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更新日:2014年12月09日

老年看護学

看護学部「高齢者看護学援助演習」で、模擬患者参加型演習を実施しました。

 2014年11月末~12月上旬にかけて、看護学部2年生が「高齢者看護学援助演習」の授業で模擬認知症高齢者(simulated dementia elderly person)と関わり、コミュニケーションを内省し、認知症高齢者の方が学生の対応にどのような感情を抱き、どのような対応をしてほしかったのか等について、語っていただく演習を行いました。

                      


 超高齢社会における認知症を有する高齢者への対応の技術は、看護専門職者にとって重要な技術のひとつとも言えます。本授業では(財)ライフプランニングセンター所属の模擬認知症高齢者の方が「思いつめた表情で、私、家に帰りたいの・・・」「出口はどこかしら・・・」と、学生に訴えます。学生は、認知症の病態や高齢者の心身の特徴はこれまでの授業で学習し、知識は十分に修得していました。しかし(模擬)認知症高齢者の方と直に対応することになり、「頭が真っ白になってしまった」「距離感がつかめなかった」等の率直な感想を述べていました。学生たちには、「家に帰っても独居で、自力での生活遂行が困難なこの(模擬)認知症高齢者の方のためにどうにかこの施設(架空の特別養護老人ホーム森林)でお過ごしいただきたい」という思いが強く働いていたようです。「家に帰りたい」と言われているが、今の状況で家に帰ってしまったら介護する人はなく辛いことになる。学生たちは高齢者の方の主張と、その主張を尊重すれば高齢者の方が窮地に追いやられるという葛藤にも苛まれたようです。振り返りの時間に模擬認知症高齢者の方から学生の言動や行動をどう感じたか等を語っていただき「コミュニケーション・対応」の奥深さを痛感したようです。
 今回の演習を通して、認知症を有する高齢者の方の心情を読み解く力、希望や願いに寄り添う力、生活機能モデルから高齢者を支援することができる力の大切さと難しさが身をもって理解できたことは、次なる行動化への大きな糧となるでしょう。
 一歩、一歩、前進していきましょう。個々の学生の内省が認知症を有する高齢者へのより良い対応の技術を身に付け、向上させることに繋がっていくはずです。

(看護学部 高齢者看護学領域)


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