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文芸学部

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取り組み・プロジェクト紹介

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取り組み・プロジェクト紹介

更新日:2016年04月10日

文芸メディアコース

受験生へのメッセージ(藤田 岳久)

 


紙の本と電子書籍,あなたはどちら派?
図書館は「両方派」です

 

 みなさんは,図書館とはどういうところだと思っていますか? 「本がたくさんあって,それを読めるところ」「本を借りるところ」「静かな環境で自習を行えるところ」などでしょうか。みなさんの視点から図書館を見ればそのような答えになると思いますが,もっと広い視点から見ると,図書館とは「人類の知的活動の所産である『情報』を集め,なるべく劣化させないように永年保存し,かつ利用しやすいように整理し,利用者の要望に対して的確に提供するところ」なのです。なんだか長ったらしい説明になってしまいましたが,それだけいろいろなことを行っている,と言うことができます。

 

 この説明には「本」「図書」という言葉が出てきません。最近の図書館は本だけでなくCDやDVDなども扱っています。それらをまとめて「情報」と説明しています。CDやDVDが情報? なんだかわかったようなわからないような…。図書館の世界では,CDに収められた音楽やDVDに収められた映画作品,紙芝居に描かれた絵や文章,すべて「情報」です。これを劣化させないように保存するために,透明なフィルムで本の表紙を覆ったり,傷んだ本を修理したりします。インターネットのウェブページも情報ですから図書館の収集対象ですが,これは劣化しません。しかしある日突然なくなってしまうことがあるので,国立国会図書館ではこれをコピーして保存しています。

 

 では「利用しやすいように整理する」とは,具体的には何をしているのでしょうか。それは第一に「本を書架(書棚)に,ある決められた順序で並べる」ということです。私達が国語辞典で望みの言葉をすぐに探し出せるのは,国語辞典に収められた言葉が五十音順に並べられているからです。これがイロハ順だと,中には「探しにくいな」と思う人もいるでしょう。では,図書館の本はどのような順序で並べられているでしょう? 知らない人は是非調べてみてください。整理するために行う第二のことは「検索のしくみを作る」です。どこの図書館にも本を検索するコンピュータがあります。

 

 続いて「利用者の要望に対して的確に提供する」ためにどのようなことを行っているでしょうか。「図書の貸出」はここに含まれることはすぐにわかりますね。「読むための十分なスペースを作る」こともここに含まれるでしょう(そこでみなさんは勉強に集中するわけですね)。児童スペースのある図書館では,子供たちのために「本の読み聞かせ」をします。インターネットのウェブページを見るためのパソコンを置きます。また,何か疑問を持った時に,図書館で本を探して読むことで解決できればいいですが,自力で解決できない場合は図書館のカウンターにいる図書館員に質問することができます。図書館員はあなたに代わって疑問を解決し,回答してくれます。これを「レファレンスサービス」といいます。これも情報の提供方法の一つです。ただし,宿題がわからないからといってレファレンスサービスをお願いしても断られますよ。ホントです。

 

 図書館がどのようなところなのかという説明はこれくらいにして,私が行っている研究についてのお話をしましょう。私は,図書館でのコンピュータの有効活用や,インターネット上の「ディジタル図書館」について研究をしています。図書館での貸出の時,利用者カードや本に貼ってあるバーコードを「ピッ」と読み取る作業が行われます。この「ピッ」を含め,図書館の中の事務作業にはコンピュータが広く使われていて,その技術はかなり成熟しており,これにより図書館の仕事は効率化されています。一方,図書館の扱う対象である「情報」のうち,特にコンピュータやインターネットで扱うディジタル情報については,どのように収集し,どのように整理して保存し,どのように提供するかについて,まだまだいろいろな試行錯誤が行われています。「電子書籍」の扱いは現在の図書館でのホットな話題です。「提供」の方法については,図書館という建物ではなくインターネット上に「ディジタル図書館」が作られ,実用に供しているものもあります。しかし,どのような検索方法を提供すればいいのか,そもそも図書館員がいないのにレファレンスサービスはどうするのか,などの問題があり,これもやはり試行錯誤です。このように様々な「利用者のために考えるべきこと」がありますが,私は特に,情報の効率的な蓄積の方法や,効果的な検索の方法についての研究を行っています。

 

 図書館員には,日々産み出される様々な分野の情報に積極的に触れ,そして興味を持ってそれらを理解する姿勢が望まれます。なぜならば,そうして蓄積された知識が,良い情報収集,良い情報整理,良い情報提供につながるからです。文芸学部では図書館司書課程で図書館のことを学ぶことができますが,それは「文芸学部学生として,主として学ぶこと」ではありません。七つのコースで扱っている学問分野が「主として学ぶこと」であり,図書館司書課程は「それに加えて学ぶこと」です。私は,これが図書館員をめざす人にとってとてもよい学びの環境であると思っています。一つのコースに属することで必ず一つの「情報の豊富な学問分野」に接することになります。さらに,文芸学部では所属するコース以外の分野の授業も自由に履修することができますし,「講座」もあります。これがつまり「様々な分野の情報に触れる」ことになるからです。図書館員は博覧強記(はくらんきょうき)であるべきで,そうなるための基盤が文芸学部にはそろっています。