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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2022年05月21日

研究紹介

大倉集古館の委託研究で江戸時代能装束の修復に取り組みました。

ホテルオークラに隣接する大倉集古館は、大正6年(1917)に財団法人化された日本で最初の私立美術館です。備前(現岡山県岡山市)池田家の能装束を多数所蔵しており、被服平面造形研究室(田中 淑江 教授)では江戸時代制作「薄茶地朝顔模様長絹(うすちゃじあさがおもようちょうけん)」「紅地梅格子模様唐織(べにじこうしもようからおり)」を修復を行いました。作品は長年の保存の影響や経年劣化(時間を経て自然に損傷が生じること)による、折皺や縫い目の解け、穴などが生じていました。このままでは安全に展示することが出来ないため、折皺は伸ばし、縫い目の解けは、新たな糸で縫い合わせました。さらに穴は、修復のための布を作品の裏側からあて、表側からステッチで留める作業を行いました。修復の際に解いた糸は捨てずに、美術館に戻します。これは当時の染織技術や素材を知るために貴重な資料となります。唐織は以前展示をするために応急修理をした大きな針目が残っていましたが、今回は新たに細かい針目で作品を補強することにしました。修復後作品は安全に扱うことができ、今後は展示が可能となりました。

このように被服学科では、染織文化財の修復に関する研究を通して、伝統文化の継承に取り組んでいます。

薄茶地朝顔模様長絹

修復後(正面) 復後(背面)
袖口の切れの修復前 <袖口の切れの修復後
衿付けの穴の修復前 衿付けの穴の修復後
縫い代に残っている糸の回収< 手元の拡大

紅地梅格子模様唐織

修復後(正面) 修復後(背面)
袖山の修復前 袖山の修復後
腰付近の切れの修復前 腰付近の切れの修復後
裏地裾の修復前 裏地裾の修復後
修復前の寸法計測の様子

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