ALUMNI INTERVIEW
卒業生インタビュー
家政学部 食物栄養学科

学生生活で身に付けた知識とコミュニケーション力で
人々の健康増進に貢献したい


家政学部 食物栄養学科 管理栄養士専攻(2020年度卒業)
昭和大学藤が丘病院 栄養科

Q1 現在のお仕事の内容について詳しく教えてください。

現在は病院で管理栄養士として勤務しており、主に栄養管理業務に従事しています。この職業を志した理由は、患者さんに栄養指導をしたり、チーム医療に参加して患者さんの病気の回復に貢献したいと思ったからです。入院患者さん、外来患者さんへの個人栄養指導や生活習慣病で入院している患者さんへの集団栄養指導、食欲が低下している患者さんからお話を伺い食事の調整を行っています。また、NST※1回診や褥瘡※2回診などチーム医療にも携わっています。最近では、チーム医療で関わった患者さんのIC※3にも参加することがあります。腎臓内科や糖尿病‧代謝‧内分泌内科のカンファレンス※4にも出席することで、主治医の治療方針を会得し、病態への理解を深めています。栄養管理を行う上で、給食管理を理解していることはとても重要なことです。勤務先では厨房で業務を学ぶ機会をいただき、不明点は積極的に質問をして、栄養管理を行う際に病棟と厨房の橋渡しとなれるように努めています。

Q2 大学での学びが現在のお仕事に活かされていることは何でしょうか。将来の目標についても教えてください。

管理栄養士専攻の皆で取り組む実験‧実習や、全学共通の教養教育科目にグループワークが多くあったことで、コミュニケーション力が磨かれました。そこで培われた力は、栄養指導において食事の内容を聞き取る際や、NST回診で栄養管理の方法を他の職種に提案する際に活かされています。やりがいを感じるのは、栄養指導をした患者さんから「よく理解できましたよ。ありがとう。」と笑顔でお礼を言われた時や、NSTのチームとして提案したプランが採用され、患者さんの病状が改善した時です。今後は栄養指導の技術を磨き、患者さんそれぞれの病態や食習慣、生活習慣に合った指導を行えるようになりたいです。

Q3 学生生活の中で、学び以外の内容で印象に残っていることを教えてください。

キャンパスがある神保町の街を楽しんだことです。カレー専門店がたくさんあり、友人と巡って食べ比べをしたことが楽しかったです。また、読書が好きなので古本屋や有名書店の本店にはよく立ち寄りました。「神田古本まつり」など神保町ならではの催しが開かれることも街の魅力の一つだと思います。

Q4 ご家庭やお仕事など今後のキャリアデザインをどのようにお考えでしょうか。

栄養管理‧栄養指導の専門職として1人でも多くの患者さんの栄養状態を改善させ、食を通して人々の病気の治療や健康増進に貢献したいと思っています。そのために、様々な疾患に対する栄養指導を経験し、チーム医療で多くの症例に携わっていきたいです。そして、認定資格の「NST専門療法士」や「糖尿病病態栄養専門管理栄養士」「腎臓病病態栄養専門管理栄養士」を取得したり、学会に参加したりして専門性を高めたいです。

Q5 共立女子大学、食物栄養学科の魅力は何だと思われますか。

魅力はたくさんありますが、特に魅力だと感じる点が2つあります。1つ目は、先生と学生との距離感が近いところです。管理栄養士専攻の学生は1学年50人程度なので、授業で分からないところがあった際に質問や進路・就職に関する相談がしやすいです。2つ目は、他の学部‧学科や短期大学の学生とも親しくなれるところです。全学共通教育科目ではグループ発表やディスカッションがあり、趣味や嗜好、考え方の異なる他の所属の学生と話をする機会があります。授業で仲が良くなり、卒業後も連絡を取り合っている友人がいます。

Q6 特に今のあなたの礎となった共立女子大学での経験や体験をお聞かせください。

3年次の病院での臨地実習における体験です。適切な栄養指導により、検査数値が改善した患者さんと管理栄養士の方が共に喜ぶ光景や、NST回診において他職種と連携して最善の提案をしている姿を見て、将来病院で管理栄養士として働きたいという思いが強くなりました。大学の授業では、解剖生理学や生化学、病理学、有機化学、調理学、食品衛生学などを学びました。これらの授業は、患者さんの病態を理解したり、栄養指導や、入院患者さんの栄養管理を行ったりする上で非常に重要な基礎知識です。実際の臨床の現場では、さらに多くの知識と、それを分かりやすく伝える力が求められます。インプットした知識を必要なときにアウトプットできるように研鑽を積んでいます。

※1 NST Nutrition Support Team(栄養サポートチーム)。医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師などで構成され、職種それぞれの専門知識や技術を駆使し、患者さん個々にとって最適な栄養補給の方法や栄養管理方法を提案する。
※2 褥瘡 (じょくそう) 一般的には「床ずれ」と言われる。
※3 IC informed consent (患者さんへの説明と同意)。
※4 カンファレンス 患者さんに関する情報を担当の医師が報告し、今後の治療方針について話し合う場のこと。様々な視点から患者さんを診ることができるため、医療の質を向上させることができる。

(2023年1月掲載)

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