国際学部

Faculty of International Studies

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更新日:2021年07月23日

授業紹介

【国際学部】世界銀行Technology and Innovation Lab川嶋雄作氏をお招きして「開発経済学」特別講義が行われました

 7月13日(火曜)、本学国際学部は、岡部 正義 専任講師(開発経済学専攻)が担当する専門科目「開発経済学」において、世界銀行(World Bank、本部:米国ワシントンD.C)Technology and Innovation Labより川嶋 雄作(かわしま ゆうさく)シニア・イノベーションオフィサーを臨時招聘講師としてお迎えし、「国際開発におけるTechnology and Innovation」と題する特別講義を行いました。


招聘講師の川嶋雄作氏


 かねてから、発展途上国の持続的な経済発展にとって、各国の「技術(technology)」水準が重要な決定要因の一つとなることが、例えば内生的経済成長理論のような新しい理論的議論・実証研究において注目されてきています。そして、発展途上国における技術水準の向上には各国政府のみならず国際機関の支援・協働も不可欠です。これらは「開発経済学」の重要論点の一つを構成しています。


 川嶋氏は、行政官として日本国政府職員(経済産業省)としてキャリアを積んだのち、米国ハーバード大学院およびジョンズホプキンス大学院にて行政学および国際経済金融学で修士号を取得されました。大学院在学中から世界銀行での業務に従事し始め、修了後は同行Technology and Innovation Labでシニア・イノベーションオフィサーとして勤務されています。


 特別講義では、開発分野における主要な国際金融機関である世界銀行が進める「人工知能」(AI)の開発・普及と「イノベーション」の創成を目指した諸業務について、実務の観点から詳しく講じていただきました。加えて、本学学部生の将来のキャリア構築に資するよう、ご自身の学生時代や日本政府・世界銀行での経験についてもお話いただきました。政府機関で働くこと、大学院で学ぶこと、そして国際機関で働くことなどについて、学生にとって刺激に満ちた講話を展開していただきました。




予防接種や感染対策を行って実施


 講義内では学生による質疑・意見交換も盛んにおこなわれ、世界銀行のAI業務の詳細や、AIの一般的なイメージと本講義で得た知識との関係、川嶋氏が担っている途上国住民を支援するためのAIモデルの詳細といった点について、本学部学生の関心が寄せられました。さらに、学生にとって切実な課題である「やりたいこと」や「専門性」の見つけ方、グローバルな国際機関で働く際に直面する諸問題、日米間の勤務環境におけるジェンダー差の視点などについて、学生から活発な質問が寄せられ、講師との対話が展開しました。


学生との質疑応答の様子


 「SDGs」時代における発展途上国の持続性のある発展・開発にとって、包摂性(inclusivity)が重要な視角となりつつあります。かつてのような支援-被支援の関係を超えて、発展途上国地域に技術革新のムーブメントを起こそうとする世界銀行の活動や川嶋氏の奮闘について、学生が深く実感をともなって学修する好機となりました。