

Faculty of International Studies
更新日:2025年12月08日
学生の活動
【国際学部】水鳥真美先生のワークショップが開催されました
水鳥真美先生ワークショップレポート
2025年 11月13日
共立女子大学 国際学部
根本夏羽
増田理那
11月13日、水鳥真美客員教授をお招きしてワークショップが行われました。
今回は、田中(坂部)ゼミ・中村ゼミ・鈴木ゼミの合同で、「災害が起こる前の災害リスクへの対応」について、「脆弱性」と「公助・共助・自助」をキーワードに話し合いを行いました。

ゼミ合同のワークショップは国際学部として初の試みであり、緊張感のある雰囲気の中で始まりました。
最初に、水鳥先生より「仙台防災枠組2015-2030」についての講義がありました。この枠組は、2030年までに「災害が起こる前にリスクを減らすこと、そして新たなリスクを生まないようにすること」を目標としています。
講義の中で特に印象に残ったのは、災害リスクを構成する4つの要素(危険・脆弱性・暴露・能力)のうち、「脆弱性」に関する部分です。脆弱性の例として、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人が挙げられていました。
外国人の方は日本語による避難情報が理解しづらく、避難先が分かりにくい場合があります。また、障害のある方について、平常時から当事者同士でのネットワークを作っていたものの、震災時には通信が途絶え、そのネットワークが機能しなかったという体験談が紹介されました。その結果、必要な支援を求めにくくなったり、避難所で過ごしにくい状況が生じてしまうことがあるそうです。
現在は東日本大震災の頃と比べて外国人観光客や労働者が増加しています。「誰一人取り残さない」防災・減災を実現するためには、社会全体での取り組みが必要であることを学びました。(増田理那)
ワークショップの後半では、5チームに別れてグループワークに取り組みました。3つのグループが「夏に大学で地震が起きた」、2つのグループが「冬に大雨で洪水が起きた」状況で、それぞれ災害時に脆弱性のある人たちは誰なのか、災害時に取るべき行動は何か、事前に備えておくことは何か、の3点を話し合いました。
今回は3つのゼミのメンバーが無作為でチームに振り分けられたので、初対面の人も多く、最初は皆緊張しましたが話し合いが進むにつれ段々と打ち解けていく様子が見て取れました。

ひとつのグループが発表するごとに水鳥先生がフィードバックをしてくださり、特に前半の講義でも強調されていた"事前の備え"については、国連の防災機関の代表としてこれまで真摯に災害に向き合ってきた水鳥先生の目線から懇切丁寧に解説していただきました。
「夏に大学で地震が起きた状況」では、多言語対応のハザードマップをつくるという案に強く賛成されていました。また、簡易トイレと生理用品をロッカーに常備しておくなど、女子大学かつ留学生の多い共立女子大学としては特に参考になるフィードバックを貰いました。
また、大学近辺の地域関係者との関わりを増やし、帰宅困難者の避難場所にする。という案は、良くも悪くも人と距離を置きがちな現代において必要な目線だと感じました。
「冬に大雨で洪水が起きた状況」でも、近所付き合いの少ない今の時代、地域同士の関わりを強化し、障害を持っているなどで避難が困難になる人たちを共助(みんなで助け合う)することができたらと話されていました。
お話の最後には、「災害時に自分で何をできるか、難しいことなので中々考えたくないと思うけど、その中でどうやって自分が中心になるか考えることが大切」と仰っていたのが印象に残りました。自分でできる備え(自助)に加え、地域や近所の方たちとの連携(共助)の中で自分が主体になって動けるよう、今一度家族や友人と災害に対し向き合いたいと感じました。(根本夏羽)
