国際学部

Faculty of International Studies

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更新日:2021年12月17日

研究紹介

【国際学部】崔承喜を考えるシンポジウムが本学で開催され、菅野敦志先生がコメンテーターを務めました

 2021年12月5日(日)、帝国日本で多くの人々を魅了した著名な朝鮮半島出身ダンサー・崔承喜を考えるオンラインシンポジウム「崔承喜の芸術とその生涯を考える」(主催:東京大学大学院IHSプログラム、協力:科研費新学術領域「市民による歴史問題の和解をめぐる活動とその可能性についての研究」、企画責任者:外村大東京大学教授)が本学で開催され、同科研費メンバーである国際学部・菅野敦志先生がコメンテーターを務めました。


 シンポジウムでは、河正雄氏、李秉造(イ・ビョンジョ)アルファラビ・カザフ国立大学教授、西堂行人明治学院大学教授、崔承喜を題材とした一人芝居を公演される みょんふぁ氏 による大変興味深い報告が続きました。菅野先生は、台湾研究の立場から、崔承喜の10歳下で、同じ石井漠舞踊学校に学び、「台湾現代舞踊(モダンダンス)の母」として知られる蔡瑞月(1921-2005年)の人生をあげてコメントされました。


 戦後は北朝鮮にわたるものの、1960年代に粛清される運命をたどることとなった崔承喜は、帝国主義・分断国家・冷戦に翻弄された東アジアの芸術家の代表的人物であったといえます。一方、戦後の国民党政権下で思想犯として獄中生活を余儀なくされた蔡瑞月との比較からは、東アジアの文化人・芸術家が経験した共通性への理解が促進される点が指摘されました。東アジアの国際政治と女性を検討した本シンポジウムは、国家と芸術に政治が分かちがたく結びついていた時代の現実と限界を、改めて女性の視座から考える有意義な機会となりました。



シンポジウム終了後の記念写真