更新日:2025年08月27日
授業紹介
卒業研究:手紡ぎ糸によるクラフトワーク演習
被服材料研究室(村瀬浩貴教授)では、卒業研究(演習)として、綿や羊毛のワタから手紡ぎで糸をつくり、その糸を用いて作品制作に取り組んでいます。前期には、タクリやチャルカといったインドの伝統的な道具を使って綿を紡ぎました。15名のゼミ生のほとんどが手紡ぎは初めての経験であり、約30gの糸を紡ぐのに何週間もかかりましたが、練習を重ねるうちに会話を楽しみながらスムーズに紡げるようになりました。さらに、紡いだ糸をコチニール、インド茜、マリーゴールド、苅安、藍などの天然染料で染めることにも挑戦。媒染剤の違いによる色の変化を体験し、染色の奥深さを学びました。また、全員が自宅で綿を種から育て、収穫した綿花を糸に紡ぎ、染め、編み物などの作品に仕上げるまでの一連の工程を経験します。こうした実践を通じて、自然の恵みを生かしたものづくりの価値を学び、衣服を大切にする心が育まれます。夏休み明けには、学生一人ひとりの個性が光る作品の完成が期待されています。後期には、羊毛を糸車や紡錘を用いて紡ぎ、さらに大きな作品づくりに挑戦していきます。
本学では、このように素材の特性を深く理解し、原料から作品までのプロセスを自ら体験する実践的な教育を重視しています。自然と向き合いながら創造力を磨く学びは、単なる技術習得にとどまらず、持続可能な社会に貢献できる人材の育成へとつながっています。
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