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更新日:2017年10月11日

【国際学部】学生広報委員による取材記事(1)「シアトルは良き。」

 国際学部では、これまで教員が執筆した記事を中心に発信してきましたが、本年度は学生たちにもHPを開放し、身の回りにある「国際的なこと」や、語学研修など短期間ではあれ海外に身をおくなかで気が付いたことや、興味を持ったことについて書いてもらうことにしました。以下は、その第一弾の記事となります。ぜひご一読ください。


シアトルは良き。   

縄田晴子(2年生、GSEプログラム第1期生)


(州立ワシントン大学のキャンパス)


 皆さんこんにちは。国際学部2年の縄田晴子です。私は今年8月に、大学が主催するシアトルの州立ワシントン大学海外研修に行ってきました。以下では、とても素晴らしかったこの研修の様子と、シアトルに海外進出した紀伊國屋書店を日米で比較したら面白いのではないかと思い、シアトル店と新宿本店に取材をし、記事にすることにしました。


1.海外研修の様子

 まずは海外研修についてです。これは国際学部生であれば誰でも応募し、参加することができるプログムです。このプログラムでは、3週間ホストファミリーの家で生活します。午前中は州立ワシントン大学で英語の勉強、午後はアクティビティやホストファミリーと過ごす時間割でした。私がお世話になったホームステイ先はホストマザー1人の家でした。ホストマザーはとても優しく、私の片言の英語を真剣に聞いてくれたり、いろんな所に連れて行ってくれました。午前中のクラスは初日のテストでクラス分けをしたクラスで授業を行います。私の所属したクラスは、同じように短期留学に来ていた中国人、台湾人、日本人からなる17人のクラスでした。小グル―プでディスカッションをしたり、発表をしたりして、コミュニケーションを重視した授業内容でした。初めはなかなか会話が続きませんでしたが、最終日には英語で話が止まらないほど親密な関係になれました。また、幸運なことにシアトル滞在中に日食があり、クラスでピクニックをしながら日食を見ることができました。


(日食時の影)


 午後のアクティビティではシアトルの文化や生活が体験できる有名な観光地などに行きました。特に印象的だった場所は、“Pike Place Market”という市場です。この市場には、スターバックスコーヒー店の一号店、市場のマスコットキャラクター”Piggy Bank”、魚屋、花屋、青果店など様々な種類の店がランダムに市場に入っていてずっといても飽きない場所でした。特別印象に残っているのは、”GUM WALL”という場所です。


(GUM WALL)


 その名の通りチューインガムが壁一面に張り付けられている奇妙であり、一種の芸術?である観光名所です。そこは、日本で見ることができない光景なのでシアトルに行ったらぜひ行ってみてください。



2.紀伊國屋書店の日米比較

 またシアトルに行く前に紀伊國屋書店がシアトルにもあることを知ったので、日米で比べてみようと思いました。今回この記事を書くにあたり、両方の2店舗にインタビューさせていただきました。まず日米で比較する前に紀伊國屋書店の基本情報についてです。紀伊國屋書店は国内に70店舗、海外に30店舗を構える日本有数の大型書店で、海外進出も40年以上の歴史を誇ります。そのため複数言語を多く取り扱っており、品ぞろえが豊富なのが特徴です。本店は東京の新宿本店です。こちらは、地下1階から8階・別館のある国内最大級の書店です。


 シアトル店は、中華街の近くにある宇和島屋というスーパーマーケットの中にあり、2階建てで中1階部分にずらーっと漫画が壁の本棚一杯に販売されていました。漫画好きにはたまらない光景です。こちらは年間15万冊を販売しています。


 

(シアトル店の内外観)左:入口の外観/右:店舗内の様子


 では、ここから日米の比較について書きたいと思います。初めに共通点についてです。両店舗とも1番の売れ筋は漫画だそうです。シアトル店の書棚には、日本でもおなじみの『オレンジ』や『君の名は。』なども置いてありました。日本の漫画はアメリカでも人気があり、日本語のオリジナルが刊行されてから1年ほどで英語に翻訳されているそうです。シアトル店ではそうした英語版の漫画が数多く販売されていました。多少の時差はあっても、アメリカと日本でほぼ変わらないペースで最新刊が出ていて、まるで日本にいるみたいでした。


 またグッズ関連も、日米ともに豊富に取り扱っていました。シアトル店では漫画に関連したグッズがあり、新宿本店でも書籍内容に関連したグッズが文具から長靴まで数多くありました。なぜグッズを売っているのかを尋ねたところ、書籍以外でも知的好奇心を刺激するものは書店にあってもよいと考えているとのことでした。


 

(豊富なグッズの販売・展示)左:シアトル店/右:新宿本店


 大きな共通点は以上の2つでしたが、相違点は3つありました。初めは本の言語です。新宿本店では日本語の書籍をメインとしていますが、シアトル店では、主に英語、日本語、中国語の本を取り扱っているそうです。シアトルには多くのアジア系の人が住んでいて、かつ中華街も近いことからこの3つの言語の本が販売されているとのことです。またシアトル店は地域密着型の書店ということで、シアトルで有名なレストランのシェフの自伝書も大変人気らしいです。私は、このレストランに行けなかったので次に訪れた際にはぜひ行ってみたいと思います。


 次に本の陳列の違いについてです。従業員の方にお話を聞いたところ、最もわかりやすい場所は漫画だと答えてくださいました。日本だと、どの週刊・月刊の中のマンガなのか、出版社はどこなのか、少年か少女かなど細かく分かれているのが特徴です。一方、海外では漫画のタイトルのアルファベット順なのでいろんなジャンルの漫画が同じ列に並んでいるのが特徴です。そのため、少年漫画の隣に少女マンガがあったりする、少し不思議な光景でした。


 

(漫画の陳列の違い)左:シアトル店(アルファベット順)/右:新宿本店(出版社別)


 最後は、海外店舗としてのシアトル店ならではの苦労した点についてです。紀伊國屋書店は日本では「伝統的・保守的」といったブランドイメージが確立されています。しかし、かつて三省堂の店舗であった場所にオープンすることになったシアトル店では、こうした紀伊國屋書店のブランドイメージが現地の人々に受け入れてもらえるかどうかという点で、心配や苦労が多かったといいます。そのため、市場調査によって販売する本を慎重に選別したり、顧客のニーズにきめ細かく対応したりした結果、今ではリピーターが多くいる地域に根付いた書店になったそうです。このように、国内外で同じ店を調べてみるとそれぞれの課題があり、その課題の改善やよりよいサービスを提供したりするために日々努力していることがわかりました。



3.最後に

 今回、私にとって初めてのアメリカ滞在でした。上記では日本から海外進出した話でしたが、日本でも最近アメリカ発の店が増え、米国の文化に触れる機会が多くなった気がします。ですが、実際現地に行くと本物の文化を知ることができました。特に感じたのは日常会話です。日本人は控えめなのが特徴ですが、アメリカ人はレジでお会計をするときもスタッフと会話したりして、自分の意見をよく発言しているのが印象的でした。私自身は、渡米するまであまり自分の意見を言えない性格でしたが、3週間滞在して自分の意見を言うことの大切さを学びました。それにより自分の視野も広がりました。今後はこの経験を活かして、様々なことにチャレンジしていこうと思います。まだまだ伝えたいことはたくさんありますが、「百聞は一見に如かず」です。みなさんも、ぜひ海外研修・留学に参加してみてください。


 最後に、取材に協力してくださった紀伊國屋書店の山田様、新田様、石原様、ありがとうございました。そして読者の皆様、最後まで読んでいただきありがとうございました。


 

左:州立ワシントン大学のハスキー犬の銅像/ 右:ワシントン大学内にある図書館の内観



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