

Faculty of International Studies
更新日:2026年07月21日
授業紹介
【国際学部】千代田区男女共同参画センターMIWの出前講座を実施しました。
2026年6月23日、千代田区男女共同参画センターMIWの出前講座をジェンダー論B(法律・経済と労働)の講義において実施しました。NPO法人ぱっぷすの理事をなさっている岡 恵さんにご来校いただき、「知っておきたいデジタル性暴力」と題してご講演いただきました。
最初にバウンダリーという、他者に近づいてほしくない距離について理解をした後、私たちは、自らが感じる「嫌だ」と思う気持ちを尊重される権利を持っているということを話されました。これは身体の自己決定や性的同意の問題に通じます。性的同意について、“No is complete sentence”という言葉を示され、イヤに理由はいらない、説明する義務はないこと、直前までOKであってもその後、イヤと言うことだってあるということを覚えていてほしいと仰いました。
本題のデジタル性暴力について、性的画像を「とること、もつこと、見せること、見ること」、これらすべてが、デジタル性暴力にあたると学びました。このようなデジタル性暴力は、SNSで通じて出会い、(偽であっても)信頼関係を築き(グルーミング)、その後、性的画像を要求したりするように、と変化します。男性のほぼ9割近くが、性交渉の情報をAVから得たという調査結果があり、その結果、そのような人々が性交渉を画像に撮ることを「当たり前」のように感じている可能性があります。しかし、一度、画像としてスマホなどに記録されてしまうと、その関係性は変化します。撮られた者にとっては、それを拡散されるのではないかという恐怖が生じます。そして、SNSのアカウントで繋がる友達だけでなく、広く不特定多数の人々にみられてしまうかもしれないという恐怖も生じます。
また、AV業界がどのように18歳以上の者、つまり、成人に対してアプローチしてくるかというお話もありました。これは2014年に改正された児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律が対象とするのが、18歳未満であるため、AV出演者の勧誘、募集は、法令上、出演可能な18歳「以上」の成人女性を対象として行われています。(18歳未満である者の買春は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます(第3条)、斡旋した者も3年以下の懲役または300万円以下の罰金、業として行った場合は5年以下の懲役および500万円以下の罰金に処されます(第4条))。その結果、18歳になった高校3年生や大学生がターゲットになりやすいのです。 2022年にAV出演被害防止・救済法が実施され、摘発や処罰の対象となりました。しかし、私たちは、引き続き、この種の問題を単に個人の問題として矮小化するのではなく、制度の運用や実施に注視し、より良い制度とし、被害者の救済へと繋げていく必要があると実感しました。
1年生が多く登録しているこの講義において、この題目でお願いするというのは、多少逡巡もありましたが、概して学生の反応は良く、真剣に岡さんのお話しを聞いていました。「身近にこのような事があった場合、どのように対応するか理解できた」や「同じ年代の女性の問題として看過できない問題だと感じた」、「SNSの使用について慎重になろうと思った」等の感想が非常に多く寄せられました。
(講義担当・執筆:国際学部 立松美也子 教授)