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更新日:2018年03月30日

【国際学部】ドイツの歴史家レベッカ・ハーバーマス教授の講演会が開催されました(ビデオ映像付き)

 2018219日と23日、ドイツの歴史家レベッカ・ハーバーマス教授(ゲッティンゲン大学、英語版ウィキペディアにおける紹介はこちら)の講演が共立女子大学本館において行われました。19日は科研基盤研究(B)「言語帝国主義と翻訳」(代表:平田雅博・青山学院大学教授)のワークショップとして、23日は同科研と現代史研究会の共催(後者の2月例会)として開催されました(なお、21日には、19日と同内容の講演会が同志社大学において行われました)。

 

 ハーバーマス教授は、20179月に本学で講演したウーテ・フレーヴェルト教授と並び、ドイツを代表する女性歴史家の一人であり、研究対象は近世から近現代にかけての法律、宗教、ジェンダー、そして植民地の歴史と幅広く、2016年には『トーゴのスキャンダル ドイツ植民地支配の一章Skandalin Togo. Ein Kapitel deutscher Kolonialherrschaft』(S.フィッシャー出版社刊)を発表されています(出版社の紹介ページはこちら)。19日の講演はそれをふまえてのものでした。同書は、20世紀初頭、当時ドイツの植民地であったアフリカ西部のトーゴにおいてドイツ人植民地官僚が引き起こした「スキャンダル」が、現地社会とドイツ本土でどのように議論されたかについて分析しています。その際、前者については、ブラジルからの帰還者たちが名望家・知識人的役割を果たし、同時に隣接する(英領)ガーナなどにまたがる(トランスコロニアルな)ネットワークを形成していた社会構造、後者については、大衆化する帝政ドイツ社会、世論においてスキャンダルの何がどのように語られたのか(あるいは語られなかったのか)に着目しながら分析し、植民地支配のメカニズムを描き出した研究です。


 

2/19、ワークショップで講演するハーバーマス教授


 19日の講演が、いわば1つの「ありふれた」歴史上の事件から時代像を描こうとしたミクロストーリア的アプローチであったのに対し、23日の講演では一転して、グローバルな知の歴史においてキリスト教伝道団と宣教師が果たした役割が主題となりました。16世紀以降、ヨーロッパのキリスト教伝道団が布教活動とともに、世界のさまざまな文化を知識として収集、紹介したことはよく知られています。この講演では、19世紀後半から20世紀初頭にかけても、宣教師たちの学知の生産者・提供者としての役割はきわめて重要であり、とりわけ当時学問として確立しつつあった人類学や植物・動物学などの分野に不可欠な存在であったことが述べられる一方、こうした活動は宣教師たちの余暇として実践されたというよりは、むしろ現地住民の改宗(土着文化の否定)という彼らの日々の業務の不可分の関係にあったことが指摘されました。


2/23の講演会におけるハーバーマス教授


 ハーバーマス教授はまた、こうした収集・観察と否定・教化という矛盾をはらんだ宣教師たちの日々の作業のなかで、収集されるものとされないものの線引きの持つ意味や、収集されたものが本国の博物館や学術研究に提供される一方で、それらはカトリックやプロテスタントの宗教ネットワークのなかでも、独自の雑誌や巡回展覧会などのメディアを通して一般大衆に直接紹介され、それは財政基盤の弱かった伝道団にとって寄付を集める重要な資金源にもなったことに注意を促しました。さらに、こうして学術研究に重要な役割を果たした伝道団や宣教師たちの活動が、学術研究の世俗化のなかで忘却されていったこと、そしてそれは伝道団の活動のあり方自体にも由来していたという皮肉な側面にもふれつつ、逆にそのなかで自らの拠って立つ基盤を(今日よくみられるような)人道的なものへと読み替えていったことについて展望し、講演を締めくくりました。


 19日、23日ともに、3時間にわたる長丁場でしたが、多くの質問やコメントが出され、活発な議論が展開されました。以下に講演部分のみですが、23日の分のビデオ映像を公開いたしますので、よろしければご覧ください。







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