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文芸学部ニュース詳細

更新日:2021年11月08日

授業紹介

【文芸学部】産学連携授業で発表を行いました

共立女子大学・共立女子短期大学と株式会社松栄堂(本社 京都府京都市)は、産学連携に関する連携協定を2021年3月に締結しました。それを受け手、2021年度共立女子大学・共立女子短期大学 地域連携プロジェクト(「日本の古典文学と香りから考える持続可能な社会」)のテーマのもと、下記の授業を履修している文芸学部・文科・生活学科の学生による合同授業を行いました。

 ・文芸学部  日本文学演習ⅡB(岡田ひろみ教授)

 ・文科    文学とことばのセミナーⅠ(咲本英恵専任講師)

 ・生活科学科 卒業研究・卒業制作、卒業ゼミナール(渡辺明日香教授)

 

7月8日には(株)松栄堂 代表取締役社長 畑正高氏による「古典文学と香文化」の講演会を開催しましたが、続いて、10月28日には、畑氏による「源氏香とその周辺」の講演と文芸学部・文科・生活学科の学生発表を行いました。

文芸学部からは、畑氏の講演に触発された学生有志4名が、日本文学演習ⅡBの授業で読んでいる『源氏物語』梅枝巻(うめがえのまき)を中心として、以下のテーマで発表を行いました。

タイトル:「香りと人物の結び付きー『源氏物語』から」

発表者:文芸学部日本語日本文学コース学生

内容:平安時代、人の姿は見えなくても、香りと人物の姿は結びつき、脳裏に浮かぶものでした。『源氏物語』梅枝巻ではさらに、「香」にその人物の人柄や雰囲気も体現しうるものとして表現されています。「香り」が人と結びつくことで、物語のヒロインたちの人物造型がなされるのです。それは古典特有の香りかもしれませんが、現代の我々が人と香りを結びつける感情と共有できるものだと思います。

 

 

 

 

 

参加者の感想(一部抜粋)

・現代のわれわれが人と香りを結びつける感情と共有できる節があるのではないか、という言葉が印象に残ります。香りで人を思い出すというのは、私自身経験があるので、香りと記憶の結びつきというのはとても大きいのだなと思うと同時に、それを平安時代の貴族たちも感じていたというのがすごいことだなと思いました。

・女君が提出した香と女君自身の描写の結びつきは、登場人物が多い源氏物語の中でもキーとなる女君たちの印象を梅枝巻で再度強く表現されており本作らしい優雅な描かれ方だと感じました。確かに、匂いと人物の繋がりは平安文学だけでなく、その後ずっと、そして現代でも同じだと気づかされました。私も前に推し香水を買ってその成分一つ一つに解釈を考察していたな、と思い出しました。

・春夏秋冬すべての季節がそろい、さらにそれぞれの女君たちの人物像に自然と評価が一致するのは面白いと思いました。

・梅枝巻の薫物の香りの視点から読み解くことで、女性たちの姿が見えないとしても、具体的な人物像、人柄や雰囲気を感じ取ることができるというところが面白いですし、当時どれだけお香が楽しまれ、重要とされてきたのかがうかがえ、素敵だなと思いました。

・説明をしてくれた方達の解説がとてもわかりやすくて、香りと人物の結びつきについてもと知りたいと思いました。

・薫物の香りが人物像と結びついているということが面白かった。香を焚いた際、漂う香りでそれが誰によって調合されたものなのかわかるのはとてもロマンチックだと思った。かわいらしい、優しい、優美、心惹かれる、高雅な、など細やかで繊細な香りの違いを味わえるのは素晴らしいことだと思う。

・人物像に着目すると香りがその人物を思い出させるという役割を果たすということが、とても面白いと感じました。今でも香でなくとも、その匂いを感じるとある場所や人、過去の出来事を思い出すことがあります。それと同じように源氏物語においても香りで人物を思い出すという役割をもっていたのだと思いました。