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更新日:2025年11月17日

留学・海外研修

2025年度 日本中国文化交流協会大学生訪中団に参加して

 

2025年度 日本中国文化交流協会大学生訪中団に参加された方のレポートをご紹介します。

 


 

虚像の向こうに見えた本当の中国

共立女子大学 国際学部 3年 川上 颯葵 

 

 私は、最初に日中文化交流のお話をいただいた時、自分の中に漠然とした不安がありました。その不安の正体は、初めて会う人と一週間を共に過ごすことや、中国に対して自分の中に偏見があったからだと思います。それに加え、戦後80周年という歴史的な節目であり、ニュースなどでは反日感情が取り上げられることも多かったため、この時期に中国に行くことに対して怖いと感じていました。しかし、そんな不安とは裏腹に、実際に現地で出会った人たちはとても親切で、私たち日本人を温かく迎え入れてくださいました。

 この一週間を通して中国の食事や建物、自然、生活の様子など、日本とは異なる多くのことに触れました。私は、その中でも、湖南省での体験が印象に残っています。郴州にある臘元古村は、村全体に昔ながらの家屋や石畳の道が残っており、まるでタイムスリップしたかのような感覚になりました。私たちの訪問は突然だったにもかかわらず、伝統的なお菓子や飲み物、ダンスでもてなしてくださいました。臘元古村での体験は、中国の人々の優しさに触れ、心が温かくなる瞬間でした。

             

臘元古村(郴州)の印象的な家屋

   

 また、中国の自然の美しさもとても印象的で、同じく郴州にある莽山国家森林公園では、雄大な自然の美しさに圧倒されました。飛龍の滝や狭谷、雲海、霧に包まれた山々の中を歩く時間は、まるで別世界にいるようで、とても貴重な経験でした。

 

 

 このプロジェクトの一番の核心ともいえる、現地の大学生との交流は、私の価値観を変える大きな体験になりました。他国の同年代の学生と趣味や悩みなどを共有し、異なる背景を持つ彼女たちの考え方に触れることで、国や文化の枠を超えて人と関わることの面白さと可能性を感じました。湖南大学での学生交流をきっかけに中国人の友人ができ、日本に帰った今でもWeChat(中国の一般的なSNS)で連絡を取り合っています。その友人から中国語や現地の生活について教えてもらううちに、中国の文化や社会について、より強い興味を持つようになりました。国や言葉の違いがあってもきっかけさえあれば繋がりが生まれるということを身をもって体験できたのは、私にとって大きな財産となりました。私が中国に行く前に感じていた怖さは、「知らない」ことからくる怖さだったのだと、あの一週間を過ごした今ならわかります。

 訪中前にメディアを通して見ていた中国と、今回自分の目で見た中国には大きなギャップを感じました。メディアやSNSを通して抱いていた作られたイメージと、本当の姿とはズレが生じているということを改めて肌で感じました。帰国後に両親に今回の体験を話すと、両親も「中国への印象が変わった」と楽しそうに話を聞いてくれました。私はその姿を見て、とても嬉しくなったのと同時に、訪中団員として体験したことを伝えていく役割も果たしていかないといけないと感じました。

 私が今回の訪中で見たもの、感じたことも、中国のほんの一部に過ぎないのかもしれません。それでも今回の訪中は、私の中で中国を身近に感じ、異文化理解の意識を変える大きな一歩となりました。そして、今回関わってくださった全ての皆様への感謝を忘れずに、この経験を今後の活動に生かしていきたいと感じています。

 

訪中団一行での集本資料は学内者向けとなっております。恐れ入りますが、本学のアカウンk

※学内者限定

川上さんと、本学から同じく訪中団に参加した清水奏さんが訪中団の参加報告を行った資料はこちら