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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2020年04月30日

授業紹介

デジタルファッションクリエイション教育への取り組み

 被服学科専門科目のアパレルCAD I・IIではLectra Modaris®を導入して、CADシステムで衣服の型紙を作図するコンピュータパターンメーキングと、コンピュータ上のマネキンモデルに衣服を着せつける3Dシミュレーションを行っています。3Dシミューションでは、使用する素材の色や模様に加えて光学特性や力学特性も反映するため、実際に衣服を制作しなくても、ドレープの形状やしわの発生を予測することができます。授業では、コンピュータ上のパターンメーキングと3Dシミュレーションを組み合わせることで、被服材料・被服意匠・被服造形に関する知識を包括的に修得することを目指しています。

 

2019年度後期に開講したアパレルCAD IIでは、レクトラ・ジャパン(株) (大阪市中央区 田中昭彦 代表取締役社長)の支援を受け、授業担当する被服コンピュータ応用研究室を中心に被服造形学研究室・被服意匠研究室と協力して、ドレスのデザインコンテストを実施しました。最優秀賞(安 星奈さん)の「境界」と特別賞(埜村 奈弘さん)の「アシンメトリー・フレアスカート」をそれぞれ図1と図2に示します。素材の色や配色はもちろん模様も独自のデザインにしているため、このような生地は現実には存在していません。そこで、作図したパターンに色や模様を展開したデジタルデータを用いて、インクジェットプリンタで試作用の生地を制作しました。図1(b)と図2(b)に制作した生地を縫製して試作した作品を示します。ほぼ、3Dコンピュータシミュレーションと同じ作品ができましたが、詳細まで確認することでいくつかの課題も見えてきました。このように、被服学科では、ICTを活用したファッションデザイン・クリエイションを通して、創造性を涵養する先進的な教育に取り組んでいます。

 

最優秀賞「境界」

(a) 3Dコンピュータシミュレーション (b) 試作した作品
図1  最優秀賞「境界」

作品紹介

 今回の作品は、静止状態でも表現できる布の様々な動きを意識して制作しました。「突っ張る」「引き攣れる」「垂れる」「折れる」「曲がる」「広がる」「伸びる」等の動きを、トップス、ボトムスそれぞれのパターンで表現し、さらに布の種類をパーツごとに変えることで、実現したい動きがより分かりやすく表現できるように検討しました。 また、どの角度から見ても彩りを感じられるように、シルエットのみでなくトップスのベルト部分やボトムスのレイヤーパーツ等のディテールに工夫を入れたのもこだわりのひとつです。それぞれのパーツが目立つように色と柄を大胆に使いましたが、平面的な要素(色や柄)に目がいきすぎないよう、配置と彩色のバランスの調整にも気を遣いました。

 

選考結果

 芸術ポイントが他の作品よりも優れていました。また作品概要から3D作品に取り組むにあたっての気概が感じられTry&Errorを繰り返したんだろうな、頑張ってるなと応援したい気持ちになりました。生地選びも服作りの大きな要素と思いますが、デザイン的実験をModarisで試行したところを評価しました。

 

特別賞「アシンメトリー・フレアスカート」

(a) 3Dコンピュータシミュレーション (b) 試作した作品
図2  特別賞の作品「アシンメトリー・フレアスカート」

作品紹介

 この服は、私の所属していたミュージカル研究部の最後の公演「ロミオとジュリエット」の時に、着用した衣装をもとに作りました。なぜなら、とても思い入れがあったからです。普通のワンピースに、2重に布を重ね、2枚目を透ける生地にして、よりフレア感を演出しました。また、片方の袖を肩出しにしてみました。歩いた時に、裾が揺れる感じをイメージしながら、スカートの裾は、円形のパターンを使用して作りました。スカートと透けた生地の色合いは、下の生地がサテンの様に光らせて、透けた上の生地を暗めにすることで、全体のバランスを抑えて整えました 透ける生地は、実は動物柄を使用しています。下のピンクの花柄は、動物柄に描かれていた可愛らしい水玉の色と共通したものを選びました。しています。下のピンクの花柄は、動物柄に描かれていた可愛らしい水玉の色と共通したものを選びました。

 

選考結果

華やかなデザインが評価されました。アシンメトリーデザインや、透ける生地の使用、動物柄やピンクの花柄などのデザインやセンスのポイントが高く評価されました。

 

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