家政学部[被服学科] 家政学部[被服学科]

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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2021年12月04日

その他

被服学科卒業生からお話を伺いました。

服飾についての専門的な学びと、大学における多様な学び

 

松元 裕子 さん

武蔵越生高等学校・専任講師

ファッションクリエイションコース・被服意匠研究室

 

 

大学卒業後は本学大学院に進学したのですが、学部の学生のときに教員免許状を取得していたこともあり、大学院生をしながら高等学校の非常勤講師もしていました。現在は、母校である武蔵越生高等学校で専任講師として、家庭科を担当するだけでなくクラス担任や部活動の家庭科部顧問もしています。家庭科部の活動では、「越生」の特産品でもある梅の生産者の方との共同プロジェクトを進めています。剪定・伐採された梅の木材を用いた染織品で、スカートやポシェットなどの小物を制作して販売しています。

入学時は真剣に教員を目指していたわけでないのですが、「家庭科教育の理論と実践」という科目を履修したときに、家庭科という教科が私たちの生活に深く関わることを学び、家庭科の教員という将来を考えるようになりました。本学では、学部や学科といった枠組みを越えて教員を目指す学生の勉強会が開催されています。4年生の夏休みに行われた勉強会では、新聞記事などを調べていじめの問題をテーマに議論したことが強く印象に残っており、教員としてのあり方について深く考える契機になりました。

 

学生時代は被服意匠研究室に所属して、4年生では「日本の伝統服飾と民族衣装の融合」というタイトルの卒業制作に取り組みました。裾引き、十二単、野良着といった日本の服飾と、インドやアフガニスタンの民族衣装を調べて、作品のデザインを検討しました。自分の作品を制作するだけでなく、卒業制作発表会を開催するために仲間と協力したことが印象に残っています。また、企業との産学連携プロジェクトに参加することもあり、振り返って考えると、行動力やコミュニケーション能力を向上させる貴重な機会であったと思います。大学・大学院における実践的な学修が、高等学校における社会に開かれた多様な教育を進めるうえで役立っています。

 

染織文化財の価値を再発見し、後世に伝えていくことの大切さ

 

丸塚 花奈子 さん

丸紅ギャラリー・学芸員

染織文化財コース・染織文化研究室

 

大学卒業後に被服管理研究室の助手として5年間勤務した後、本学大学院家政学研究科被服学専攻に進学して染織文化財について研究をしました。大学院博士前期課程修了後に染織文化研究室の助手として4年間勤務し、現在は2020年11月に開館した丸紅ギャラリーの学芸員として、丸紅コレクションの保存、調査・研究とギャラリーで公開するための展覧会の企画をしています。丸紅コレクションには、丸紅(株)の前身にあたる丸紅商店の時代からビジネスの関係で収集された染織品や絵画が収蔵されています。江戸時代の小袖や近代の名匠によるきものは、日本でも有数の染織文化財のコレクションとされています。

新入生のときに参加した学芸員資格のガイダンスで学芸員の仕事を知りましたが、当時はたいへんそうに思い自分には無理かと思っていました。やりたいことがそれほど明確でないまま大学に入学しましたが、被服学科にはさまざまな授業があり、その中でも染織文化財コースの授業に強い興味をもつようになりました。

 

大学院では、近江の旧西川家住宅に収蔵されていた江戸時代から近代のきもの(小袖)を100点以上調査する機会がありました。旧西川家住宅(近江八幡市立資料館)は江戸時代から明治時代前半にかけて活躍した近江商人西川利右衛門の屋敷で、国の重要文化財に指定されています。たくさんのきものを調査することで、忘れられていた染織文化財の価値を再発見し、後世に伝えていくことの大切さに気づいたことが、現在の仕事に就くきっかけになりました。また、研究室には美術館や博物館で学芸員をされている卒業生も多く、先輩の方々と交流できたことで、自分が目指したい姿をはっきりとイメージすることができるようになりました。被服学科ではさまざまな分野について学ぶことができますので、ぜひ、いろいろなことにチャレンジすることをお勧めします。

 

学外実習の経験からわたしたちのを生活を支える検査機関へ

 

梅津 有里 さん

(一財)カケンテストセンター・物理的性能試験担当

被服科学コース・被服管理研究室

 

衣料品などの繊維製品やバッグなどの皮革製品の試験・検査をする(一財)カケンテストセンター東京事業所堀留ラボに勤務しています。(一財)カケンテストセンターは、1948年に設立された(財)日本化学繊維検査協会が前身で、アパレル・テキスタイル関連の試験業務を行う日本を代表する第三者テスト機関として、海外にも事業所を設置しています。現在は、素材や製品の物性試験を主に担当しており、依頼されたJIS規格や海外の規格に準拠した試験を行っています。

大学の授業では「被服管理学実験」という科目で実験を行った結果を分析して、レポートにまとめるのですが、表にまとめた数値やグラフを見ながら考察を考えることに面白さを感じるようになりました。被服管理は、衣料品の洗濯やメンテナンスに関する分野で、被服の汚れ、洗剤や洗浄、漂白などについて学びます。被服学科では所定の科目を履修すると衣料管理士資格(1級)を取得することができます。学外の実習も含まれており、(一財)カケンテストセンターの実習に参加して、実習の内容や検査機関の果たす社会的な役割について興味をもったことが、現在の仕事に就くきっかけになりました。

 

3年生から被服科学コース、4年生では被服管理研究室に所属して、衣服へのファンデーション汚れに関する研究に取り組みました。当時、新しく始めた研究テーマのため、前例がなく苦労しましたが、先生のていねいな指導もあって研究成果を卒業論文にまとめることができました。卒業論文の発表に向けてたいへんだったこと、終了後の研究室で行った懇親会は忘れれられない記憶として残っています。また、被服学科では、研究室・ゼミの垣根なく、気軽に他の研究室・ゼミを訪問することもあり、先生方や同級生と交流を深めることもできました。

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