看護学部

Faculty of Nursing

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看護学部ニュース詳細

更新日:2021年08月04日

授業紹介

【看護学部】保健師課程の1期生が新生児家庭訪問の演習を行いました

看護学部では、2019年度に保健師課程が開設され、現在3年生の1期生が演習に取り組んでいます。公衆衛生看護展開論の授業では、新生児家庭訪問の演習を行いました。

 

 保健師は、家庭訪問、健康相談、健康診査、健康教育、小集団・地区組織活動等の様々な援助方法を通して、地域で生活する人々のQOLの向上を目指して活動しています。中でも、家庭訪問は、対象者の生活の場で行うことのできる援助であり、家族を一つの単位として、対象者やその家族の生活状況を把握し、対象者・家族が生活の場で健康的な行動を主体的に行えるよう支援するために行います。保健師による家庭訪問は、法律で規定されているものと、地区活動の一環として実施されているものがありますが、今回の授業では、母子保健法に規定されている新生児の訪問指導(家庭訪問)を行いました。

 授業では、事例を用いて、新生児の家庭訪問に必要とされる看護過程の展開(情報収集、アセスメント、計画)を学修しました。まず、学生各自が看護過程の展開について考え、次いで、各自の学修内容をグループメンバーと共有・討議しました。さらに、グループで検討した内容について発表・討議を行い、全員で看護過程の展開を確認しました。

 そして、確認した看護過程の展開を基に、新生児家庭訪問の技術演習を行いました。学生は、教員の家庭訪問のデモンストレーションを参考に、グループに分かれて、ロールプレイを行いました。ロールプレイでは、保健師役・母親役(母親役が観察者を兼ねる)に分かれ、モデル人形(3kg前後)を使って演習を行いました。家庭訪問先で体重を計測する際には、手軽に持ち運びができるばねばかり式を使うことがあります。今回はばねばかり式の体重計を用いて、安全に正確に測定する方法も学修しました。さらに、赤ちゃんの股関節の状態を確認する方法や股関節脱臼を予防する保健指導等も学びました。ロールプレイ終了後は、技術確認シートを基に、グループで振り返り、良かった点や改善点を確認しました。また、家庭訪問記録の作成、訪問後の継続支援の方法、評価等についても学びました。(写真1、2)

 家庭訪問は、様々な保健師の援助方法の中でも活動の原点だと捉えられています。対象者の生活の場に赴くことで、対象者の生活の実態や対象者が大切にしてきた価値観に触れることができ、より実生活に即した支援が可能となります。来年度、4年次に行う公衆衛生看護学実習では、実習指導保健師の家庭訪問に学生も同行させていただき、さらに家庭訪問における保健師の役割について学修します。(地域・在宅看護学領域)

  • 写真1 ばねばかりで体重計測を行っている場面

    (右側:保健師役、左側:母親役と観察者役)

  • 写真2 音の反応をみている場面

    (左側:保健師役、中央:母親役と観察者役)