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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2020年08月13日

研究紹介

江戸時代に制作された雛人形の衣装を修復・復元しました。

 被服平面造形研究室では、2020年2月22日に開館した、さいたま市岩槻人形博物館から委託され「江戸時代制作雛人形(親王)」の衣装の修復、復元に関する研究に携わりました。修復・復元の対象は雛人形の親王様の衣装である半尻(はんじり)と指貫(さしぬき)です。これらの作品は長年の保存状態により、経年劣化が著しく安全に保存、展示出来る状態ではありませんでした。

 そこで、人形の衣装を劣化しないように保存できる状態に修復しました。一方、展示用の衣装は新たに復元をしました。特に半尻の復元生地は文様を再現するために、京都の織元で織っていただきました。半尻のお袖に施されている飾り紐も、京都の職人の方に紐の太さや、色も再現をしていただきました。お袖の飾り紐の再現は非常に難しく、多くの文献資料に基づき、保存されていた飾り紐をじっくりと観察して正確に復元しています。多くの方々のご協力のおかげで復元作品が完成しました。これらの作品はさいたま市岩槻人形博物館の開館を祝う「開館記念名品展 雛人形と犬筥・天児・這子」に展示されました。

 このように被服学科では、染織文化財の修復、復元に関する研究を通し、伝統文化の次世代への継承に取り組んでいます。

修復前

修復後

復元

有職雛(親王)の半尻(前身頃)

修復前

修復後

復元

有職雛(親王)の半尻(後身頃)

修復前

修復後

復元

有職雛(親王)の指貫(前)

修復前

修復後

復元

有職雛(親王)の指貫(後)

復元した紐と修復・復元の様子

さいたま市岩槻人形博物館の展示

 

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