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更新日:2018年06月22日

【国際学部】リレー・エッセイ2018(8) 宇野直人「君子は厨房を遠ざく――『孟子』梁恵王章句・下」

君子(くんし)厨房(ちゅうぼう)(とお)ざく――孟子(もうし)(りょう)(けい)(おう)章句・下

 

 中国、戦国時代の思想家孟子(前三七二~前二八九)の言葉で、「君子(りっぱな人)は料理場には近づかない」という意味。しばしば“男は料理場に入るものではない。料理は女の仕事だ”という意味に取られますが、それはまったくの誤りです。この言葉は、りっぱな人は情愛もたいへん深いことを説いた文脈の中に出て来るもので、生きものが殺され、料理される現場を見るに忍びないからこそ、彼は料理場に近づけないのです。武者小路(むしゃのこうじ)実篤(さねあつ)の『幸福者(こうふくもの)』に“(うなぎ)は生きたまま調理され、その方法はとても残酷だ。何とか鰻が少しでも苦しまないやり方はないものか”という意味の一説がありますが、孟子の語の趣旨とよく似ています。人はみな、生きものを食べなくては生きてゆかれませんが、そのことへの心の痛みは失いたくないものです。大切なのは、(せい)あるものを食糧として生きている人間が、どのような生き方をしてゆくのか、ということなのです。孟子や実篤が言いたいのは、実はこのことなのです。

 中国の名言や史実には、他にも、誤解されたり(ゆが)められたりしているものが多くありますが、それは何も中国に限らず、私たちの身の回りにも、偏見や先入観で歪められている物事はたくさんあります。それらの歪みを取り除き、真実をありのままに見つめる方法を探ること、そのような心の習慣を養うこと――これもまた、大学で学ぶべき重要なことに違いありません。

                           





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