看護学部

Faculty of Nursing

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看護学部ニュース詳細

更新日:2022年05月28日

授業紹介

【看護学部】保健師課程の1期生が新型コロナウイルス感染症積極的疫学調査演習を行いました

 看護学部では、2019年度に保健師課程が開設され、この4月には1期生が4年生となりました。
 4年前期集中開講科目「健康危機管理論」の授業では、新型コロナウイルス感染症積極的疫学調査演習において、電話による聞き取り調査のシミュレーションを行いました。


 「健康危機管理」とは、国民の生命、健康の安全を脅かす事態(災害や感染症流行拡大など)に対して、健康被害の発生予防、拡大防止などを目的として行う活動を指します。コロナ禍の中で、保健所や保健師の活動が注目されるようになりましたが、新型コロナウイルス感染症に留まらず、結核や新型インフルエンザ、食中毒などの感染・発生源を特定し、感染・健康被害の拡大防止措置をとることは、古くから保健所や保健師の重要な役割の一つとなっています。

 4月に開講した「健康危機管理論」では、感染症対策における保健師の技術として、積極的疫学調査演習を行いました。対象とする感染症には、現在新任保健師も対応する可能性が高い新型コロナウイルス感染症を取り上げました。演習に先立って、新型コロナウイルス感染症対策の最前線で奮闘されている八王子保健所長を特別講師にお招きし、新型コロナウイルス感染症に関する法令や対応の原則、並びに実情についてご講義いただきました。

写真1 保健所長による講義の様子

 演習では、電話を模して、オンライン会議システムMeetをカメラOFFでつなぎ、患者役の教員から症状や行動履歴の聞き取りを行いました。聞き取り調査の制限時間は60分間とし、学生は1チーム5~6名で、交代しながら電話対応をし、感染源と濃厚接触者を同定し、最後に、今後濃厚接触者への聞き取り調査を行う上での連携先を検討しました。

 学生からは、「はじめ60分間と聞いて、”長い”と思ったけど、実際にやってみるとあっという間だった。」「他の人の対応を見ている時は聞き漏らしなどにも気が付くのに、いざ自分の番になるとすごい緊張感で、何を話しているのか分からなくなった。難しかったけど体験しておいてよかった。」「事前に練習もしてきたが、要領よく聞き取りができず、時系列で聞いていくともっと効率的だと分かった。また、関連する知識を定着させておく必要性を痛感した。」「電話での聞き取りは、対面と違って相手の様子が分からないので、声の調子などに一層注意を払わないといけないと感じた。」「情報を得ることに必死になってしまって、体調が悪く、様々な不安を抱えている相手に対して、適切な声掛けができなかった。次はしっかり相手に寄り添い、信頼関係を作りながら聞き取りができるようになりたい。」などの感想が寄せられ、有意義な学修となった様子が伺えました。

写真2 積極的疫学調査演習
(PCに向かって電話対応を行う学生と情報を整理する学生の様子)
写真3 積極的疫学調査演習
(聞き取った情報から濃厚接触者を検討する様子)

(地域・在宅看護学領域)