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更新日:2017年07月13日

【国際学部】JICAボランティア・セミナー開催(7月6日(木))

〜わたしたちにできることは必ずある〜


国際学部では、7月6日(木)5限に、国際協力機構(JICA: Japan International Cooperation Agency)の青年海外協力隊経験者をお招きして、本年1月26日に引き続き2回目の「JICAボランティアセミナー 〜わたしたちにできることは必ずある〜」を開催しました。今回講師として来ていただいたのは、2010年から2年間、バングラデシュに青年海外協力隊員として小学校教育の職種で派遣されていた粉川綾佳氏で、セミナーには他学部からも合わせ80名ほどの参加がありました。



粉川氏は、現在、公益社団法人国際協力協会(JOCA)に所属し、JICAからの委託を受けて青年海外協力隊事業をはじめとするJICAボランティア事業の募集や派遣に関する業務に従事していることから、まずは、青年海外協力隊の募集から派遣までの流れ、派遣前の訓練や隊員への支援概要、帰国後の支援体制などについて説明してもらいました。2年間の任期を終えて開発途上国から帰国した隊員は、大手の民間企業はもとより、官公庁や政府関係団体、NPO等で幅広く活躍しており、過去2年間の帰国隊員の就職状況をみると、約800名の求職者に対して2倍を超える企業からの求人があり、ボランティアとして途上国で貴重な体験をした隊員に対する企業の評価がとても高いとのことでした。粉川氏も、任期を終えてバングラデシュから帰国する際には、ベンガル語が堪能なことから、現地の日系企業数社からオファーがあったそうですが、教師をやりたいので帰国されたとのことでした。

ボランティア事業の概要説明に続き、現地の写真なども交えながら、粉川氏自身の経歴やバングラデシュでの体験談を披露して頂きました。粉川氏は、高校時代に、アフリカの子どもたちを追ったドキュメンタリーをみて、途上国には学校に通えない子どもや、銃を手に戦争の最前線に立つ子どもがいることなどを知り、「何かできないかな.....」ということを思っていたそうです。その後、広島の女子大の児童教育学科に進学しましたが、このまま先生になって良いのかと疑問を持ったころに、青年海外協力隊の存在を知り、協力隊に応募することを決心したそうです。

バングラデシュで配属された小学校は、首都のダッカから200km、道が悪いためバスで10時間もかかるそうです。配属された小学校はもちろんのこと、この地方で日本人はたった一人。そういう中で苦労しながら、小学校の1~4年生に算数の授業をするとともに、教育実習生に授業改善のアドバイスなどをしていました。気管支炎や食中毒、寄生虫病にかかって、生活や仕事の辛さから任期中何度も日本に帰りたいと思ったこともあるそうですが、無事に2年の任期を終えて任地を離れるときには、暴風雨にも関わらず子ども達や保護者が集まり送別会をしてくれて朝から大泣きしたそうです。途上国の中でも最も貧しい後発開発途上国(LDC)であり、イスラム社会で文化も習慣も食生活も全く異なるバングラデシュで苦労しながらもボランティアとして活動された粉川氏の重みのある体験談に、セミナーに参加した学生も皆感銘を受けたようでした。終了後に提出のアンケートには、これまでJICAボランティアの名前は聞いたことがあったが、詳しいことは知らなかったので新しい選択肢になった、具体的なお話を聞いたので、現地での活動をイメージすることが出来た、自分にもできることを考えてみようと思ったなどの感想が寄せられました。



これまでに本大学からは20名を超える卒業生が、青年海外協力隊やシニア海外ボランティアとしてJICAのボランティア事業に参加しています。今回のセミナーをきっかけとして、一人でも多くの学生が国際ボランティア事業に理解や興味を示すとともに、卒業後すぐにではなくても、将来の選択肢の一つとして、自ら参加することを考えてもらえればと思います。


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