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文芸学部

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文芸学部取り組み・プロジェクト紹介

更新日:2016年04月10日

英語英米文学コース

受験生へのメッセージ(沼田 知加)

世界を拡げる

Q:専門分野は何ですか?
A:アメリカ文学・アメリカ文化研究です。

 

Q:もう少し具体的にお願いします。
A:文学と言ってもさまざまなジャンルがありますが、私の場合は小説です。みなさんはアメリカの小説を読んだことがありますか?

 

Q:『ハリー・ポッター』や『ナルニア国』は読んだことがあるのですが…。アメリカの小説は読んだことがないかもしれません。
A:それは、残念です。でも、私も偉そうなことは言えません。本格的にアメリカの小説を読み始めたのは、大学生になってからです。

 

Q:そうですか。ちょっと安心しました。大学生になってからでも間に合うのですね?
A:もちろんです。子どもの頃は、「少年少女世界の文学」というシリーズの『若草物語』『足ながおじさん』『トム・ソーヤの冒険』などは読んでいましたが、「アメリカの小説」をことさら意識していたわけではありません。小学校高学年の頃に見た映画のおかげで、どちらかと言うとイギリス好きでした。中学・高校の頃に聞いていた音楽も、ブリティッシュ系の方が多かったですね。

 

Q:では、どうしてアメリカに興味を持つようになったのでしょう?
A:大学の授業の影響です。翻訳されていないアメリカの現代文学を読む機会があって、原書で小説を読む楽しさと苦しさに目覚めてしまいました。

 

Q:「楽しさ」だけではなく、「苦しさ」もですか?
A:はい。英語で小説を読むと、どうしても分からない部分があったり、なんとなく分かるけど、日本語では上手く表現できないとか、口語や俗語がチンプンカンプンなんてこともあります。今ならば、Webの俗語辞典なども充実していますし、SNSで聞いて即解決なんてこともあるでしょう。一昔前はそう簡単ではありませんでした。でも、それがかえって良かった面もありそうです。自分で深く考えるしかないですから。深みにはまるのは苦しいけど、楽しいですよ!

 

Q:文芸学部では卒業論文・卒業制作が必修ですが、今からすごく不安です…。
A:大丈夫です。きっと何かに興味を持って、深く知りたい、自分の考えを聞いてほしいと思えるものに出会えるはずです。私自身、高校生の時まで存在も知らなかったアメリカの現代文学作家について、卒業論文を書きました。卒論で取り上げた小説が翻訳されたときには、いち早く購入して読みました。

 

Q:それ以来、ずっとアメリカの現代文学を研究しているのですか?
A:いいえ。アメリカでどうしてこんな小説が生まれたんだろう、源流はどこにあるんだろう――そんなことが気になって、アメリカ文学最初の黄金時代とも言える19世紀中頃の作家たちに興味が湧きました。自分なりの文脈を作りながら小説を読む作業は面白いですよ。アメリカ文学に馴染みがないという人には、ぜひ「英米文学概論A」という授業をお勧めします。「アメリカの小説はロマンスが基本」「マッチョなアメリカ文学」「アメリカの女子たち」など、テーマを設けてアメリカ文学を紹介しています。面白そうだと思った小説を一冊でも多く、実際に読んでほしいですね。

 

Q:その授業では、マンガも教材として使うと聞きました。
A:はい、使うこともありますね。アメリカではグラフィック・ノヴェルと言いますが、『ハックルベリー・フィンの冒険』を紹介するときに使っています。リテラシー(読み書き能力)を高めるためという大義名分のもと、古典的な小説をマンガ化したものがたくさん出版されています。ですが、マンガとして面白いかどうかは別問題です。特に、日本のマンガが好きなアメリカの高校生には、評判が悪いようですが…。

 

Q:日本のマンガが好きなアメリカの高校生ですか?同じ高校生ということで、なんだか親近感が湧いてきます。
A:クール・ジャパンという言葉を聞いたことがありませんか?日本文化を海外に発信しようということで、このところよく使われています。クール・ジャパン現象について研究していたことがあるのですが、その時にいろいろ調べる中で、面白い研究書を見つけました。格差社会に苦しむニュー・ヨークの高校生たちが日本のマンガに出会い、クラブ活動の中で自分たち自身のマンガを描く様子を追ったもので、『ニューヨークの高校生、マンガを描く』(2012年、岩波書店)と題して翻訳出版しました。高校生が描いたマンガも収録されています。同年代のみなさんにこそ、読んで刺激を受けてほしいですね。
http://www.kyoritsu-wu.ac.jp/sobunken/kenkyu/publication/index.html

 

Q:最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
A:アメリカの小説や文化にそれほど興味がないと思っている人も、何がきっかけで萌えるかわかりません。みなさんの好奇心を刺激する授業を見つけてください。大学で出会う何かで、自分の世界を拡げてください。