンライン日本語教師など、より柔軟でカジュアルな形で日本語学習に関わっていくことができればよいと感じています。(CT)

 

実習生を受け入れていただきました東京富士語学院、およびご指導くださいました倉八順子先生には深く感謝申し上げます。また、日本語教育実習を実施するにあたり、サポートいただきました辻山国際学部長、佐藤雄一先生、ほか助手の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

 

(授業担当教員:菅生早千江(短大文科))