国際学部

Faculty of International Studies

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更新日:2026年07月21日

授業紹介

【国際学部】水鳥真美客員教授と卒業生の宮地理子さんをお迎えしてワークショップが開催されました(辻山ゼミ、中村長史ゼミ)

 6月25日、水鳥真美客員教授と国際学部卒業生の宮地理子さんをお招きしてワークショップ「災害後の暮らしを守るために―仙台防災枠組みと南三陸町フィールドワークから」が開催されました。辻山ゼミ・中村長史ゼミの合同ゼミという形式で、両ゼミの3年生15名が参加しましたので、簡単にご報告します。

 ゲストとしてお迎えした水鳥先生は、外務省で要職を歴任された後、英国イースト・アングリア大学 セインズベリー日本藝術研究所(Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures) 統括所長(Executive Director)、国連事務総長特別代表(防災担当)兼 国連防災機関(UNDRR)長を務められた方です。水鳥先生を前に最初は緊張していた学生たちも、「防災は国連で働いていた私だけではなく皆さん自身のテーマでもあり、『間違った答え』などないので、思い切って議論してほしい」というご挨拶を聴いて、徐々にリラックスしていったように見受けられました。

 

 

 同じくゲストの宮地さんは、卒業論文「宮城県南三陸町におけるコミュニティの持続可能性―東日本大震災をめぐる人々の語り―」で2024年度の学長賞を受賞されるなど優れた勉学の成果をあげられた後、2025年度からは静岡県島田市役所の危機管理部危機管理課の職員として防災に関わるお仕事に携わっていらっしゃいます。最初のご挨拶では、そうした国際学部での経験と現在の業務とを結びつけたお話をいただけたことで、学生たちにとっては身近なロールモデルとして映ったことと思われます。

 

 

 ワークショップは、次のような流れで進みました。まず、学生たちは事前に水鳥先生と宮地さんから提示されていた複数の課題のなかから取り組みたい課題を一つ選び、それぞれのゼミで検討したうえでワークショップに臨みました。課題は、①仙台防災枠組みが対象とするハザードへの有効な予防的行動、②防災庁設置の必要性と同組織への期待、③自分の住む区市町村の地域防災力強化のためのアイデア、の三つです。

 当日は、水鳥先生と宮地さんのご挨拶を聴いた後、同じ課題に取り組む3・4人のグループに分かれ、早速話し合いに入りました。合同ゼミゆえ、グループには初めて話す学生もいたようですが、同じ課題に取り組んでいく者同士、事前準備に基づく意見を交換しているうちに自然に打ち解けていったように思われます。各自が出した意見について付箋を用いて整理しながら(例:公助、共助、自助)、グループの見解として模造紙にまとめ、発表しました。

 

 

 各グループの発表に対しては、ゲストの方々から、それぞれ丁寧なご講評をいただきました。水鳥先生からは、成熟した社会である日本においてはインフラの老朽化が喫緊の課題であることが紹介された後、どのグループも被害の予防に着目している点、そして脆弱な立場にある人々への配慮がみられ「誰一人取り残さない防災」を目指している点について高く評価できるとの温かいお言葉をいただけました。宮地さんからは、先述の卒業論文での調査、そして市役所職員として台風等への対応に実際に当たられた経験に基づいて、具体的なアドバイスとともに各グループの提案への高い評価をいただけました。

 

 

 参加した学生から寄せられた感想を抜粋してご紹介します。「専門家の方からいろいろな話が聞けて面白かったです。やっぱりその道の方のお話は重みが違うなと思いました。その一方で防災というテーマは専門家じゃなくても話し合える内容だし、話し合うべき内容だということを実感しました」、「ワークショップでの意見交換を通して、自分とは異なる考えに触れ、防災への意識が高まった。防災庁や地域防災についての新しい知識も身につけることができた」、「ワークショップを通して、自分が住んでいる地域のハザードマップを事前に確認しておくことの大切さを改めて感じた。また、災害時には家族や近所の人と普段からコミュニケーションを取り、お互いに助け合える関係を築いておくことも重要だと思った」、「社会で活躍する先輩方の姿に刺激を受け、自分も成長したいと感じた」、「今後もまた他ゼミと合同で取り組む機会があれば、参加したい」。

 

 こうした感想からは、ゲストの方々のご指導、そして参加した学生自身の頑張りもあって、①防災を自分事とする、②専門家と卒業生から学ぶ、③学生同士でゼミを横断して学ぶ、というワークショップの学修目標が十分に達成されたことがうかがえます。ご多忙の折にお越しくださった水鳥先生と宮地さんに、改めて深く感謝申し上げます。

 

(国際学部 中村長史)