国際学部

Faculty of International Studies

ニュース一覧へ戻る

国際学部ニュース詳細

更新日:2025年11月12日

授業紹介

【国際学部】公益財団法人 国際金融情報センター(JCIF)の柏木敬子氏をお招きして、国際専門演習にて、特別講義「韓国の政治経済動向」が行われました。

10月21日、国際専門演習(3年生)・国際卒研演習(4年生)(担当:鈴木紫)の2学年合同ゼミで、特別講義「韓国の政治経済動向」を行いました。公益財団法人 国際金融情報センター(JCIF)の総括研究員 柏木敬子氏をお招きして、韓国の政治情勢、マクロ経済動向(経済成長、物価動向と金融政策、財政政策など)、対外バランス(国際収支、対外貿易動向)、市場動向、そして日韓関係についてお話し頂きました。トランプ関税に直面する韓国の対米貿易や対米直接投資、韓国での景気刺激政策についてもお話し頂きました。


新興諸国を中心に国際的に金融・経済・政治に関する調査や研究を行う機関であるJCIFで、主にカントリーリスクの分析に携われている柏木氏のお話から、学生達は、最新の韓国の政治や経済の情勢をデータやその背景からどのように考えるべきかを学ぶことが出来ました。


国際専門演習(国際経済学研究)では、為替レートの変動とその要因を学びながら、為替レートの予測にも挑戦しており、今回の特別講義は、そのような演習や国際学部における経済学に関する授業での学びと現実の経済とのつながりを実感する貴重な機会となりました。


講義後半の質疑応答では、学生達から、韓国の大統領制、少子化問題、経済成長率が鈍化した年の背景や要因、品目別の輸出・輸入動向など、幅広い質問が出ましたが、韓国の政治・経済調査に長く携わられているお立場から大変丁寧にお答え頂きました。



以下は、講義受講後の学生の感想です。


4年生

 柏木敬子先生の講演を通して、韓国の政治・経済・社会について多角的に学ぶことができました。特に印象に残ったのは、韓国の大統領制の特徴です。韓国では大統領の任期が1期5年で再選ができないため、任期の後半になると権力が弱まり、政治的な影響力が低下していくという点を知りました。日本のように長期的な政策の継続が難しいという制度的な特徴が、韓国の政治の不安定さにもつながっているのだと感じました。

 また、韓国の少子化問題についても印象に残りました。韓国は日本以上に少子化が進んでおり、その背景には社会的・経済的な事情があることを知りました。特に、結婚する際にマンションを購入したり、生活の基盤を整えたりするための費用が非常に大きいことが、結婚や出産をためらう理由になっているという説明は印象的でした。少子化の要因が日本とは異なる形で現れていることを理解し、同じアジアでも社会構造や価値観の違いが経済に大きく影響していると感じました。

 今回の講演を通して、経済を理解するためには政治制度や社会的背景をあわせて考えることの大切さを学びました。今後は、データや政策だけでなく、その背後にある社会の仕組みや文化的な要因にも目を向けながら国際経済を学んでいきたいと思います。


3年生

普段から授業で国際収支などの知識は持っていましたが、今回の柏木先生のお話を聞いて、普段の自分が持っている知識にプラスで韓国の国内情勢を学ぶことができ、普段の授業の応用のような、大変ためになるお話でした。特に、歴代の大統領のお話で任期を終えた後に、法違反などを指摘されることがあることや、日本と韓国の経済面での関わりに関して、強く興味が湧きました。韓国と日本の国際的な関わりを知ることができました。今後の大学での学びに活かしていきます。


 今回の講演を通して、韓国の経済や政治についてより深く理解することができました。はじめに韓国の政治について学び、12月に尹大統領が戒厳令を発表した背景には、大統領と議会が保守派と革新派に分かれ、方針の対立があったことを知り、政治の対立が国家運営に与える影響を実感しました。また、李大統領の政権では補正予算を編成し、全国民に「消費クーポン」を支給しクレジット決済や電子給付によって迅速に配布された点が日本と大きく異なり、印象に残りました。