国際学部

Faculty of International Studies

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国際学部ニュース詳細

更新日:2023年06月02日

授業紹介

【国際学部】専門科目「開発経済学Ⅰ」で楽天キャピタル・山中翔大郎氏をお招きして特別講義「イノベーションと国際協力」が行われました

 5月25日(木曜)、国際学部の専門科目「開発経済学Ⅰ」(担当:岡部正義 国際学部准教授、開発経済学専攻)で、楽天キャピタルの山中翔大郎(やまなか・しょうたろう)インベストメント・マネージャーを臨時招聘講師としてお迎えし、「イノベーションと国際協力」と題する特別講義を行いました。山中⽒は、東京学芸大学を卒業、一橋大学大学院を修了し、その後、外資系企業勤務やLondon Business Schoolへの留学・ファイナンス修士取得を経て、現在、楽天キャピタルでインベストメント・マネージャーとして活躍されています。学生時代から国際機関やNGOでインターンを精力的に行なうなど、国際意識を育む学生生活を送ってこられたことが自己紹介されました。


     

                        特別講義を行う山中 翔大郎 招聘講師


 特別講義では、山中⽒が関わってきたシニア難民支援プロジェクトやケニア勤務時代の事業経験、そして現職で進める各種事業の中から「イノベーションと国際協力」と題して、民間ビジネス部門が開発や国際協力に主体的に関わる多くの具体的な事例を紹介いただきました。話題の多くを、学生がなかなか渡航することがかなわないアフリカに割き、特に都市部で、携帯電話普及率が高く、ネットバンキングやアプリを通じた国内外の送金、ドローン事業、eコマースの発展、さらには電化事業やマイクロ保険といった社会セクターと民間部門の協働など、広範な論点かつ現職で関与されてきた事業の鮮明なイメージが学生に伝えられました。また単に一方向的な講義でなく、授業内では学生同士のディスカッションが繰り返し設けられ、全員が意見や質問を発言できる機会も作ることができました。


 開発経済学という科目の趣旨に照らしても、このような購買力・消費力を有する人びとがアフリカの都市部で台頭していることが、かつての飢餓と貧困の巣喰うアフリカ大陸の低開発というイメージを刷新する点で画期的でした。学生は、本特別講義を受けるまでに授業では二重経済理論を学んでおり、農工間資源移転や農村都市間労働力移動などについてちょうど学んでいたところでした。そのような理論と、今回のような民間企業の活躍の場としてのアフリカ都市部の経済活動の具体事例がつながり、有意義な学びにつながりました。以下、受講学生が受講後に提出したリフレクションコメントの一部を紹介します(スペースの都合により原文一部省略)。


  • 今回のお話を伺って、途上国の開発において、基礎的な支援だけでなく、ITなどを使用した仕事の支援などもこれからは必要だと感じました。また、どのような支援が必要であるかということに関しては、現状がどうなのかということをしっかり見極め、その上でどのような支援が必要か、本当に現地の人々に求められているのか、ということを常に念頭に置いておくことが大切だと考えました。(4年生)
  • 今回の講義を聞かせていただき、就きたい仕事の幅が広がりました。大学の授業は主に国際協力についての授業を履修していて、将来も国際協力関係の仕事に就きたいと考えています。今回のお話を聞かせていただき、こういったライフプランもあるのだなと、とても参考になりました。また、自分もの学んでいることが将来どのようなことに繋がっていくのかが明確になり、もっと勉強を頑張ろうという気持ちになりました。(3年生)
  • 日本の会社や世界の会社が発展途上国で実現可能なビジネスを展開しているということが知れて、また一つ学びになりました。同年代の方や教授、観光地のアルバイト先の方としかコミュニケーションを取る機会がないので民間企業に務めている方の講演を聞くのはとても新鮮でした。(3年生)
  • 今回の講演で、国際協力には様々な形があるということを改めて理解しました。特にAI技術を用いた数々のシステム導入は、途上国の人々の生活を向上させる方法の一つであるということを理解しました。(2年生)
  • 本日の授業では、国際協力を行なっている企業の方からお話が聞けてとても嬉しかったです。現地に行った人のお話は、普段資料や画像だけを見て学習することとだいぶ異なる点があると思っているので、今回の機会はとても貴重な時間だったと思いました。(2年生)
  • ITだけでもこんなにも多くのことができ、現地の人たちの助けになれるということ。また、先入観をもつ前に現地に行くか現地について調べ、正しい知識を持つことで手の差し伸べ方は変わってくる。ということを学ぶことができました。ゲストスピーカーのお話は、まだ今後自分の人生をどのように進めばいいのか分からない私にとって、1つの選択肢になるかもしれないと思えるため、凄く刺激になっています。(2年生)
  • 今日の講義を聞いて国際協力にさらに関心を持てました。特に海外インターンに興味が湧き、参加してみたいと思いました。開発経済学を学ぶうえで国際協力は切っても切り離せない関係だと思うので、これからの授業や私生活でも国際協力の大切さ忘れないようにしたいです。(2年生)


 「開発経済学Ⅰ」では、例年、学外から講師をお招きして特別講義を実施し現在に至ります。以上のように今年度も、山中⽒の活動から、一部紹介した学生の声にも表れている通り、学⽣が深く実感をともなって学修する好機となり、高い満⾜度と学びの実感を⽰しました。


特別講義に耳を傾ける受講学生