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文芸学部取り組み・プロジェクト紹介

更新日:2016年04月10日

日本語・日本文学専修

受験生へのメッセージ(半沢 幹一)

自己紹介

 みなさん、こんにちは。文芸学部の半沢幹一(はんざわかんいち)です。日本語日本文学研究室の一員です。文芸学部ができたのが1953年。僕が生まれたのは1954年。共立に勤めたのが1980年。もう定年間近の、ほとんどシーラカンスのような存在です。
 生まれも育ちも東北。生まれたのは、NHKの朝の連続ドラマの、あの「じぇじぇじぇ」で有名になった岩手県久慈。それ以降、大学院まではほとんど仙台暮らしでした。というわけで、文芸学部に東北出身の学生が入ってくると、つい身びいきしたくなります。
 共立に職を得るとともに東京に引っ越して来て以来、ずっと八王子市に住んでいます。テレビの天気予報で、東京の後に八王子が出てくるのですが、まるで八王子が東京都ではないように受け取られてしまうのではないかと、いつも心配しています。
 家では、犬二匹と猫二匹を飼っています。猫は僕にはまったくなつかず、近寄るとシャーッと言います。犬も毎朝散歩に連れて行っているのに、夜遅く帰ると出迎えもせず、ガーガー寝ています…。

 

授業紹介

 学部で5コマ、大学院で1コマ担当しています。学部の科目は、共通教育科目の表現技法Ⅰ、教職科目の国語科教育理論と方法Ⅰ、日本語日本文学コース専門の日本語学概論AB、日本語学演習Ⅱ、卒業論文ゼミナール、です。
 このうち、1年次から履修できるのは、表現技法Ⅰと日本語学概論の二つです。どちらも半期科目です。
 表現技法Ⅰは、文章の書き方の基礎を身に付けるために実習で、毎回、文章を書き上げるまでの段階をふまえた、いろいろな作業を行い、そのつど成果がチェックされます。文章が苦手な学生でも、なんとかその作業をこなしてゆけば、大学で必要な論理的な文章を書くにはどうすればよいかが分かるようになります。もちろん、そのとおりに実現できるようになるには、さらに練習が必要です。
 日本語学概論のほうは、現代の日本語がどのように成り立っているのかと、それをどのように使っているのかについて、具体例に即して考える授業です。講義形式ですが、授業ごとに、その日の内容に関する考えやエピソードを書いてもらいます。それを次の時間に紹介して、ポイントの確認をしています。教員本人はいたって真面目に説明しているつもりですが、受講生の関心はどちらかと言うと、雑談のほうに集中してしまいがちなところが、悩みの種です(ホンマかいな)。

 

研究紹介

 専門は何かと聞かれると、「日本語表現学」と答えることにしています。しかし、そういう研究者はたぶん他にはいないでしょう。勝手に言っているだけです。日本語によって表現されたもの全般に関して、それがなぜ、どのように表現されるのかを明らかにしようとする研究です。現代であれ古代であれ、文学作品ももちろん対象になりますが、日常的な会話もことば遊びも取り上げます。
 これまで出版した中で、みなさんが比較的手に取りやすいものとしては、『向田邦子の比喩トランプ』(新典社新書)、『あそんで身につく日本語表現力』(全4巻、偕成社)、『その場しのぎの小論文』(ライオン社)あたりでしょうか。最近では、『日本語学』(明治書院)という月刊誌に「ことばのことばかり」というエッセイを連載しています。共立の図書館にも入っているので、ついでの時にでも読んでみてください。きっと、くだらないなあ、と思うはずです。

 

活動紹介

 大学での授業以外での活動で、学生と関わりがあるものとしては、学内サークルの顧問という仕事があります。「顧問」と言っても、特別に指導をするわけではなく、要は事務に提出する書類にハンコを押すだけのような役割なのですが、共立の代表的なサークルである、ボート部、カヌー部、漫画研究会の三つの顧問に収まっています。
 共立の体育会系の中でも、ボート部とカヌー部は、もっとも歴史が古く、過去の栄光に輝くサークルです。戸田公園のボート競技場脇に艇庫を持つ、唯一の女子大です。どちらもマイナースポーツゆえの大変さもありますが、ある程度漕げるようになれば、出身県によっては国体の選手に選ばれることも十分に可能です! 顧問としては、いつかテレビの優勝大学インタビューに出ることを夢見て、コメントを用意しています。
 漫画研究会、略して漫研は共立最大のサークルで、100人を越す部員を抱えています。顧問でありながら、その全貌を知りません。『ピオン』という部誌を見るかぎりでは、漫画だけでなく、イラストあり、小説ありで、要するに、自己表現なら何でもありのようです。毎年、秋の大学祭には、メイドカフェ風の店を開き、賑わっています。オジサン的にはなかなか近付けません。

 

メッセージ

 共立の文芸学部に少しでも関心のある受験生に向けて、ぜひ入学してほしいという、テッパンのメッセージを、三つ伝えたいと思います。
 一つは、将来の夢と仕事について。入学前から具体的な職業イメージを持っている人は、それにふさわしい場を選ぶだけですが、はっきりしていないからといって、気に病む必要はまったくありません。大学にいる間に考えればよいのです。夢=仕事ではけっしてありません。じっくり考えるべきは、自分の人生の夢であり、文芸学部にはそのヒントがたくさんあります。
 二つめは、偏差値とブランドについて。そのどちらも、共立はほどほどです。それで130年、生き延びてきた女子大なのですから、その伝統はハンパではありません。いつの世の中でもそういう存在を必要としてきたということです。そのうえで、自分もほどほどで生きるか、それ以上をめざすかは、本人次第です。共立では、大きな大学のように埋もれてしまうこともなく、それなりの確かな存在感を示すことができるようになります。
 三つめは、文学と芸術について。実利が一番という風潮の中、文学や芸術はそれからもっとも遠い、いわば贅沢品です。今や文学も芸術も多様化し、メディアによって楽しみ方もいろいろと変わりました。それを知ることなく生きるなんて、心の貧乏人です。文芸学部はさまざまな文学・芸術をとおして、豊かに生きることができる、心のセレブをめざしているのです。自分もそうなってみたいとは思いませんか。