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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2021年11月10日

展示・講演会

修復・復元に携わった人形の衣装がさいたま市岩槻人形博物館で展示されています。

被服平面造形研究室(田中 淑江 教授)が修復・復元に携わった人形の衣装「江戸時代制作御所人形 立子 男女」が、2021年10月9日(土)~2021年11月28日(日)に、さいたま市岩槻人形博物館の特別展「人形をひのき舞台へ西澤笛畝」で展示されています。修復・復元の対象は立子男の小袖・陣羽織(じんばおり)・ケープ・帯、立子女の小袖と帯です。オリジナルの作品は長年の保存状態により、経年劣化が著しく安全に保存、展示出来る状態ではありませんでした。そこでオリジナルの人形の衣装は安全に保存できる状態に修復しました。一方、展示用の衣装は新たに復元しました。復元した立子男の小袖と陣羽織の生地は、オリジナルの文様を再現するために京都の織元で織っていただき、研究室で小袖と陣羽織に仕立てました。ケープの刺繍は刺繍作家の方に糸の太さから色まで忠実に復元していただき、房や襞は研究室で検討を重ねてオリジナルの形態に近づけて仕立てました。また、立子女の小袖はオリジナルの模様を染織作家の方にできる限り忠実に染めていただき、表地と裏地の間に綿を入れて仕立てる綿入れ小袖に仕立てました。

 

人形が着用していた衣装をできる限り忠実に復元するには、多くの専門家の方々の協力と、時間をかけた検証が必要となります。今回、復元した衣装を着用した人形が展覧会に無事に展示され、見学者の皆様にご覧いただけることは嬉しい限りです。

 

染織文化研究室の長崎 巌 教授は、さいたま市岩槻人形博物館の 「さいたま市人形資料等選考評価委員会」の委員を務めておられ、人形衣装を修復・復元された田中 淑江教授とともに、学外の博物館・美術館と協力した染織文化財に関する研究を積極的に進めて伝統文化の継承に取り組んでいます。

 

人形博物館での展示

復元の様子(立子男の小袖)

前身頃

後身頃

復元した立子男の陣羽織

復元した立子男の陣羽織の拡大図

復元した立子男のケープ

復元の様子(立子女の小袖)

 

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