

Faculty of International Studies
更新日:2025年11月12日
学生の活動
【国際学部】留学体験記「再见中国人民大学」
上野聡子さん(現3年生)
留学先:中国人民大学(中国)
留学期間:2024/9/21~2025/9/20
私が留学を決意したのは、自分の可能性を広げたいと思ったからでした。入学した時点では留学することを視野に入れていませんでしたが、一年次で専修外国語として中国語を選択し、人生の中で初めて「もっとできるようになりたい!」と強く思ったため留学を決意しました。たったの一年間の学修で留学が可能であるのかと不安もありましたが、一年次の春休みのタイミングで交換留学の募集案内を受け、応募しました。この時点で中国語検定4級(2023年12月取得)とHSK3級(2024年3月取得)を取得していました。
交換留学の選考を通過しましたが、私は一度も海外に行ったことが無かったので、何から準備するべきなのか分からない状態でした。まずは必要書類を揃えるところから始めました。主に大学に提出する書類やX1ビザ(中国留学1年用のビザ)の取得をしました。また日々の語学学習については、毎週の講義の予習復習をしっかりと行い、何度も音読やリスニングをして講義内容をマスターすることに専念していました。
留学先に中国人民大学を志望した理由は、キャンパスが北京に位置しており、歴史や文化に触れる機会が多いと思ったこと、また中国の中でも知らない人はいない超有名大学であったことがあります。
人民大学では月曜日から金曜日まで8:00~9:30、10:00〜11:30の午前2コマで講義が行われました。精读(総合)、口语(スピーキング)、写作(ライティング)、阅读(リーディング)、听力(リスニング)の5科目です。講義は中国語で行われ、補足説明の時に英語が用いられます。中国語を学びながら、中国文化や教養、そして中国ならではの一般常識などについて学びます。また、プレゼンテーションや中国文化に触れるということで太极(太極拳)を学んだりもしました。私のクラスは、アイルランド、フィンランド、ノルウェー、スペイン、カタールなど、様々な国からの学生が多かったため、今まで知らなかった他国の文化についても知ることができました。英語圏の留学生とも中国語で会話をすることがとても楽しく喜びを感じました。
私の留学生活で一番の思い出は国際文化祭でした。この文化祭は留学生がメインのイベントであり、各国の学生が自国の有名な食べ物を販売したり体験したりします。このイベントの開催は留学が始まってから8か月経過していたこともあり、語学力も安定していた時期でした。そのため開催の案内がきた際、すぐに自分から応募しました。留学に行く前の私はこのように積極性がなく内気な性格でしたが、この留学中に自身の性格までも変わり、より積極的に行動できるようになりました。
私は「日味食游坊」という店名で出店し、たこ焼きを販売しました。出店にあたり、様々な困難もありました。人民大学は日本人留学生が少ないため人員確保にも苦労し、最終的には中国人とアメリカ人の学生も募集して合計13人で参加しました。この中には日本語が話せない学生もいたため、みんなで翻訳したりと助け合いながら取り組みました。私たちはたこ焼きの販売で、午前中のうちに全て売り終えてしまいました。中国人にとても人気で行列ができるほどでした。海外の方が日本の食べ物を好んで食べてくださったり、会うたびに日本語であいさつしてくださったりと、とてもうれしい体験がたくさんできました。留学の醍醐味である異文化交流を日本を代表してできたことが嬉しかったです。この経験も忘れられない思い出になりました。
学校生活の一環として、2025年5月に北京で開催された「第7回日中未来創作フォーラム」に参加しました。こちらの活動は、公益財団法人笹川平和財団と中国人民大学が共同で開催した日本と中国の将来について考え交流する合宿での活動です。この活動は、文化・教育・生活の三つの視点から私たちの未来について考えるというもので、各自が一つの分野を選んでフィールドワークに参加します。私は教育を選択しました。教育分野では、「AI技術が未来の教育にどのように働くか」というテーマを基に学び、交流し発表しました。中国で有名なIT系企業である「科大讯飞」「中关村世界科技园」を訪問しました。ここでは高等教育分野におけるAIの活用についてや、中国のITの発達について学びました。日本と比べてIT技術の活用が進んでおり、様々な場面で活用されている反面、デメリットがあることについても学び、全体発表で意見交換をしました。日本でもなかなか細かな部分まで企業から直接説明を受ける機会は無いため、留学中に現地の有名な企業の説明を中国語で受けることができて、とても有意義な企業訪問でした。
またこの合宿には人民大学の日本語学科の学生、北京近くの大学の日本語を学んでいる中国人の学生、また北京市内の大学に通う日本人留学生、その他日本から来た財団の学生が、合計約100人参加しました。そのため、様々な学生と関わることができ、交流することができました。参加したほとんどの学生は日本語も中国語も話せたので、両方の言語を使いながら話し合いや交流しました。日本語でもディスカッションは難しいのに、二つの言語で取り組むことができたことがとても嬉しかったです。
私は留学に行って人生がガラッと変わりました。考え方や自分の生き方に対し大きな変化をもたらしました。特に変化した部分は内向的な性格から外向的な性格になり、自分から積極的に行動できるようになった点、また間違えを恐れず自分の考えを相手に伝えられるようになった点、それから自信を持てるようになり自分を大切にしようと思えるようになった点だと思います。これらの経験を近い将来でいえば、残りの大学生活、また就職活動に結びつけていきたいと思っています。
「終わり良ければ総て良し」という言葉が私の留学生活にはピッタリです。今回の留学で得た経験は私の留学は私の人生にとって一番大きな影響を与えてくれた経験でした。後悔は何もないですし、留学に行って本当によかったです!