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家政学部 被服学科ニュース詳細

更新日:2021年12月15日

研究紹介

卒業研究「白生地からの着物制作」の作品が仕上がりました

被服学科の卒業研究には、デザイン発想から染色、仕立てまでを自ら行って着物を制作する「白生地からの着物制作」というテーマがあります。デザインは被服意匠研究室(宮武 恵子 教授)、染色は被服管理研究室(後藤 純子 教授)、仕立ては被服平面造形研究室(田中 淑江 教授)が指導します。今年度は、染織文化財コースの田村明子さんが、「花札」をモチーフにデザインを考え、地色の試し染めを繰り返し行い、型染のための型紙作成、糊置き、染色、顔料を用いた着色を経て、11月中旬に着物を仕立て上げました。以下、それぞれの工程について、田村さんの感想と写真を紹介します。

 

 

デザイン発想

オリジナル花札を表現するために、日本の絵本を読み、若者や海外の方に親しみを持ってもらえるように表現を工夫しました。自分の表現したいものをまとめることは難しく、また、新型コロナウイルス感染症の影響で図書館の使用制限があり、資料集めに苦労しました。

 

地色の試し染め

深緋色を出すために、数種の染料を調合しました。同じ比率の染料液を使用しても、生地の厚さや織密度によって染め上がり後の見え方が変わってしまい、自分の思い描いた色に近づくまで、試行錯誤を重ねました。

 

型染のための糊置き

最初はうまく糊置きのできないところもありましたが、何度も作業を行うことで、短時間できれいにできるようになりました(写真1・2)。

 

染色

型通りに置いた糊が溶けないように高温で染める必要があることに加え、身頃、袖、衿、衽(おくみ)すべてをムラなく同色に染めるため、絶えず攪拌することがたいへんでした(写真3・4)。

 

着色

主に筆を使用して着色しました。最初は顔料で思い通りの色を作成することが難しく、全体的に濃い色になってしまったものの、白色や薄め液を使うことによって思い通りの色を作成することができました(写真5・6)。

 

仕立て

染色の際に若干縮んでしまいましたが、影響がない範囲だったので計画通りに縫製することができました。今回の仕立ては和裁の授業で学んだことを中心に、新しい技法も取り入れ仕立てました(写真7)。

 

卒業制作を始めた当初は、デザインから染色、縫製までひとりでできるのか不安でしたが、先生方や助手さんが丁寧にご指導下さり、授業で学んだことや新しい知識、技法を生かして、何とか無事、作品を完成させることができました。最後は自分が思い描いた着物を制作することができ、大学での学びを集大成することができ嬉しく思います。

 

(写真1) 身頃は長いので、実験台の間の床で糊置きをしました (写真2) きれいに糊置きができました
(写真3) 3色の染料を混ぜて染めます (写真4) 大きいタンクで染めるので攪拌が大変でした
(写真5) 地色の染色が終わりました (写真6) 1つ1つの「花札」のデザインに筆で色をつけていきます
(写真7) 完成です!

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