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更新日:2017年08月24日

【国際学部】三大学合同ゼミで合宿を行いました。

 西山ゼミでは、6月に行った三大学合同ゼミの顔合わせ会をふまえ、889日にかけて、静岡・御殿場の国立中央青少年交流の家で合宿を行いました。教員含め総勢37名、うち共立からは11名が参加しました。ちょうど台風が日本列島を縦断しており、開催も若干危ぶまれましたが、幸運にも当日はほぼ台風一過となり、富士山麓とはいえ、暑さを感じる中で合宿を行うことができました。


施設本館の前で集合写真


 初日午後は、すでに顔合わせ会において結成されていた大学混成の4つグループごとの課題報告が行われました。具体的には、参考文献や新聞雑誌などの時事情報をもとに、イギリス、ドイツ、ハンガリー、トルコの4つの国における難民問題とその対策についてのプレゼンです。終了後教員三名による講評とともに、協議の結果、最優秀報告として、第3班のハンガリーについての報告が選ばれました。


 

(左)イギリス班の報告/(右)ドイツ班の報告


 その後、さらに4つの班を再編し、翌日のディベートに向けて新たな班が4つ作られました。ディベートのテーマは「日本は今後難民を積極的に受け入れるべきか否か」というもので、各班の報告で集めた資料や知識を持ち寄りながら、立論していくことになります。

 

 準備にあたっては、KJ法という方法を用いて論点を出し合い、整理したうえで、与えられた賛否いずれかの立場から、自分の側と相手の側の利点と弱点を吟味して、対策を練っていく作業を行いました。この作業は夕食をはさんで、夜10時まで続けられました。後半のディベート対策の作業は、相手に情報が漏れないよう、賛成側2班、反対側2班がそれぞれ別の部屋で作業を行いました。またこの時点で、「裁判官」役の(2組)4名が指名され(共立からは1名)、自分が担当する組み合わせの班の議論にオブザーバーとして立ち会いました。


KJ法での作業の様子(模造紙に付箋に記したメンバーの意見を貼りつけ、まとめる)


 夕食は、せっかくの富士山麓での合宿ということもあり、野外炊事で焼きそばやお好み焼きをみんなで作り、食べました。指導員の方からときに厳しくも懇切丁寧なアドバイスをいただきながら、ディベート班ごとに行ったこともあり、チームワークを高めるうえでも効果的であったように思います。


 

野外炊事の様子(薪への着火や火力の調整が思った以上に難しかったです・・・)


 翌日は、さらに天気も良くなり、施設のきまりで朝7時に行われる朝礼に全員集まり、ガールスカウトや小学校の部活などで来ている子供たちに混ざって(何年、何十年ぶりに!?)ラジオ体操、そして団体あいさつを行いました。ディベート準備(や雑談)などで夜更かしした班もあったようですが、こうして朝早くに目を覚まし、体を動かしたこともあり、ディベートにむけての最終確認も例年以上にはかどったのではないかと思います。


頭に雲を被った富士山を前に、朝礼で団体あいさつ


 午前9時、いよいよ合宿のクライマックスとなるディベートが始まりました。今年は、教員三名が最後の講評においても口をそろえて言っていたように、発言が止まり、しばらく沈黙が支配するような状況がほとんどなく、議論の文字通りの「応酬」が繰り広げられ、非常に熱のこもったものとなりました。一方裁判官たちも、そうした議論を冷静に観察し、コントロールしたうえで、自分の主観的な意見ではなく、ディベートでの議論がいかに説得的であったか、という点から根拠づけられた「判決」を下していました。結局、第1試合では賛成側のグループが、第2試合では反対側のグループが勝利しました。


 

(左)第1試合の様子(質疑応答の作戦を練る)/(右)第2試合の様子(反対側立論、メモを取る賛成側)


 ディベートはそれ自体が目的ではなく、自らの議論を説得的に組み立てるためには、どのようなデータが必要であり、それをどのように組み立てるべきか、またどのような批判が想定され、それに対して何によって反論すべきか、ということをグループ作業によって学ぶ場です。昭和女子大学の小野寺先生が合宿のまとめで述べていたように、4年になって執筆する卒論は基本的に「一人ディベート」によって完成させていくものです。以下にいくつか載せた参加した学生の感想にも、達成感とともに反省点や課題も述べられており、ぜひ今後に活かしてもらえればと思います。


A. ディベートの準備にはKJ法を用いたため、できるだけ多くの意見やアイデアが必要だった。些細なことであっても自分の意見を伝えることが大切だなと実感した。時には意見が出ず話し合いが止まってしまうこともあったが、その後班員みんなで考えて新しい意見が出たときの達成感は素晴らしいものだった。また、ディベート本番で大変だったのは、相手側からの反論を受けたうえで、より多くの、さらに説得力のある意見を述べることである。説得力のある意見を述べるためには、下調べがとても重要となってくる。今回私たちの班はディベートで勝つことができなかったが、原因と思われる一つが下調べの不十分さである。今後は何事にも準備を十分にして臨もうと思った。



B. 参加して良かったことは、他大学と交流することで、今までのゼミでは聞けなかった様々な人の意見を聞くことができたことや、そのなかで共立ゼミの仲間とのチームワークもより深まったということである。また、大学ごとに違った文化があるということもわかった。この合宿を通して、一種の異文化交流のような経験をすることができたと思う。

 今後は、今回の合宿での反省点をふまえ、様々な問題について自分の意見を簡潔に言えるように知識を身に着け、説得力のある意見をだす練習をしていきたいと思う。就職活動や就職後も、このような技術は必要とされるため、活かしていきたい。


C. 今回この三大学合同ゼミに参加し、普段あまり関わらない他大学の人と交流することができ、いつもとは違った視点からの考え方を学ぶことができた。グループ報告の準備段階では数回だけだったが、メンバーで集まり、報告に向けて話し合いをした。今までの授業のゼミでは個人作業が多く、あまりグループ作業を行ってこなかったのでとても新鮮だった。グループ作業は個人作業とは違い、自分のミスが全員の責任になってしまうので、より一層自分の仕事に責任感を感じることができ、非常にやりがいのあるものだった。また、ディベートは私自身初めての体験で、最初は戸惑った。短い時間の中で相手を説得させるような主張をまとめ、また裏付けとなることを調べるという作業は非常に大変だった。しかし、正直なところ、発表のためのレジュメをまとめたり、レポートを書いたりするより熱心に取り組むことができ、非常に良かった。

 反省点としては、初のディベートだったため、自信がなく自分の意見を多く述べることができなかったことが挙げられる。前日にたくさん調べたのに、まだまだ分からないことが多すぎて発言できなかったことが残念だった。ディベートは実際やってみたら意外と楽しく、今まで以上に準備段階に力をいれて取り組むことができた。もし、今後またディベートをすることがあれば、今回の反省を活かしてより良いものにしていきたい。また、今回他大学の学生から学んだことも忘れず、さまざまなことに取り組んでいきたい。


D. 私は今回の三大学合同ゼミ合宿の1日目に、ハンガリー班として難民の実情について報告をした。私たちの班は今回の合宿までに4回程集まって打ち合わせを重ね、それぞれの担当部分を調べて、自分達の納得するスライドと報告内容を作り上げることが出来た。そして、各班の報告の中で優秀賞を貰ったことは合宿の中で一番良かった出来事である。

 反省点は、2日目に行ったディベートである。私たちの班は「日本は難民を受け入れることに賛成」という立場で準備をした。元々受け入れ反対の希望が大きい中で、賛成への考えをまとめるということが難しく、前日深夜までの対策にもかかわらず、本番ではチームプレイの悪さが露呈し完敗してしまった。このディベートをきっかけに、それぞれの役割をハッキリさせ協力して意見をまとめることの大切さを感じた。


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