ニュース一覧へ戻る

文芸学部ニュース詳細

更新日:2026年06月02日

展示・講演会

【文芸学部】文芸メディア専修企画 月例研究集会(2026年度 第1回)開催報告

 

2026年4月25日(土)、今年度第1回目となる文芸メディア企画・月例研究集会が開催されました。今回は甲南大学名誉教授で文化人類学者の西川麦子氏をお招きし、「草の根メディアの持続可能性:U-C Independent Media CenterとHarukana Show」という演題でご講演いただきました。

 

Urbana-Champaign (U-C) Independent Media Centerは、アメリカ合衆国イリノイ州アーバナ市に所在する、インディペンデント・メディア運動の系譜に連なるNPOの活動拠点です。Harukana Showは、この団体が運営するコミュニティFMラジオ局WRFUで、西川氏が中心となって15年に渡り放送を続けている日本語番組です。これらの話題を通じて、氏が取り組んでいる「グローカルなメディア実践」についてお話しくださいました。

 

 

 

終盤にはフォームを使用した質疑応答も行われ、学生から寄せられた多数の質問にお答えしました。

 

モデレーター:小牧龍太(文芸学部文芸メディア専修 准教授)

 

【学生たちの感想 *一部抜粋】

・コミュニティメディアは大規模なマスメディアとは異なり、特定の地域や人々に寄り添いながら情報を届ける点に特徴があると学んだ。その中で、言語や文化の違いを越えて人々を結びつける役割を果たしていることに、大きな意義を感じた。今回の講義を通して、メディアは単なる情報伝達の手段ではなく、人と人とのつながりを生み出し、コミュニティそのものを変えていく可能性を持っていると考えるようになった。

 

・「誰でもメディアになれる」という考え方がとても印象に残った。これまで私は、メディアを作るには専門的な知識や経験、そして語学力などが必要だと思っていた。しかし、講演の中で、経験がなくても、英語ができなくてもメディアに関わることができるという話を聞いて、そのイメージが少し変わった。(中略)一方で、Indymediaの例から、「誰でもできる」という理想だけではなく、実際には継続することの難しさや現実的な問題もあるのだと思った。

 

・偶然を途絶えさせないために限定しない、というお話が非常に印象に残った。思い返してみれば自分が目標を定める時は「こうするためにはこうしなくては【ならない】」と心のどこかで決めつけてしまう節があった気がしたため、流れに身を任せながら目指すものを決めていく流動的な意識は客観的視点も育てることができ、自分の更なる成長に繋がるだろうと思えたため、次から率先してやってみようと思えた。

 

・効率や評価を求める現代社会において、58分という制約の中で「いつも途中」であることを肯定し、失敗やハプニングさえも生身の記録として可視化していく姿勢。それは単なる情報の拡散ではなく、個人の物語を丁寧に繋ぎ止めるための、しなやかで人間らしいメディアの再定義だと感じました。