国際学部

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更新日:2022年09月14日

学生の活動

【国際学部】学生広報委員による諏訪敦彦先生講演会記事

 皆さんこんにちは。国際学部学生広報委員の中川萌加です。今回は先日私が参加した諏訪敦彦先生の講演会についてリポートします。


 2022年6月30日、映画監督としてご活躍されている諏訪敦彦先生をお招きして、国際学部の講演会が行われました。諏訪先生は東京藝術大学大学院の教授をされていて、本学では国際学部の授業「映像文化論」をご担当いただいています。今回の講演会は対面で行われ、多くの学生、教職員が参加しました。


 今回の講演会は「フランス社会と映画−フランスでの映画作りを通して感じたこと−」をテーマにお話していただき、質疑応答のコーナーでは諏訪先生に直接質問する機会がありました。


 最初会場に入った時はとても緊張感に包まれている雰囲気だったのですが、諏訪先生がフランス映画の一部や、短編映画などの上映も交えながらお話してくださったので、会場は終始諏訪監督のお話に魅了されていました。


 講演では、フランスで映画を撮るようになったきっかけから、日本映画とフランス映画の作風、芸術の捉え方の違い、また現代の日本映画界における問題点action4cinema(日本版CNC設立を求める会)でのご活躍など幅広くお話していただきました。フランス映画に触れることが少なくなった日本で、普段私たちが知ることのない、日常がそのまま映画の世界に入ったフランス映画の魅力を感じることができました。また、諏訪先生が決まり切った言葉で話されず、その場で伝えたいことを話すことがとても印象的で、聞きたいと思わせることの重要性を感じました。



 質疑応答では、数人の学生が質問をしました。質問の内容は、諏訪先生の原動力やインスピレーションはどこからくるのかなど様々な内容でしたが、どの質問にも細かくご自身の経験も交えて答えてくださいました。


 私も、多様化という言葉を頻繁に耳にするようになった現代で、最近まで日本映画界を変える動きがなかった理由について質問させていただきました。質問に対し、諏訪先生が様々な原因を答えてくださった中でも、映画を芸術と捉えている日本人が少なく、日本映画がガラパゴス化しているとおっしゃっていたことがとても印象に残りました。質問の際に、アイコンタクトやジェスチャーを入れて話してくださったので、言語の壁を越えて映画監督をされている諏訪監督のお人柄を垣間見ることができました。




 講演会後には、再度質問をする時間をいただき、フランスで言葉の壁を越えてどのようにコミュニケーションをとっていたのかについてお聞きしました。答えてくださった中でも、ご自身の考え方がフランスに合っていたから日本で撮るよりもやりやすかったとおっしゃっていたことがとても印象的でした。最後に、コミュニケーションをとる上で、相手の話す内容が聞きたいのか、興味を持ってもらえる内容を話しているかが一番重要だということ、また日本を出たからこそ今の日本映画界の現状が見えてくるということも話してくださいました。これは、国際学部の学生として、今後世界で活躍していくために忘れてはいけない考え方だと感じました。



       



 今回このような機会に、各国の芸術や文化の捉え方、フランス映画の魅力を教えていただき、とても貴重な時間を過ごすことができました。



                                                  国際学部学生広報委員 中川 萌加